和光、レストラン事業から撤退

セイコーホールディングス傘下で、時計、宝飾品などの小売業「和光」(東京都中央区銀座)は21日、不採算のレストラン事業から撤退すると発表した。銀座のデパート内にある3店舗を2月末日に閉店する。

閉店するのは、和光別館の「和光レストラン アルペッジオ」、並木館の「レストランTHE WAKO」「WAKO CAFE」の3店。

従業員計24人については、同社が3月末までに受け入れ先を確保する方針。空きスペースについては、所有者のセイコーHDが後継テナントを募集するか、関連企業が使用する方向で調整するという。

セイコーHDは金融危機後の市況悪化を受けて、2008、09年度に2期連続で最終赤字を計上しており、不採算事業の圧縮や統廃合を進めていた。

編集後記
経営活動の枠組みを3つの図表を使って分かりやすく表し、企業体の機能・経営活動の状況・戦略管理の流れについて説明。1つひとつの管理手法が適切であるだけでなく、経営戦略の設定からその戦略を具体化する実行計画までが同じ基盤に基づいて総合的に連結して働いている。

経営革新と戦略管理

経済 経済総合市況株式産業..有楽町阪急、今秋「メンズ館」に衣替え 梅田では年250億円の人気

阪急阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは21日、OL向けファッションを中心に展開している有楽町阪急(東京都千代田区)を今秋、「阪急MEN’S TOKYO(メンズ・トーキョー)」にリニューアルすると発表した。2003年に全国で初めて「メンズ館」を開業させた伊勢丹とセンスを競うことになりそうだ。

阪急阪神百貨店は2008年に大阪・梅田地区に「メンズ館」をオープン。中四国からも男性客を引き寄せ、年間250億円規模を売り上げる。阪急阪神百貨店では、「有楽町・銀座エリアはビジネス街が近いのにメンズ業態が不足している」と判断し、梅田でのノウハウを生かして出店する。

有楽町阪急が入居する「有楽町マリオン」では、昨年末に西武有楽町店が閉店した。その跡にはJR東日本の子会社でファッションビルなどを運営するルミネ(東京都渋谷区)が入居する。ルミネは若い女性を中心に人気があるだけに、「メンズ館」出店で女性向け、男性向け人気店がそろい踏みすることになる。

編集後記
伊勢丹+三越、阪神+阪急、大丸+松坂屋―。仁義なき大再編・淘汰の時代に突入した百貨店業界。小売りの雄はよみがえるのか。「日経ビジネス」集中連載をいち早くオリジナル文庫化。

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NTT光回線、接続料引き下げ…総務省申請へ

NTT東日本とNTT西日本は20日、光回線を他の通信会社に貸し出す際の接続料について、2011年度から3年かけて段階的に27〜31%引き下げる方針を固めた。

引き下げ幅は過去最大で、接続料が下がれば、利用者の料金負担も軽減される可能性が高く、光回線を使った超高速ブロードバンド(大容量通信)網の普及に弾みがつきそうだ。

総務省に21日に認可申請する。総務省は25日の情報通信行政・郵政行政審議会に諮問し、年度内に新料金を認可する方針だ。光回線1本あたりのNTT東の現在の接続料は、月額4610円。11年度は9%減の4194円、12年度は23%減の3568円、13年度は27%減の3380円とする。NTT西は現在の4932円を、11年度は3%減の4784円、12年度は7%減の4578円、13年度は31%減の3426円に引き下げる方向だ。

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<ネット購入トラブル>「国産豚肉」実は中国産 全額返金へ

インターネットの共同購入サイト「品品プレミアムモール」で、「国産の豚肉使用」と表示、販売された水ギョーザに、実際は中国産の豚肉が使われていたことが分かった。同モールを運営するアライドアーキテクツ(東京都渋谷区)によると、既に2467パック(約240万円相当)が販売されており、購入者には全額を返金するという。

