社会生活基本調査:ボランティアが増加 震災で趣味娯楽は低下 /岩手

県は、県民が自由な時間をどう過ごしているかを尋ねた「社会生活基本調査」の結果を公表した。震災の影響で、ボランティア活動に従事する人が増える一方、スポーツや娯楽に時間を使う人は減少傾向にあった。
 
調査は、総務省が1976年から5年ごとに全国で実施。昨年10月に県内の96地点に住む、10歳以上の約3000人にアンケート形式で聞き取った。
 
県調査統計課によると、学習・自己啓発▽スポーツ▽趣味・娯楽▽ボランティア▽旅行−−の5項目で、自由な時間に充てる行動として多かったのは、趣味・娯楽の79・4%で、旅行の65・2%、スポーツの55・0%(複数回答)が続いた。趣味・娯楽の内訳をみると「音楽鑑賞」が40・3%と最も多く、「映画鑑賞」が34・5%、「読書」が34・2%だった。スポーツは、「ウオーキング・軽い体操」が29・3%、「ボウリング」が11・3%と、幅広い年代で支持された。
 
06年の前回調査と比較すると、ボランティア活動が33・7%で、全国8位から5位に浮上。特に「災害に関係したボランティア」の割合は、前回の1・5%から11・1%に急増した。一方で、趣味娯楽は全国41位(前回38位)、スポーツは44位(同42位)と、いずれもランクが低下した。
 
同課の担当者は「震災でボランティアに従事した人が増えた半面、遊びを自粛する人が増えたのではないか」と推測する。


東電、純損失2883億円=原発停止、燃料費増加で―4〜6月期

東京電力が1日発表した2012年4〜6月期連結決算は、純損益が2883億円の赤字(前年同期は5717億円の赤字)だった。3月下旬までに全ての原発が停止したことで火力発電用の燃料費が膨らんだほか、福島第1原発事故の損害賠償費用1610億円を特別損失として計上した。
 
前年同期に巨額の原発事故関連費用が生じた反動で、赤字幅は縮小する形となった。当初は7月の予定だった家庭向け電気料金の値上げが9月にずれ込むなど、東電の経営環境は依然厳しい。
 
売上高は15.6%増の1兆3097億円。本業のもうけを示す営業損益は1088億円の赤字(前年同期は520億円の赤字)だった。
 
13年3月期の通期連結業績では、純損益の赤字額が従来予想の1000億円を上回り、1600億円に膨らむとの見通しを示した。 


グーグル 東北企業を支援 サイト作成、活用法助言

インターネット検索大手グーグルは31日、「東日本ビジネス支援ワークショップ」を8月に始めると発表した。中小企業向けのウェブサイト作成を通じ、東日本大震災からの復興を後押しするのが狙い。気仙沼、石巻、大崎市を皮切りに、東北各地で展開する。
 
東京都港区での記者会見には、菅原茂気仙沼市長も出席し「震災からの復興には産業の再生が何より大切だ。イノベーションの積み重ねを通じ、新たな何かをつかむ機会としたい」と述べた。
 
ワークショップでは2〜3時間かけてウェブサイトの構築を指導し、販売促進への活用などもアドバイスする。7月中旬には気仙沼市で事前ワークショップを実施した。被災自治体などを会場に、月1、2回のペースで開催する方針という。
 
グーグルの調査では、東北地方の中小企業のウエブサイト保有率は約17%。全国平均の約24%を下回っており、ビジネスへの活用度は低い。
 
同社の岩村水樹マーケティング本部長は「情報の収集、発信などウエブ活用は復興への力となる。産業活性化につなげてほしい」と話している。


東日本大震災:福島第1原発事故 183人和解仲介申し立て 南相馬市小高区の住民、東電損賠で原発ADRに /福島

南相馬市小高区の住民59世帯183人が31日、東京電力に損害賠償を求め原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)に和解仲介を申し立てた。同区は原発事故で警戒区域に指定され、4月に大半が避難指示解除準備区域と居住制限区域に再編された。コミュニティー破壊による精神的損害など請求総額は約14億7700万円。9月ごろまでに他の住民も申し立てる予定で、現在の受付件数は760世帯2600人。最大規模の集団申し立てになる見通し。
 
住民は避難費用や一時立ち入り費用、生命・身体への賠償のほか、東電が現在、精神的損害として支払っている月10万円を最低でも35万円にすることなどを求めている。他に家屋・建物の損害や生活費の増加分なども追加で申し立てる予定。
 
