節電意識の高まりを背景に、都市ガスを原材料にして発電する家庭用の燃料電池「エネファーム」の販売が好調だ。西部ガスでは、販売開始から3年が経過した今年7月までに販売台数が累計1千台を突破。同社では販売網を強化し、24年度中に前年度実績約2倍にあたる850台の販売を目指している。
エネファームは、都市ガスから水素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させて発電する。発電の際に生じる熱で湯を沸かし、床暖房などにも使う。西部ガスによると平均的な世帯で、年間光熱費を最大5万6千円減らせるという。
西部ガスは平成21年6月に販売開始。知名度不足や1台300万円近い価格もあり、22年度の販売台数は227台にとどまったが、東日本大震災をきっかけに節電意識が高まり、23年度は448台に倍増。24年度も4〜7月で255台を売っている。
同社ではこれまで本社営業部がエネファームを直接販売していたが、今春からは福岡、熊本、長崎3県に25店舗あるガス機器販売の「西部ガスリビングメイト」を通じて販売。今夏の節電を追い風に、さらなる市場拡大に挑んでいる。
西部ガスの田中優次社長は「予想を上回るスピードで普及している。課題は価格だが、メーカーと協力し早期に1台100万円を切るようにしたい。50万円を切れば、爆発的に売れると思っている」と話した。
家庭用燃料電池に対しては、購入にあたって国が最大70万円を補助している。ただ、24年度の予算90億円は6月上旬で尽きており、日本ガス協会では補助延長を国に求めている。
時代は省エネから創エネになりました。家庭用燃料電池エネファーム、楽天初ガス器具ヒルズから... |