東日本大震災:海の男は海の街で頑張る−−八戸漁港のイカ漁師・北城一志さん /青森

「息子」のような船が壊れる
雪交じりの風が、転がった漁船に吹きつける。掲げられたままの「大漁」の旗が勢いよくなびく。16日午前11時過ぎ、八戸市新湊の八戸漁港。岸壁には大小10隻の漁船が打ち上げられ、海の安全を祈るはずの小さな神社にも突き刺さっていた。
 
階上町道仏のイカ漁師、北城一志さん(51)が、斜めに大きく傾いた「第3北進丸」に入り、片付け作業をしていた。「“息子”がめちゃくちゃに壊された」。船底に乗用車がめり込んでいた。
 
地震発生時、北城さんは船のペンキを塗り替えていた。船を支えていた柱を押さえていると、小さな津波の後、引き波でみるみる潮位が下がった。「でっけえのが来るぞ」と、付近の高台に逃げた。「地獄としか言いようがない」。船をのみ込む真っ黒な大波を、ただ見つめ続けた。
 
高校を卒業後、父の後を継いで漁師に。イカ釣りのノウハウは小さいころから見て学んだ。5月から8カ月間の漁は、好調なら水揚げ額は3000万円程度に。「宝石みたいにきれいなイカで、船がいっぱいになるのがうれしい」。93年、第3北進丸を5000万円のローンを組んで買った。
 
収入は変動が大きく、整備や維持で出費もかさむ。それでも「おれには海しかない」と歯をくいしばり、海を駆け回った。ようやく借金の完済が見えてきたところで地震に遭った。
 
今年のイカ漁は、めどが立たなくなった。生活はどうなるのか不安は募る。それでも、海から逃げようとは思わない。「海の街は、海の男が頑張れば必ず復興するはずだから」。いさり火が再びゆれる日を信じて、笑った。

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東日本大震災:温泉旅館、キャンセル相次ぐ レジャー自粛ムード /鳥取

東日本大震災のあおりを受け、県内旅館でキャンセルが相次いでいる。皆生温泉と三朝温泉の大手6旅館では、地震発生後から16日昼までにそれぞれ200〜80人のキャンセルが出た。被災した東北や関東ではなく、関西や中四国からのキャンセルが多く、レジャー自粛の空気が広がっている。
 
皆生温泉の「皆生菊乃家」では、個人、団体で計約80人がキャンセル。地震発生直後は、関東や東北からのキャンセルが多かったが、14日ごろから関西、中四国からのキャンセルが増えてきた。静岡東部で震度6強を観測した15日夜の地震を受けてキャンセルした人もいたという。
 
皆生グランドホテル天水」でも100人を超えるキャンセルが発生。東日本が2割、西日本が8割という。「旅行する気分ではない」「東北の応援をしたい」「東京本社に応援にいかなければいけない」などの理由だった。
 
同ホテル予約センターの松永隆次長は「西日本の人たちは旅行を自粛している状態。半年ぐらいは続くのではないか」と懸念する。
 
皆生温泉では皆生つるやが100人、三朝温泉では三朝館が200人▽依山楼岩崎が150人▽万翠楼が100人のキャンセルがあった。多くが西日本の客のキャンセルという。
 
一方、菊乃家は16日以降に予約を受けた宿泊料の一部を義援金として寄付することを決めた。土日にはチャリティーコンサートも開く。
 
若女将(おかみ)の柴野寛子さん(26)は「こんな時だからこそ旅館がお客様を元気付けたり、明るい気持ちにさせたりしなければならない」と話している。

編集後記
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東日本大震災:開店半年の居酒屋が津波被害 八戸・松舘さん、店の再起誓う /青森

「周囲を元気づけたい」−−八戸・松舘洋平さん(27)
八戸市の館鼻漁港近くでは松舘洋平さん(27)が経営する居酒屋「いち葉」も津波被害に遭った。会社員を辞め、開店して5カ月。客が増え、経営も上向いていたところだった。それでも、「早く再開して周囲を元気付けたい」。客を迎える日のため掃除に力を込める。
 
開店は昨年10月。日本酒を豊富にそろえ、安くてボリュームのあるランチも評判だった。11日昼、最後のランチ客が帰った直後に震災が発生。長く続いた揺れが強くなり、店外に止めた車でテレビを見て津波が来るのを知った。
 
近くの自宅に避難しようと車で向かったが、渋滞に巻き込まれた。テレビには店の付近が津波に襲われる光景が映っていた。
 
「店までは被害が及ばないだろう」と考えたが、翌日早朝に店へ行くと、戸は外れて皿が散乱していた。
 
それでも、14日に店内を掃除して再起に向けて動き始めた。「肩を落としている場合ではない。必ず立て直してみせる」と力強く言った。

編集後記
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早じまい、臨時休業、閉店−新橋、大みそか並みの静けさに /東京