記者会見した行政区長会の山沢征会長は「天保年間からずっと築いてきた小高が一瞬にして失われた。地震なら直せるが、原発事故で我々は途方に暮れたまま。生活を立て直すのに少しでもプラスにし、地域の安心を取り戻したい」と申し立ての意義を説明した。
 
同区の集団申し立ては、行政区長会が主催、福島と東京の弁護団を中心に行われている。7月12日に第1次として、12世帯35人、計約1億8700万円の申し立てが行われた。震災当時の同区の人口は約3700世帯1万2800人で、約20%の住民が申し立てに参加する意向だ。


東日本大震災:被災地の子に新鮮野菜贈りたい 水耕栽培、無農薬、無償発送 大阪の企業、送り先を募集 /福島

被災地の子どもたちに新鮮な野菜を届けようと、大阪市のJR大阪駅近くで屋内型の貸し農園を経営する「ジャスナ」が、育てた野菜の寄贈先を募集している。水耕栽培を利用して無農薬で作られた野菜で、1〜2カ月ごとに無償で発送。送り先は児童養護施設や幼稚園、保育園などを想定している。
 
ジャスナは郵便物の発送や仕分け代行を行う企業。自社ビルの空きフロアを有効活用しようと、今年4月に水耕栽培棚を使った貸し農園をオープンした。
 
水耕栽培は土で作るより成長が早く、レタスなどの葉もの野菜は1カ月程度で収穫できる。無農薬で簡単に栽培でき、通勤途中の会社員などに人気だ。
 
当面は空きスペースで社員が育てた野菜を送るが、貸し農園の料金を割引し、利用者が収穫した野菜を被災地へ送る仕組みも今後導入する。9月中旬から、フリルレタスの発送を予定し、野菜の量は個別に相談する。
 
同社は野菜の成長の様子が分かる写真も随時送ることにしており、「屋内での栽培なので病害虫の発生も無く、1年を通して安全・安心な野菜を作ることができる。子どもたちが野菜作りに興味を持つきっかけになればうれしい」と話している。問い合わせは、同社(電話06・6451・2412)。


東日本大震災関連倒産、15か月ぶりに30件を下回る…7月 東京商工リサーチ

東京商工リサーチは、7月の東日本大震災関連倒産の調査結果を発表した。東日本大震災関連倒産は29件で、2011年4月以来、15か月ぶりに30件を下回った。負債総額は285億8400万円。

地区別では、関東19件、東北4件、中部と九州が各2件、北海道と北陸が各1件。このうち東北は、宮城2件、青森1件、福島1件だった。

産業別では、建設業が8件、製造業が7件、宿泊業・飲食店などを含むサービス業他が6件、卸売業が3件、小売業が2件だった。

発生からの累計件数は845件、負債総額は1兆1814億円となった。

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風評被害 丸森の観光も賠償 東電、農産物直売所含め

東京電力福島第1原発事故の賠償をめぐり、東電が、宮城県丸森町の観光業への風評被害を新たに賠償する方針を固めたことが31日、関係者への取材で分かった。丸森町は、国の中間指針では賠償対象とは明示されていなかった。風評被害への賠償を求める訴えは東北を中心に強く、今後、他の自治体にも対象範囲が広がる可能性がある。
 
関係者によると賠償は同町内の観光・宿泊施設のほか、食堂や約10軒ある農産物直売所も「観光業」として対象に含める。原発事故以外の要因による売上の減少分は差し引く方向で検討している。
 
東電は丸森町内の一部地区で既に賠償方針を説明しており、8月にも同町の保科郷雄町長に伝える見通し。
 
観光業の風評被害は、国の原子力損害賠償紛争審査会の中間指針で福島、茨城、栃木、群馬の4県を賠償対象と明示。東電はこのほかに米沢市や千葉県27市町村も独自に対象地域にしている。
 
丸森町は6月に福島県外の自治体で初めて原発事故による精神的損害の賠償対象となり、妊婦と18歳以下の子ども計約2200人に1人20万円が支給される予定。

[観光業の風評被害] 国の原子力損害賠償紛争審査会の中間指針で賠償対象と明示されたのは、福島、茨城、栃木、群馬の4県以外では、外国人観光客の昨年5月末までの解約による減収分のみ。東京電力は、福島県以外の東北5県に対し、東北以外からの旅行者の昨年4月下旬までの解約について減収の一部を補償する案を示している。


