「お客さんに元気を」 ススキノの居酒屋で350円のランチ

経営者の思い

ニッカウヰスキーの巨大ネオンサインを臨むビルの4階。昼下がり、小上がりの座布団に腰掛けた客がラーメンをすすっていた。1杯350円。居酒屋が先月始めた赤字覚悟のランチメニューだ。
北海道最大の歓楽街ススキノ地区(札幌市)中心部に店を構える「北海道海鮮にほんいち」。運営会社社長の原田一利さん(54)は「こんな時だからこそお客さんを喜ばせたい」と語るが、1年前まで経営が軌道に乗っていただけに複雑な思いがにじむ。
1996年ごろ、ススキノで飲食店経営を始めた原田さん。当時30歳。北海道ならではの上質な料理を安く提供することにこだわった。浮き沈みが激しい業界の中で市内に3店舗を築き上げ、道外にも進出するなど着実に成長を遂げていた。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で経営は一変。2020年2月、道は独自の緊急事態宣言を出し、道民に外出自粛を要請した。

その影響で、売り上げは例年の1割以下に落ち込んだ。「すすきの店」の家賃は管理費などを含めると約200万円。「払えるだけの売り上げはなかった」。3月にはススキノで初めてクラスター(感染者集団)が起きるなど、その後も厳しい状況が続く。
12月、売り上げはたったの約80万円。1日最高150万円以上を稼いだ「コロナ前」と比べると話にならない。原口さんは「まさか1年も続くとは」と嘆く。この1年間でJR札幌駅北口近くの店舗を閉め、道外の一部系列店も閉店に追い込まれた。居酒屋などで飲食を楽しんでいた人々の行動はこの1年で確実に変わったのだ。
道の家計調査によると、1世帯(2人以上)が1カ月間に外食に使うお金は20年1月時点で平均約9800円。政府が初めて緊急事態宣言を出した4月は約4500円とほぼ半減した。
感染状況が落ち着きを見せた夏場は回復傾向で9月には前年の9割程度まで持ち直したが、道内の日別感染者が最高304人に達するなど感染者が急増した10、11月は7割台に落ち込んだ。



外食産業の業界団体「日本フードサービス協会」(東京都)の常務理事は「このままでは日本の食文化の中枢を担ってきた外食産業が立ち行かなくなる。政府や自治体の切れ目ない支援が必要だ」と訴える。
「ここでランチをやっても、それほど客が入らないことは分かっている」。数組の客が入った店内で、原田さんはこうつぶやいた。では、なぜランチを始めたのか。「前に進まなければお客さんに元気を届けられない」

飲食・宿泊産業で大失業、連鎖倒産が迫っている

■内部留保がマイナス
日本企業では、内部留保が減少し、零細宿泊業などいくつかの部門では、すでにマイナスになっている。これらの分野では、固定資産や人員を削減して事業規模を縮小しようとしているが、資金繰りがつかないと、連鎖倒産を引き起こしかねない。
GoTo政策のような需要喚起策では、この問題は解決できない。縮小均衡への移行を援助する政策が必要だ。

■零細宿泊業などで内部留保がマイナスに
これまで、日本企業は内部留保をため込み過ぎていると批判されてきた。しかし、その状況がコロナ不況で一変した。なお、内部留保というのは、正式の用語ではない。企業会計では「利益剰余金」という用語が使われている。そこで、以下では「利益剰余金」と呼ぶことにしよう。これは、過去の利益を蓄積したものだ。
法人企業全体でも、零細企業(資本金1000万〜2000万円の企業)だけをとっても、利益剰余金は減ったとはいえ、いまだに巨額だ。
2020年7~9月期、全産業全規模で見ると、利益剰余金は453兆円だ。前年同期の471兆円から20兆円減ったとはいえ、四半期の売上高309兆円を上回る。
資本金1000万〜2000万円の企業を見ても、利益剰余金は50兆円。前年同期の60兆円から約10兆円減ったが、四半期売上高37兆円を上回る。
しかし、特定の分野では、利益剰余金がマイナスになっている。過去の黒字が積み上がっているのではなく、赤字が積み上がっているのだから、異常な事態だ。なお、利益剰余金がマイナスになったところで、直ちに倒産というわけではない。金融機関が貸してくれれば、資金繰りがついて、生き延びられる。
しかし、貸し倒れのおそれがきわめて高い対象に進んで融資してくれるところはないだろう。するとさらに業績が悪化して、利益剰余金のマイナスがどんどん大きくなり、ついには資本を上回る。そうなると、債務超過になってしまう。こうした状態になると、極めて危険だ。