食肉販売業者「神戸・香記」(神戸市中央区)が出品。同モールは先月8日〜今月12日、「店長が自ら探し歩いた国産を中心にした豚肉」などと表記した商品画像を掲載して販売したが、発送されたのは中国産と明記された商品だった。同モールは購入者から電子メールで指摘を受け、18日付でホームページ上に謝罪文を掲載した。

毎日新聞の取材に、香記は「以前販売していた別の商品の画像を誤って使用した。チェックミスが原因で、大変申し訳ない」と釈明。アライドアーキテクツ広報室は「近日中に再発防止策を立てたい」としている。

複数の買い手が集まると割引価格で購入できるネット上の共同購入を巡っては、「グルーポン」を通じて見本と中身が違うお節料理が販売され、問題となった。

編集後記
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“危ない”上場46社リスト! 深まる苦境「重大リスク」

3月決算企業で、2011年3月期第2四半期(10年7〜9月期)に経営上重大なリスクを抱えているとして「継続企業の前提」に注記が付いた上場企業(東証、大証、ジャスダック)が計46社に上ったことが、東証と大証の集計で分かった。世界的な不況を受けて、企業の監査ルールは09年3月期以降、大幅に緩和されているが、経営的に“危ない企業”は依然高水準にある。

会計ルールにより、上場企業の経営者は自分の会社が経営を続けていくうえで重大なリスクを抱えていると判断したら、リスクの中身と対応策を決算書などに明記しなくてはいけない。

また、経営をチェックする監査人も、担当企業に重大リスクが存在すると判断した場合、監査報告書に注意を促すための「注記」を記載する。投資家にとって注記は、監査人が認めた「イエローカード企業」という意味合いがある。

東証の集計によると、11年3月期第2四半期に注記が付いた企業は、東証1部で6社、2部で7社、マザーズで7社の計20社。うち18社が第1四半期(10年4〜6月期)から引き続き注記が付いた「継続組」だった。

継続組では、東証1部上場の編み機大手、シルバー精工が昨年12月28日に2回目の不渡りを出して銀行取引停止となり、事実上倒産した。1月29日に上場廃止予定。

第2四半期に新たに注記が付いたのは、東証1部上場の橋梁メーカー、サクラダ(千葉)とマザーズ上場のニッシン債権回収(東京)の2社。

東京の名所、レインボーブリッジの建設にも携わった橋梁メーカーのサクラダは、公共事業削減の影響を受け、10年9月中間期に12億7300万円の純損失を計上した。

ニッシン債権回収は、10年9月中間期に3億2300万円の連結純損失を計上。9月末時点で、振興銀などから177億3500万円の借入金を抱えており、決算短信のなかで同社は「借入先との借替協議が今後合意に至らない場合、当社グループの資金繰りが著しく悪化する可能性があります」としている。

一方、大証では2部の6社に注記が付いたが、いずれも第1四半期からの継続組。

ジャスダックでは20社(東証1部と重複上場のアークを除く)に注記が付き、こちらもすべてが第1四半期からの継続組となっている。

ネットワークセキュリティー会社インスパイアー(東京)と、モバイル端末へのコンテンツ提供会社ビーマップ(同)の2社は旧大証ヘラクレスに所属していたが、大証とジャスダックの経営統合に伴い、ジャスダックに上場している。

金融庁は世界的な経済危機を受けて、特例措置として09年3月期からリスクの開示基準を緩和。景気が持ち直して多くの企業が業績を改善させるなか、それでも「注記」が付く企業はかなりリスキーといえる。

注記が付いた企業は東証、大証、ジャスダックを合わせて計46社。第1四半期と比べ6社減ったものの、まだまだ高水準のままだ。

最後に、民間信用調査機関の幹部は「中小企業庁の緊急保証制度が3月末で終了するなど、リーマン・ショック後の景気を下支えしてきた対策が3月期末に向け切れる。今後、苦しい経営が顕在化する恐れは十分ある」と指摘する。