アイリスオーヤマ 宮城新工場一時断念 立地場所の選定不調

アイリスオーヤマは計画していた宮城県内での新工場建設を、断念したことが31日分かった。立地場所の選定が進まなかったことと、県の補助金を受ける見通しが立たなかったことが主な理由という。大山健太郎社長は河北新報社の取材に「発光ダイオード(LED)照明の国内生産拠点を計画したが残念。2〜3年後にあらためて検討したい」と話した。
 
大山社長は1月、東日本大震災の被災地支援と国内生産強化のため、新工場建設の検討を表明。中国・大連で生産しているLED照明の国内生産を担う計画で、投資額は約60億円、新規雇用は約200人を予定していた。
 
立地場所は当初、県南の複数の自治体が候補に挙がったが、工場建設の適地が見つからなかった。角田市の既存工場の敷地内への立地も検討したが、環境が整わなかったという。
 
工場建設に向けて見込んでいた県の補助金も受けられなくなり、最終的に断念した。
 
大山社長は「被災地支援だが、あくまでもビジネス。ある程度の補助金がなくては新工場の開設は難しい」と説明。「LED照明の市場が順調に拡大すれば今後、宮城で生産を始める方針に変わりはない」と語った。
 
アイリスオーヤマの国内生産拠点は計8カ所。宮城県内は角田市と大河原町の2カ所で、新設すれば県内3カ所目だった。LED照明の国内生産は佐賀県の工場で10月に始める予定。


<東電国有化>2兆円規模の国民負担が生じる懸念も

政府は31日、原子力損害賠償支援機構を通じて東京電力に1兆円の公的資金を投入し、50.11%の議決権を取得して実質国有化を完了した。東電の経営破綻を回避し、福島第1原発事故の賠償や、電力安定供給に支障がないようにすることが目的だ。政府はリストラなどで黒字転換させた後、1兆円の公的資本を回収する方針だが、再建が暗礁に乗り上げた場合、機構が立て替えている1兆円余りの賠償資金すら回収できず、2兆円規模の国民負担が生じる懸念もある。

「いずれは純粋な民間企業の形に戻ってもらう」。枝野幸男経済産業相は31日の会見で公的管理は「一時的」と強調。しかし、公的資本の回収は「相当長期にわたる」と述べ、具体的な言及を避けた。

東電の総合特別事業計画では、電気料金値上げや13年4月からの柏崎刈羽原発再稼働が再建の前提。14年3月期に1067億円の単独最終(当期)黒字に転換し、機構から交付された1兆1168億円の賠償資金返済を始めるとしている。14年3月期の最終黒字にこだわるのは、同期が赤字決算に終われば3期連続赤字となり、取引先金融機関から新規取引の中止を迫られ、資金繰り不安を招く懸念があるためだ。

また、公的資本について計画は「早期の回収を目指す」とあるだけで、「賠償資金の返済すら綱渡り。公的資本の返済計画まで立てようがなかった」(機構幹部)のが実態だ。

計画では、家庭向け電気料金を平均10.28%値上げするとしていたが、値上げ幅は8.46%に圧縮され、時期も2カ月遅れて9月からになった。当初計画から年間840億円程度の収益圧迫が予想される。

柏崎刈羽原発7基の再稼働も実現できるかどうかは不透明だ。原発1基で年850億円程度の収益を左右するため、再稼働しなかった時の影響は深刻だ。

さらに、廃炉や除染の費用が、兆円単位で膨れ上がる可能性があり、綱渡りの資金繰りが続く。「実質国有化は時間稼ぎ。近い将来、賠償責任の一部を国が引き継ぐなど枠組みの見直しが必要だ」(機構幹部)との指摘さえある。枝野経産相も31日、「東電を今後どうしていくかについては、さまざまな選択肢があり得る」と含みを持たせた。

公的資金回収には厳しい道筋
過去に公的資金の投入を受け、経営破綻を回避した企業では、日本航空が9月にも再上場を予定し、政府が投入した3500億円の回収が見込まれている。2兆円が投入されたりそなホールディングス(投入時はりそな銀行)も半分以上を返済した。ただ、出資後3年足らずで損失が生じる見通しとなったエルピーダメモリなどの例もある。

日航には、官民ファンドの企業再生支援機構が10年1月、会社更生法の適用申請に合わせて3500億円を出資、株式の約96%を保有。日航はリストラを進め、法的整理による利払い費の軽減効果もあり業績がV字回復。機構は日航の再上場に合わせて保有株式を順次売却する計画だ。時価総額は6000億円程度とされ、投入した金額を上回る収益が見込まれる。