■借入れが減り、事業規模を縮小する過程に入っている
新型コロナで経済活動が停滞し、売上が減少した。そして、利益が激減した。これに対して企業がどのように対応しているかを見よう。
全産業でみると、全規模でも零細企業でも、まず現金・預金を1割程度増やしている。これは、売上が急減する中で、支払い準備のために手許流動性を確保するためだ。
このために、金融機関借入れをほぼ同額だけ増加させている。金融機関からの借入を続けられれば、資金繰りがつく。ところが、利益準備金がマイナスの業種では、対応が大きく異なる。宿泊業、娯楽業では、現金・預金を、昨年の半分に減らしている。手許流動性を確保する必要があることを考えると、これは異常なことだ。
これは、金融機関融資を受けられないためだ。実際、これらの部門では、金融機関借入金が大きく減少している。債務超過になった企業には金融機関は貸し出さないためだ。
そこで、資産を処分しなければならない。実際、これらの企業は、固定資産を大幅に減らしている。これは、とくに宿泊業で著しい。もう1つの調整措置は、人員の削減だ。
経済全体での減少率は2.9%だが、利益剰余金がマイナスになった分野では、2桁の減少率となっている(ただし、飲食サービス業の零細企業を除く)。とりわけ、宿泊業の零細企業では64.4% という、異常なほど高い減少率だ。この分野では固定資産の減少率も55.5%という高率になっていることと考え合わせると、もはや従来規模の事業を継続するのは不可能と考えて、事業規模を半分以下に縮小させる過程に入っていると推察される。

■96万人の人が職を失う危機に晒されている
利益剰余金がマイナスになったのは、表1に示す分野に限ったことだ。これらの業種でも、大企業は、利益剰余金は大きく減ってはいるが、プラスだ。したがって、表1に示すのは、この分野は、経済全体から見ると、一部分に過ぎない。 では、経済の一部の問題だから大丈夫かと言えば、そんなことはない。現金預金の保有が不十分なため、債務不履行になり、倒産する危険が高い。
倒産すると、つぎの3つの問題を引き起こす。
第1は、失業の増加だ。経営内容が悪化している分野には、2020年7〜9月期で96万人の人が働いている。 これは、法人部門での総人員数3499万人に比べると、2.7%でしかない。しかし、企業が倒産すれば、それらの人々がすべて職を失う。コロナ下では、一度職を失うと、新しい職を見いだすのは難しいだろう。
仮にそれらの人々がすべて職を失えば、完全失業者数(2020年11月で195万人。前年同月比44万人の増加)を大幅に増大させる。

■債務不履行になると連鎖倒産が発生する危険
第2の問題は、連鎖倒産だ。債務超過になっていると、仮に資産をすべて売却できたとしても、負債総額を補えない。だから、債権者は債権のすべてを回収できない。金融機関では貸し倒れが発生するし、売掛金を回収できない企業もでる。
このため、健全な企業の財務状態も悪化する。こうして、連鎖倒産が発生するおそれがある。
第3の問題は、固定資産が減少していることだ。これは、将来の事業を困難にさせる。宿泊業、娯楽業の零細企業では、固定資産が前年の半分以下に減少している。宿泊業の資本金1億円以上〜10億円未満の企業でも、2割以上減少している。
仮に資金繰りがついて事業を継続させることができたとしても、企業の体力は著しく弱まっている。
これはストックの問題であるから、コロナが収束して売上が回復しても、自動的には解決できない。