東北地方太平洋沖地震発生後初の平日を迎えた新橋では、臨時休業や時間短縮で営業する店舗が多く見られ、大みそか並みの静けさに包まれた。

JR新橋駅では輪番停電の影響によるダイヤの乱れや運行停止を懸念し、アナウンスで早めの帰宅を呼び掛けた。SL広場前の場外車券売り場「ラ・ピスタ新橋」(港区新橋2)は、地震の翌日12日から18日まで臨時休業を決めた。

ニュー新橋ビル(新橋2)では節電のため、営業時間を23時までに短縮。同時に正面ホールの世界最大級という108V型の液晶ビジョンと2台の案内用タッチパネルの電源を終日落とした。3月末で閉店を予定していた同ビル1階のいわき市アンテナショップ「いわき・ら・ら」は、震災当日に閉店したことが分かった。この日は残ったスタッフによる撤収作業が行われた。

フォレスタ虎ノ門(虎ノ門1)の「森カフェ」では一部照明やBGMを停止。ランチの食べ放題も当面自粛することを発表した。ホテルオークラ東京(虎ノ門2)では震災後から連休明けまで、一部のイベントを除き中止を決定した。

このほか、駅構内のデジタルサイネージも消され、個人商店なども断水や節電、電車の運行停止などの理由で多くが休業。駅付近の商業ビルや地元の飲食店街は「シャッター街」と化した。

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盛岡の大通商店街、徐々に営業再開へ−さわや書店「配本はほぼ平常通り」 /岩手

東北地方太平洋沖地震から4日たった14日、盛岡市内の中心商店街では少しずつ店舗が営業を再開している。

市内大通商店街では13日夜から居酒屋などの営業も始まり、14日には3割程度の店が再開。美容室では、500円でシャンプーを受け付け店もみられたほか、昼時には普段より格安に食事を提供する飲食店も。

大通にある「さわや書店」本店は13日から営業を再開し、ほぼ通常営業に戻っているという。松本店長は「地震で本棚からかなりの本が落ちたが、影響なく営業できた。ツイッターなどで多くの励ましの声をいただいて、とてもうれしい」と笑顔で話す。

本の物流ついては「本は意外なことに、1日2日の遅れはあるものの、きちんと配本されていて、雑誌も書籍も新しいものが届いている。いつもの流通業者が首都圏から回ってきてくれている」と話している。

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東日本大震災:計画停電対応に苦慮するマンション住民「中途半端は困る…」

高層マンションや高齢者世帯の多い団地の住民たちは、計画停電の備えに追われた。川崎市幸区の高層団地の10階に父親(84)が住むという主婦(56)は、足腰が弱って一人で歩けない父親のデイサービスをキャンセルした。エレベーターが止まる恐れがあり、施設に通えなくなるためだ。結局、15日の停電は実施されず、「やるのかやらないのか、はっきりして。それによって市民の動き方も違ってくる。中途半端が一番困る」と注文を付けた。

相模原市緑区の橋本駅前の33階建てマンション。29階の主婦(39)は風呂おけに水を張り、飲料水も買い込んだ。管理会社によると、給水ポンプが動かなくなるため断水する可能性があるからだ。エレベーターや立体駐車場も使用停止になるという。

妻(74)と2人で15階に住む無職男性(73)は、「体の調子が良くない妻は、一人では階段の上り下りができない。手助けを頼める顔見知りも少なく、もしものときは心配だ」と打ち明けた。

最近のエレベーターは蓄電池を搭載しており最寄り階で停止するが、状況によってはエレベーター内に閉じ込められる可能性がある。国や日本エレベータ協会などは、停電前からエレベーターやエスカレーターの利用を控えるように呼び掛けている。

編集後記
80円台の超円高と1万5000円割れの株価は「さあ、日本よどうするのか」と日本自身に突きつけられた大世紀末の鋭いナイフである。それはまさに、立ち行かなくなった日本の従来のシステムに対する重大な警告でもある。日本はいま、興隆か没落かという別れ道の際に立っているのだ。はたして、新生日本への道を切り拓き、21世紀型のパラダイムを創り出すことができるのか。

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東日本大震災 東大阪の中小企業も被災

市など現地工場の支援開始
東北や関東地方に甚大な被害が出ている東日本大震災で、ものづくりの町・東大阪市の中小企業にも、現地の工場や取引先が被災するなどの影響が出ている。市では市内の企業から聞き取り調査を行って被害情報の収集を始めたほか、東大阪商工会議所は相談窓口を開設した。

