東京電力福島第1原発事故の風評被害の影響で観光客が減ったとして、福島県を除く東北5県の旅館ホテル生活衛生同業組合と東電が進めている損害賠償交渉で、組合と東電は7日、昨年3月〜今年2月を対象に、5県以外からの宿泊客のキャンセルなどによる売上減少額などから算出した逸失利益の一律5割を風評被害として認める賠償案で大筋合意した。
対象期間と割合は組合側が提示していた内容で、期間は前回交渉時から3カ月増え、賠償額は当初東電が示していた賠償額のおおよそ10倍以上となる見通し。
山形県旅館ホテル生活衛生同業組合の佐藤信幸理事長が同日、県庁で記者会見し明らかにした。
合意したのは、昨年3月1日から今年2月までを3カ月ごと4期に分ける。各期で、旅館ごとに基準となる売上高に利益率や減少率をかけて逸失利益を計算したうえ、さらに風評被害の割合となる50%をかけて算出する。多少増減する可能性があるが、5県の組合全体で約53億円の賠償額で合意した。
賠償対象のうち、昨年3〜5月の期間には、「原発事故以外の売上減少率が20%」との条件があるが、昨年6月〜今年2月は同様の減少率を設けず、少しでも売り上げが減っていれば賠償対象となる。しかし、東電は途中で売り上げが増えた場合はそれ以降の賠償を打ち切る案などを示しており、さらに詰めの協議をする。佐藤理事長は「1カ月後には手続きに入りたい」との見通しを示した。
吉村美栄子知事は「組合が長期にわたり精力的に折衝を行ってきた損害賠償が一定程度満足できる到達点に至り、また旅館ホテル業のみならず観光業が対象となり、県として主張・要望してきた点が一定程度含まれる内容となっていることはある程度評価できる」とのコメントを発表した。
総括基準が追い風に
「原発事故との相当因果関係とは何だ、風評被害とは何だということで何度も東電とやりとりをして決まらなかった交渉が合意でき大変な躍進」。県旅館ホテル生活衛生同業組合の佐藤信幸理事長は賠償案合意まで1年近くの交渉をそう表現した。
組合が求める条件で合意にこぎ着けた背景には、文部科学省の原子力損害賠償紛争解決センターが示した総括基準が追い風となった可能性はある。
同センターは先月27日、観光業の風評被害を事故後の逸失利益の7割とした。この基準を基に経済産業省の仲介を得て東電と交渉。
組合の要求通りの昨年3月〜今年2月の賠償対象期間や逸失利益の5割の賠償案で合意。2週間弱のスピード決着だった。今後は合意案を参考に、県が運送業など他の観光業の賠償交渉にどの程度応用できるか探る必要がある。
編集後記
単純に計算して東北5県で53億円ですから、1県10億6000万円。一番被害の大きかったであろう福島県には楽天トラベルでは660軒が登録されています。お金だけでは計算できない部分が多いでしょうが、1軒あたりが160万円です。
風評被害に対する賠償となっていますので、多いのか少ないのかはたまた妥当なのかは別にして、一番失って欲しくないものが元気さです。
お金を貰っても元気さが取り戻せなければ、なかなか再起が難しいです。
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