■需要喚起策でなく、縮小均衡への移行援助が必要
以上で述べた事態に対しては、よほどの踏み込んだ措置が必要だ。利益剰余金がプラスであれば、現状で必要とされる基本的政策は、資金繰りができるよう金融措置を講じることだ。
しかし、利益剰余金がマイナスになってしまうと(とくに、その絶対値が資本金を超えて、債務超過状態になると)、貸出を回収できず、貸し倒れになってしまう危険が大きいので、事態は容易でない。 これに対しては、慎重な対応が必要だ。少なくとも言えるのは、GoTo政策 はこのような状況を改善できないことだ。
GoTo政策は、消費者が支払う費用に補助を与えて、需要を増やそうとするものだ。しかし、零細宿泊業などでは、事業を縮小するために、固定資産を整理し、人員を減らしつつある。
仮に需要が増えたとしても、それに対応することはできない状態なのだ。
こうした状況下で必要なのは、支援を与えつつ、新しい事業規模へのソフトランディングを手助けすることだろう。
GoTo政策については、2020年度の第3次補正予算で、約1兆円の追加費用が計上されている。しかし、これまでの形の需要喚起政策は停止にし、そこで予定されている予算を、上で述べたようなソフトランディング支援に切り替える必要がある。

協力金バブルに沸く飲食店の実態「車2台と100万円時計買った」

「今日また、ランチがどうのこうのと言われましてね、ふざけんなよと」
2021年1月13日、こう怒りを口にしていたのはファミリーレストラン「サイゼリヤ」の堀埜一成社長だった。
この日、西村康稔・経済再生担当相(58)が「昼食、ランチはみんなと一緒に食べてもリスクが低いわけではない」と発言。時短営業が要請され、対策を必死に苦慮してきた堀埜社長は「ふざけんなよ」と啖呵を切ったのだ。
こうした怒りが飲食業界から起こる理由の1つに、緊急事態宣言下での時短営業協力金に問題があるとされている。
“営業を20時までにする”など政府からの要請に応じた場合、1日あたり6万円が支給される。しかし、店舗の規模は様々。にも関わらず、協力金は“一律6万円”となっている。さらに、そもそも東京都は「サイゼリア」のような大手飲食店を対象外としていた。
1月20日には大手飲食店も支給対象となったが、「マネーポストWEB」で「一家ダイニングプロジェクト」の武長太郎社長は「なぜ最初から大手にも協力金を出さず、後出しになったのかが非常に残念」とコメント。「1店舗一律6万円では、公平性がないと感じます」と指摘している。
ネットでも《お店の大小関係無しに1店舗一律6万は流石に可哀想》《一律同額給付のシステムはおかしい》と「店舗が大きいほど不平等な政策では」との声も上がっている。
SNSを通して“6万円では全然足りない”“命からがらだ”と訴える飲食店も多い。実際、コロナ禍で閉店する店舗も相次いでいる。
だが、いっぽうで“協力金バブル”に沸くお店もあるという。



■「売り上げに1日6万円上乗せ。バブルです」
「3店舗が時短営業協力金の対象となりました。定休日の分は省かれるのですが、それでも3店舗の協力金は1カ月弱で合計450万円ほどになります。さらに延長するということなので、この調子だと丸2カ月間で1000万円以上になる見通しです。
ウチはもともと21時までの営業なので、20時までの営業になっても1時間短くなるだけ。さほど支障はありません。売り上げもありますから、バブル状態ですよ」
こう語るのは、飲食店オーナーのA氏だ。
飲食店を複数経営しているa氏の元には、コロナ禍で大量の協力金が舞い込むこととなっている。そのため、“協力金バブル”の恩恵を受けているという。
「6万円はまだ配布されていませんが、ふところにゆとりが生まれたのも事実。さらに、他の助成金もありますから。
お陰様でこの10年近く、経営は順調なんです。店舗はだいたい20人規模ですが、コロナになっても常連さんや新規のお客さんが後を絶ちません。そうした1日の売り上げに6万円が上乗せされるのですから、笑いが止まりませんよ。でもそれはウチだけではなくて、同じ規模のお店はみんなバブル状態みたいです」(A氏)