編集後記
大型倒産はなくなっても、中型や小型の倒産、信用不安はどんな時代にもなくなりません。企業を対象としている営業マンは、常に「あの会社は大丈夫か?」という視点をもち、危ない会社をかぎ分ける嗅覚を磨く必要があります。訪問先の見極め方がわかっていないと本当に痛い目に遭います。痛い目に遭う前にまずは、この一冊。

危ない会社をひと目で見抜く法

20年までに本社工場を閉鎖、古河新工場へ段階的移転=日野自

日野自動車の白井芳夫社長は20日の会見で、東京都日野市にある本社工場から茨城県古河市に建設する新工場に段階的に生産を移転し、2020年までに、日野本社工場は閉鎖することを明らかにした。本社や技術部は日野に残る。

茨城の新工場は、土地の取得などを併せた総投資額が500億円強になる見通し。まずはノックダウン工場を移転し、2012年春には新工場で稼働を開始する予定。その後、コア部品製造や車両組み立てを順次移転し、2020年までには移転を完了させる。日野本社工場の生産能力は10万台規模だが、古河市の新工場はほぼ倍増の20万台規模とする。 

白井社長は、工場移転の理由について「日野工場では、生産台数を増やすことが難しい。また、新しい生産システムに移行するためには、生産をいったん止めなけれなならず、新しい生産拠点が必要だ」と説明した。

日野では、2009年にノックダウン生産が完成車を逆転。今後も海外向けにノックダウンが増加するとみており、現状の日本中心の生産体制からグローバル生産体制へと移行する。世界共通部品の種類数を大幅に減らし、日本からはコア部品を海外中核生産拠点に供給。それを海外で組み立て、各拠点から域内各国へ完成車を輸出する。茨城の新工場は、こうした海外向けへのコア部品輸出の拠点になる。

工場跡地については「大きなスペースであり、一企業ではなく、どういう街づくりに貢献できるかという観点で、長いスパンで考えていく」と述べた。

2011年春に小型トラックのハイブリッド車のグローバル戦略車を発表する予定。すでに、2010年11月から国内企業6社がモニターとして使っているという。環境対策戦略車として販売を進め、先進国では、小型トラックの販売台数の半分をハイブリッド車にしたい考え。

編集後記
“世界の工場”と化した中国。生産から研究開発まで海外移転が進む日本。製造業の空洞化はさらに加速するのか。各業種の実態をふまえ、空洞化に強い産業・弱い産業を検証する。

産業空洞化はどこまで進むのか

受給者数と費用額が増加―介護給付費実態調査・11月分

厚生労働省が1月20日に発表した「介護給付費実態調査月報(2010年11月審査分)」によると、介護保険サービスの受給者総数は325万8700人、サービス費用額は6107億4600万円で、前年同月に比べてそれぞれ14万2300人、253億8600万円増加した。

介護サービス受給者数をサービス種別に見ると、居宅サービスでは、訪問介護が83万4000人(前年同月比3万1600人増)、訪問看護が25万8700人(1万2700人増)、通所介護が102万3400人(7万4800人増)、短期入所生活介護が29万6800人(2万700人増)となった。また施設サービスでは、介護老人福祉施設が44万1500人(6600人増)、介護老人保健施設が33万500人(6200人増)、介護療養型医療施設が8万5900人(6600人減)だった。地域密着型サービスでは、認知症対応型共同生活介護(短期利用以外)が15万800人(8500人増)、小規模多機能型居宅介護が4万3200人(8700人増)。また、居宅介護支援は202万9000人(9万8800人増)だった。

介護サービスの費用額を見ると、居宅サービスが2697億6100万円(162億4300万円増)、施設サービスが2539億900万円(20億100万円増)、地域密着型サービスが597億300万円(52億7800万円増)などとなった。

要介護状態区分別の受給者数は、要介護1が73万8900人、要介護2が79万6300人、要介護3が65万700人、要介護4が57万6700人、要介護5が49万5900人だった。