りそなは03年、普通株などを利用して計1兆9600億円の投入を受け、実質国有化された。その後、株式を買い戻すなどして返済を続け、現在の残額は約7100億円と完済にめどをつけた。

90年代に公的資金を投入された金融機関では、兆円単位の損失が確定し、税金で穴埋めされたケースもある。直近でも、経営難に陥った半導体大手のエルピーダは09年8月に300億円が投入されたものの、今年2月に経営破綻。今後、最大280億円程度の国民負担が生じる可能性がある。東電は電気料金の値上げや税金などに支えられて経営を継続するが、賠償や除染費用などの増大で公的資金の回収の見通しはたたない。


最悪期を抜け出した会津若松の観光業、廃業続出の懸念をはね返し予想外の回復ぶり

東日本大震災と原発事故による風評被害に苦しんできた福島県会津若松市の観光業。一時は倒産や廃業の続出も懸念されたが、思いがけぬ回復ぶりを見せている。

市内最大の温泉街である東山温泉では、昨年11月以降、月間の来客数が前年同月の実績を上回って推移。鶴ヶ城天守閣の入場者も昨年9月から前年同月を上回る月が多い。

東山温泉で「千代滝」「新滝」の二つの旅館を営む「くつろぎ宿」の深田智之社長は、「原発事故の避難者が仮設住宅に移った後は、最悪の場合、宿泊客の5割減も覚悟しなければならない。雇用維持も危うくなる」と昨年8月中旬に本誌の取材に答えていた。だが、昨年11月前後から、県内や首都圏からの個人客を中心に宿泊客数が急回復。「現在まで震災前の売り上げを上回る月が続いている」。

同じ市内の芦ノ牧温泉では、一部の旅館で人員整理が実施されたものの、市内のほとんどのホテルや旅館は従業員の雇用を維持している。

鶴ヶ城前でレストランや土産物の販売業を営む「鶴ヶ城会館」の下平剛会長は、「今年4〜5月の売り上げは震災前の8割くらいまで回復してきた」と胸をなで下ろす。

下平社長は業界ぐるみで風評被害への賠償を東京電力に求める取り組みを行ってきた。「私たちが求めてきた条件を勝ち取ったことで、困難を乗り切る自信がついた」と語る。

教育旅行の回復は途上
もちろん厳しさが続いていることは確かだ。とりわけ落ち込みが大きいのが、「教育旅行」(修学旅行や林間学校)だ。震災・原発事故以前の2010年度(10年4〜12月の9カ月間)には教育旅行で会津若松市を訪れた学校は1081校に上っていたが、11年度(9カ月)には564校に半減。中でも県外の学校は841校から100校に激減した。会津若松観光物産協会の渋谷民男統括本部長によれば、12年度も200校前後にとどまる見通しだ。

協会では千葉県や新潟県、宮城県など震災前に多くの実績があった県の学校を手分けして訪問。事情説明に努めてきたものの、「福島県に子どもを旅行させることへの保護者の懸念が払拭できていない」(渋谷氏)という。

県外の減少の穴を埋めているのは県内からの教育旅行だ。福島県が費用の一部を補助する制度を設けたことで、県内からの来訪は10年度の240校から11年度には464校へと倍増。鶴ヶ城や白虎隊の悲劇で知られる飯森山の参道入り口では郡山市や須賀川市など県内からの児童の姿が目立つようになった。

実は、厳しい状況が続く県外からの教育旅行にも少し変化が見られる。「生徒130名の宿泊の予約をしたい」。くつろぎ宿の深田社長のもとに最近、宮城県の高校からこんな要請があった。

原発事故直後の昨年3月13日から4月20日にかけて、くつろぎ宿では福島県大熊町の住民を無料で受け入れた。当時、一般客のキャンセルが続出する中で、深田社長は避難者を受け入れる用意を地元の新聞を通じて表明。ピーク時の3月18日には、1356人もの避難者が二つの旅館で体を休めた。

その後、4月3日からは行政の指定による2次避難施設として3カ月にわたり部屋のほとんどを提供した。「宿泊に際しては、そうした避難者受け入れの経験を子どもたちに聞かせてほしい」というのが高校側の希望だった。

深田社長によれば、「同様の趣旨の修学旅行の予約が9月以降、3件もある」という。

原発事故での苦難の経験を学びたいという機運が、教育現場で生まれ始めたのかもしれない。



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