■車2台と100万円腕時計、100インチプロジェクター購入
「バブルですよ」と何度も口にするA氏。その“豪遊ぶり”をこう明かす。
「まず車を2台買いましたし、100万円の腕時計を買いました。あと欲しかったブランドの服とか……。キャンプにハマってるんで、外でも使える100インチのプロジェクターも買いました(笑)。もちろんお店の設備投資にも使っていて、古い部分を改修しました。
自分だけというのも悪いので、従業員にはボーナスを渡しました。社員だけでなく、バイトの子たちにもです。おかげでみんなのやる気が全然違いますし、仕事の効率もアップしましたね」

いっぽうでA氏は、「バブルは弾けるものだ」とも語る。
「今後、人の流れがどう変わるかわかりませんから油断はしてられません。もともと普段から税金を多く払っていますし、企業に勤めている方々よりも“何が起こるかわからない”というリスクがあります。ですからみんな、“いまのうちに貰えるものは貰っておこう”という気持ちなんだと思いますよ」
苦難を強いられる店舗が多いなか、いっぽうでバブル状態の店舗も。緊急事態宣言が延長されるなか、政策の“粗”は改善されるのだろうか。

山形の宿泊施設、通常営業は3% 8割強が「開店休業」

新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言で首都圏からの宿泊客が激減している山形県内で、休業日を設けたり「開店休業」状態に陥ったりしている宿泊施設が大半を占め、通常営業は3%にとどまることが、県旅館ホテル生活衛生同業組合の調査で分かった。

組合加盟の316事業者を対象に1月18日時点の状況を調査。6割強の197事業者から回答があり、うち84%が「休業日を設けている」または「営業しているが宿泊客がおらず開店休業状態」と答えた。「休業している」も13%あった。

新型コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言は10都府県で1カ月の期間延長が決まり、事業者間で経営不安が一層強まっているという。

<新型コロナ>もう疲れ切っちゃった…緊急宣言の延長

飲食店から悲鳴 売上半分以下、補助金に不公平感

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言は2020年2月2日、10都府県で最長1カ月の延長が決まった。時短営業を続ける飲食店からは悲鳴が相次ぎ、日常生活はさらなる我慢を強いられる。「大変申し訳ない」。菅義偉首相は陳謝したが、政府の対策は後手に回り、与党議員の「夜の銀座」問題も明らかになった。「これで感染が収まるのか」。国民に不満と失望が広がった。

「緊急事態宣言は延びると思っていた」。埼玉県長瀞町長瀞で老舗旅館「長生館」を営む小埜和也常務(44)は冷静な様子で語った。緊急事態宣言の延長も見込み、1月11日から3月12日までは月曜から木曜の宿泊を休業している。「新型コロナウイルスをもう一段階抑え込むため、もう少し我慢したい」と話した。



川越市仲町の「マツザキスポーツ」店主松崎正裕さん(48)も延長に賛成を示す。「平日の人通りは減ったが、土日は若者を中心に多くの人が外出している。感染者数は日に日に減ってきているが、再拡大を防ぐためには、1回目の宣言のように、規制を強める必要があるのではないか」と話す。

ただ、外出自粛や時短営業の影響は冬の寒さのようにひしひしと身に染みる。酒と米の販売をしている上尾市の須田商店の須田悦正さん(48)は「いやあ、厳しいです。もう疲れ切っちゃって」。酒類の売り上げは前年比で4割ほどしかなく、米は飲食店への納品の落ち込みを店頭販売でカバーして何とか雇用を維持しているという。「去年の緊急事態宣言の時は飲食店を応援しなきゃという前向きな雰囲気があったけれど、今回はモチベーションが低い。まして延長で暗い気持ち」。
須田さんが肌で感じている空気には飲食店への補助金の問題がある。食品の納入業者や下請けの運送業者などに不公平感が漂っているという。「酒の蔵元や農家も厳しい。みんな連鎖しているから、飲食店にお客さんがたくさん入ればそれが一番いいはずなんですけどねえ」と複雑な心境を吐露した。