このほか、介護予防サービスの受給者総数は87万9000人、サービス費用額は349億3300万円で、前年同月に比べて4万8100人、16億6800万円増えた。要支援状態区分別の受給者数は、要支援1が39万8100人、要支援2が47万8400人だった。

編集後記
食事や入浴、排泄、感染防止など、在宅生活を維持するうえで大切な介護のコツを、図を多用し、介護する側、される側の両方の立場に立って紹介。また、認知症の人や、離れて暮らすお年寄りを支えるためのキーポイントについても、実際に即したコツを解説。

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パン、納豆、衣料品も…「値上がり列島」ど〜なってんの?

追加金融緩和に伴う商品相場の高騰と異常気象で、生活関連商品が続々と値上がりし、ただでなくても厳しい家計を苦しめている。卵、野菜、コーヒー、ガソリンの価格上昇が最近話題になっているが、今後、パンや納豆、衣料品などの価格も上昇してくる可能性が大きい。サラリーマン家庭の収入が低迷するなか、日本は「値上がり列島」となる。

米シカゴ商品取引所ではトウモロコシ先物の価格が昨年6月の2倍の水準に上昇。さらに小麦、大豆、コーヒー豆なども昨年後半から高値水準が続いている。原油や綿花なども同様だ。

商品相場上昇の背景にあるのは、日米を中心に追加金融緩和状態が続いていることがある。

各国の中央銀行が市場に大量のマネーを供給。市場にあふれかえった資金は株や為替、債券市場に流れ込み、株高などを演出している。それでも消化しきれないマネーが商品市場にも投機資金として流れ込み、「相場を押し上げている」(大手商社幹部)。

加えて、大洪水や寒波といった異常気象が商品相場をさらに押し上げる要因となっている。ロシアの昨夏の干ばつでパンなどの原料となる小麦が急騰。昨年末からのアルゼンチンでの干ばつでコーンの品薄感が強まり、飼料として利用されるコーンの高騰は食肉価格の上昇となって跳ね返ってきそうだ。

さらに、豪州やブラジルでの大洪水により小麦と大豆の収穫が不良となることから、これらの価格上昇を招いている。

綿花の高騰も世界的な衣料品の価格上昇を引き起こす可能性がある。

日本国内では、昨年末からの寒波の影響を受け野菜が高騰。18日に農林水産省が発表した野菜の小売価格調査では、キャベツ、レタス、ニンジンが前週(3〜7日)より1〜8%値上がり。その前週にはキュウリが23%高、ネギが14%高となるなどした。寒波で成長が遅れ、品薄感が強まっているためだ。

また、価格がもっとも安定しているとされる卵もここにきて高騰。昨夏の猛暑で鶏が大量死したことが背景にある。Mサイズ10個入りが212円と、06年1月と比べ46円も上昇している。ガソリンも7週連続で上昇し、レギュラーで1リットル=140円をうかがう状況となっている。

編集後記
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いすゞが日野抜き初のトップ 国内トラック販売に歴史的異変

2010年の国内普通トラック販売でいすゞ自動車日野自動車を抜いて1972年の業界統計開始以来、初のトップに立った。日野の連続首位記録は37年連続でストップした。

いすゞは近年、激しく日野を追い上げており、ついに悲願のシェアトップを実現した格好だ。いすゞは1960年代に首位だった時期があると見られるが、明確な統計が出来てからは初の首位となる。

21世紀に入って自動車関係で首位交代相次ぐ
普通トラックは積載量4トンクラスの中型トラックと、5トン以上の大型トラックの合計。いすゞは16,889台を販売し、16,827台の日野を62台差でかわした。最終日前日の2010年12月27日時点では日野がリードしており、最後の最後にいすゞが大接戦を制した。前半に走ったいすゞを日野がいったんは捉えたものの、いすゞがチャンスをものにした。