これまでの市の調査によると、福島県に工場がある会社では工場の地盤が沈み、製品がすべて壊れてしまった。従業員の中には不安定な状況が続いている原発近くに住んでいる人もおり、多くが避難所に避難しているため工場の機能がストップしている。

また、栃木県に工場があるプラスチック製品の製造会社も生産ラインが止まったままになっているほか、東北に取引先がある企業では現地と連絡が取れない状況が続いているという。

東大阪商工会議所によると仙台市などに営業所を持っている企業も多いといい、融資や支援策について相談に応じる電話相談窓口((電)06・6722・1151)を設置。企業の支援にあたっている。

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ガソリン不足、東日本で深刻化…GSに長蛇の列

東日本巨大地震で、石油元売り大手の一部製油所が操業停止に追い込まれたことで、ガソリン不足が関東地方以北を中心に深刻化している。


都内では、品切れで営業を休止するガソリンスタンドが相次いでいる。営業しているスタンドでは、ガソリンを求める車が長い列になった。スタンド関係者は、「元売りからの供給量が、通常の6割程度に絞られている」と話す。

元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーは、地震の被害を受けた仙台製油所(宮城県)、鹿島製油所(茨城県)について、操業再開のめどが立っていない。根岸製油所(神奈川県)も点検中で、来週中の再開を目指す。3製油所の精製能力はJXの能力の5割近くを占めている。東燃ゼネラル石油や火災に見舞われたコスモ石油の各製油所も地震で操業を停止している。

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ガソリン不足対応へ備蓄石油放出…経産相が判断

海江田経済産業相は14日夜、首相官邸で記者会見し、民間企業の基地に備蓄している石油の一部を放出することを明らかにした。

日本には海外からの原油の供給途絶に備えて164日分の原油が蓄えられており、このうち民間基地に備蓄されている70日分のうち3日分(126万キロ・リットル)を14日付で放出できることにした。

東日本巨大地震の被災地でのガソリン不足と都心部での品薄懸念による買いだめを解消するためで、海江田経産相は「不要不急のガソリンの使用を控えてほしい」と節約を要請した。

被災地では道路の寸断などでガソリンの供給が滞っている。首都圏でも、東京電力の計画停電により鉄道の運行が止まるとの懸念から、ガソリンを買い占める動きが目立っている。

国内での原油備蓄の放出は、米国で起きたハリケーン災害を受けて放出に踏み切った2005年以来となる。石油備蓄法では、供給不足に陥る恐れがある場合は、経産相の判断で備蓄を放出できると定めている。

編集後記
日本の輸出入貨物は、なんと99.7%が港湾を経由して出入りしているのだ。四方を海で囲まれた日本列島には、おおよそ1100の港湾がある。古来、産業を育て、にぎわいを生んできた港…。その存在により地域の発展に貢献をしてきた港を取り上げ、商業港、工業港、漁港として、交通の起点あるいはレクリエーション港としての役割など、港と周囲との共存関係を探る。

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沖縄 県内ホテル、キャンセル相次ぐ 影響「想像つかない」

東日本大震災で県内ホテルでもキャンセルが相次いでいる。那覇市内や北部地区でホテルを運営するかりゆし(那覇市)は14日までに、運営する4ホテルで2600人のキャンセルを受けた。
 
そのほか那覇市内や西海岸リゾート地区のホテルでもキャンセルが相次ぎ、ホテル関係者からは「想像もつかないような影響が出始めている」と心配の声が上がっている。
 
オキナワマリオットリゾート&スパ(名護市)では12日までに、個人や団体旅行などを含め約300人が3月の宿泊をキャンセル。国内のほか韓国や香港からのキャンセルもあった。ホテル日光(那覇市)でも修学旅行や団体旅行、個人旅行客のキャンセルが発生している。
 
県ホテル旅館生活衛生同業組合によると、県内には例年3〜4月に北海道や東北地方から避寒ツアーが多数実施されており、同組合は「各ホテルに影響が出てくるのではないか」と懸念している。
 
一方、ホテル関係者は「地震発生で、全国的に旅行の自粛ムードが出てくるのは当然のこと」と指摘。宿泊以外にも県外産の食材調達など物流面も困難になるのではないかという懸念もあり、「食材が調達できないことで、メニュー変更などの影響も出てくる」と話している。

編集後記
「はりきりすぎが裏目に」「ちょっとした意見を根に持つ上司」「度を越した同性の嫉妬」「内部告発の悲惨な結末」など、気がつくと会社から冷遇され、「負け組」となってしまった人たちの実体験をまとめた、「ダイヤモンドオンライン」の人気連載、待望の書籍化。あなたの負け組度数がわかる、チェックリストも収録。負け組社員は社内の誰? それともあなた?

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