杉戸町で衣料品店を営んでいる男性(63)は「緊急事態宣言によりさらに客足が遠のき、昨年比で売り上げは半分以下とかなり厳しい状況だ」と話す。同じ商店会の中でも食品を扱う若手経営者は店舗だけでなく移動販売も手掛けるなど工夫しているが、全般的には打つ手がなく諦めの境地に至っているという。
「うちは学生服も扱っているので、寸法取りをする際、従来であれば体育館などに集まってもらい一回で処理することができた。延長されれば密を避けるため、店舗で人数制限をしながら何回かに分けて対応することになるので、周辺にも迷惑が掛かることなどが懸念される」

2021年予想!コロナで広がる「3大格差」

コロナに始まりコロナに終わった2020年。そして再びコロナの猛威が広がり2度目の緊急事態宣言が出された2021年。今年はどうなるのでしょうか。そこで私なりに今後の世相や状況を予想してみます。

1、思考格差の拡大
情報を自分の頭で考えられる人とそうでない人の二極化となり、その結果として未来の仕込みに行動できる人とできない人との分断が拡大すると思います。新型コロナウイルスは初期の頃より重症化しやすいのは高齢者と基礎疾患保有者であり、飛沫を避ければ感染しにくいことがわかっています。
そのため現役世代は、適切に注意すればそれほど恐れる必要はありません。それもあるのか、私と同世代の周囲の富裕層や起業家・会社経営者は、出張などの頻度は減っていますが、ほぼ普段通りの経済活動をしています。
一方、メディアなどの情報に洗脳された人たちは、活動とリスク管理の線引きのバランスを考えることができず、自粛警察やマスク警察となって相互監視や批判に走っています。
たとえば先日、子どもたちと公園に遊びに行きましたが、そこでもマスク着用を求められました。それで「あのー、屋外ですよ? 人との距離も十分でしょう?」と言うと、「それでも飛沫が飛ぶから」などと言われました。
多分に管理側の保身というかポーズの側面もあるとは思いますが、感染のメカニズムもリスク許容度もすべて無視した判断と言えるでしょう。
また、不織布マスクの優位性が叫ばれていますが、だからといって「ウレタンマスクでは入店禁止」などという論が出てくるのはちょっとおかしな話です。
こういう一律思考や0か100かという二元論的思考では、「リスクとリターン」を考慮して判断することが求められるビジネスや投資の場面では、通用しないわけです。ちっぽけに見えるこの考え方の差が、仕事や生活、人生の全方位にわたって展開されるわけで、巨大な格差になるのです。

2、経済格差の拡大
思考格差の次に拡大するのが「経済格差」です。特に今年懸念されるのは、廃業や倒産による失業者のさらなる激増です。
飲食店経営者や観光関連事業の経営者は、必死で踏ん張っていますが、やはり限界があります。店舗を閉鎖すれば、そこで働いていたパート・アルバイトの雇用が失われます。そこまでではなくても、シフトを減らされれば収入は減ります。
正社員であっても、影響を受ける業種業態で働いていれば、いずれボーナスカットや減給、そして早期退職制度という実質的なリストラが行われる可能性があります。今はまだ耐えられても、これが長期にわたるとどうなるかわからない。
なのに不安に怯えるだけで何も対策を取らなければ、経済的に困窮するだけということになりかねません。なので自分が勤めている会社が、コロナの影響を受けて業績が悪化する事業構造なのかどうかも見極め、必要ならジョブチェンジも含めて考えた方がよさそうです。



3、機動力格差の拡大
前述に関連し、考えることを諦めずに対応できる人とそうでない人には、埋めようのない差になっていくでしょう。
たとえば私の知人の不動産会社の経営者は、戸建てのモデルルーム見学を無人・遠隔にしたら、かえって売上が伸びたと言っていました。
最初はどうせ客は来ないからと、モデル住宅への1泊を無料にしたのですが、営業マンがいないため安心して過ごせ、しかも夜は庭でのバーベキューと花火を用意したことで、「家族でこういう暮らしもいいな」と客に思わせて成約につながったそうです。
別の飲食店経営者は、都心の店舗をいくつか閉店し、住宅街への出店を増やしました。住宅街なら地元の飲食需要があり、サラリーマンの動向に左右されにくく、土日はかえって売上が上がるので、都心店舗とのリスクヘッジになるそうです。
これらはほんの一例にすぎませんが、怖いからとビビッて委縮するのではなく、知恵を絞って試行錯誤してみるというこの姿勢が、繰り返しになりますがやはり大きな差になると考えられます。
さらに、コロナ対策という名のもとに、各国とも財政出動と金融緩和をジャブジャブに行っていますから、あふれた余剰資金が株や仮想通貨、金(ゴールド)などへ向かいやすくなっています。
そういう意味でも2021年は、リーマンショック以降で最大の格差拡大を生む年になる可能性があります。むろん正解などはありませんが、「では自分はどうするか」を常に考え、自分が望む2021年にしたいものです。

コロナ解雇5000人超す 中国地方、倒産・休廃業相次ぐ

新型コロナウイルスの感染拡大による解雇・雇い止めになった人が中国地方で5000人を超えたことが2021年2月2日、厚生労働省のまとめで分かった。長引くコロナ禍で経営が悪化して倒産や休廃業が相次いでおり、失職者は増え続けている。
厚労省は昨年5月29日以降、見込みを含めた都道府県別の人数を毎週公表している。1月29日時点の5県の合計は5025人で、前週から111人増えた。合計の県別は広島が2035人と最も多く、4割を占める。岡山1210人、山口802人、島根613人、鳥取365人と続く。

広島労働局によると、広島県の業種別は宿泊、卸売りがそれぞれ20%弱を占めた。飲食は15%程度。1月末にはホテルニューヒロデン(広島市南区)が営業を終え、広島県内で初めて地ビールの製造販売を手掛けた呉ビール(呉市)も解散した。いずれの従業員も含まれているとみられる。
「コロナ禍が長期化し、立ちゆかなくなるケースが出てきている」と指摘。広島県内の雇用調整助成金の申請は1月29日時点で5万6321件に上っている。
新型コロナ関連の倒産は続いている。中国地方は今月2日時点で52件。県別は広島28件、岡山11件、山口9件、鳥取3件、島根1件だった。コロナ禍による休廃業、解散も多いという。広島支店(中区)は「国や金融機関による支援で抑えられた面はあるが、経営改善の見通しが立たず、状況はさらに悪化する可能性がある」としている。



厚労省によると、全国の解雇・雇い止めの人数は8万4773人だった。前週から1060人増え、そのうち7割弱を緊急事態宣言が出ている11都府県が占めた。 

コロナ関連倒産1000件 飲食が最多、自粛長期化で弱る体力

2021年2月2日に、新型コロナウイルスに関連した全国の企業倒産件数が累計で1000件になった。昨年2月の初確認から1年で大台に達した。外出自粛の広がりや営業時間の短縮要請などで売り上げが回復せず、資金繰りに窮する中小企業が後を絶たない。緊急事態宣言の延長もあり、関連倒産はさらに増える可能性がある。
業種別では飲食業が182件で最も多く、アパレル関連(91件)、建設業(83件)、ホテル・旅館(62件)が続いた。
都道府県別で見ると、東京都が247件で最多。大阪府(94件)や神奈川県(55件)が続き、愛知県と兵庫県はいずれも46件だった。最も少ないのは山梨県の1件。

負債額1億円未満の倒産が半数超を占めた。倒産した企業の従業員数は、判明した926件の合計で1万3477人に上り、雇用面での打撃も大きい。政府の実質無利子・無担保融資といった公的支援により倒産が抑制されている面があるものの、コロナ禍の長期化で中小・零細企業の経営体力は弱っている。コロナ関連倒産は昨年9月以降、月100件前後で推移している。

「とどめ刺された。もう、もたない」居酒屋経営の悲鳴

兵庫県を含む10都道府県で、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の延長が決まった。県内では延長に理解を示す声も多く聞かれたが、苦境が続く飲食店や観光業界からは「もう限界」と悲鳴が続出した。収束が見通せない中、街では不安と諦めが交錯した。

緊急事態宣言の延長で、時短営業など我慢を強いられてきた店舗や観光業界からはため息ももれた。
 「とどめを刺された感じ。もう、もたない」。
神戸市内で居酒屋2店舗を営む男性(57)は1店舗の閉業を検討し始めた。昨年末の忘年会シーズンは団体予約のキャンセルが相次ぎ、売り上げが激減。1月以降も客足は遠のいたままだ。スタッフ7人を抱え、賃金や家賃が重くのしかかる。「1日6万円で雇用は維持できない」。

神戸・三宮のカラオケバーの男性店長(47)は宣言の延長に賛成。協力金で店を維持できているといい、「解除するなら大々的に『遊びに行っても大丈夫』となってもらわないと。今解除されても、客が来ない状況は変わらない」と話す。

一方で、ゲームセンターには時短要請はあるものの、協力金が出ない。三宮にある店舗の男性店長は「感染リスクもあるので、できればお金をもらって休業したかった。延長するなら、もっと危機感が伝わるメッセージを出して」と訴えた。

例年なら宿泊客でごった返す豊岡市の城崎温泉街も、年末年始から人影がまばらな状況が続き、予約のキャンセルなどによる1月の損失は全体で15億〜20億円にも上る見込みという。
同温泉旅館協同組合の理事長は「休業補償や、融資のハードルを下げるなどの支援をしてもらわないと本当につぶれてしまう。卒業旅行の需要が高まる時期。前倒しの解除を期待したい」と話した。

コロナ禍の沖縄で廃業が過去最多 

■2020年 「あきらめ型」が増える可能性
2020年の沖縄県内企業の休廃業・解散件数は384件で、2000年の集計開始以降最多となった。新型コロナウイルス感染拡大で急激な業績悪化に陥った企業経営者が、先を見通せないまま事業継続への意欲を喪失したことなどが考えられるとした。
業種別では「サービス業・他」が最多の162件。内訳は建設設計などの土木建築サービスを含む専門・技術サービス業46件が最多。老人福祉・介護、マッサージを含む医療・福祉が24件、飲食業15件、宿泊業7件だった。人との接触が制限され、サービスが提供できなくなったことが影響したとみられる。

休廃業・解散の直前の決算が判明した55社の黒字率は62%で、前年比8ポイント上昇。コロナ収束が見通せず、自主的に休廃業・解散を選択したケースが増えたと考えられるという。 負債総額1000万円以上の倒産は34件と、1975年の集計開始以降、最少となった。政府の支援策や、金融機関による融資や条件変更などの積極的な対応が効いたと分析する。

一方、休廃業・解散の多くは売り上げ規模が小さく、従業員数の少ない小規模事業者という。「赤字補填(ほてん)を中心とした資金繰り支援は短期的な破綻回避に寄与しているが、中長期的な経営の持続には直結しない。コロナの収束が長引くと『あきらめ型』の休廃業・解散が増える可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
日々の経営に行き詰まりを感じたり、ストレスがなかな取り除けないと思ってダラダラと仕事をしていませんか。
ときには、非日常を求めて、癒しを求めてちょっとだけ旅行でもしてみてはいかがでしょうか。
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