一般の自動車ユーザーには縁遠いが、大型車メーカーやディーラーは歴史的な首位交代と捉えている。実は、21世紀に入って自動車関係では首位交代が相次いで起きている。2002年はホンダ「フィット」が快走し、大衆車の代名詞であるトヨタ「カローラ」から車名別首位(軽自動車を除く)の座を奪い取った。2006年度(06年4月〜07年3月)にはダイハツ工業スズキを軽自動車トップの座から引きずりおろした。奇しくもいずれの「連勝記録」も33年連続でストップしている。

業界で「一番暴れている」のはいすゞ?
日野の連続首位は「カローラ」、スズキよりもさらに長く37年に及んだ。得意とするのは長距離を走る大型トラックで日本通運、西濃運輸など運輸業界の大手に強く、トヨタグループでもあることから強い顧客基盤を誇ってきた。一方、いすゞは「エルフ」で知られる小型トラックで圧倒的なシェアを持ち、普通トラックはダンプカーなど建設用途が主力だった。

公共工事の縮小で建設業界向けが縮小すると、運輸業界向けを強化。1990年代に日野を脅かした二番手の三菱ふそう(三菱自動車)が2000年のリコール隠し発覚などで評判を落とすと、次々と顧客を奪い毎年シェアを上げた。いすゞは中東やアジアなど海外で稼いだ収益を国内の販売費につぎこんだとも言われ、業界では「一番暴れている」と囁かれた。「暴れる」とは値引き販売のことを指す。

日野といすゞはディーゼルエンジンの排ガス浄化装置を共同開発し、バス事業を折半で運営する間柄にある。いすゞもトヨタの出資(5%)を受けており、一時は日野・いすゞの両社が開発や生産で全面的に組む話もあったが今はその機運は薄れている。国内市場は成長こそ望めないが「首位」の勲章は大きい。まずは2010年度で日野が返り咲くか、いすゞが維持するかが焦点になる。

編集後記
戦略の神髄は、思わず人に話したくなるような面白いストーリーにある。多くの事例をもとに「ストーリー」という視点から究極の競争優位をもたらす論理を解明。

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中小介護事業者の“駆け込み寺”目指す 大阪でコンサル専門事業

介護報酬の不正請求問題で事業撤退に追い込まれた訪問介護最大手コムスンの元幹部が、中小の介護事業者を支援するビジネスを大阪市内で始めた。法令で必要とされる書類の整理・管理や利用者からの苦情対応を引き受けるなどコンサルタント業務を幅広く手がける。介護コンサル専門のビジネスモデルは全国的にも珍しく、中小事業者の“駆け込み寺”を目指す。

新たな事業を始めたのは西村栄一氏(44)で、昨年4月にヘルプズ・アンド・カンパニーを大阪市内に設立。同8月には税理士らが介護事業者の経営支援を目的に立ち上げた「介護事業経営研究会大阪中央事務局」と提携し、大阪市中央区南本町の同事務局に間借りして事業を本格化してきた。

都道府県や政令市は、介護報酬の不正請求などをチェックする実地指導を定期的に実施しており、指導を受ける事業者は法令に定められた書類を準備しなければならない。しかし、指導は実施日の2〜4週間前に告知されるため、日々の仕事に追われる中小事業者の場合、従業員の勤務表や介護給付費の請求書など「記録帳票」と呼ぶ膨大な法定書類をそろえられないケースが多いという。

西村氏は同事務局と連携し、「実地指導が明日来ても恐くない」と題したセミナーを月2回のペースで開催。今月14日に大阪市内で開催したセミナーでは、最低限必要な書類を例示した上で、「善意から病院内で介助しても、介護報酬は請求できません」「書類は1人の管理者では書ききれない。職員でうまく分担するようにしましょう」などと分かりやすく呼びかけた。

事業の中心は記録帳票の確認・精査で、介護サービスの利用者1人当たり1500〜2千円で請け負う。最近はセミナーを通じて知名度も上がり、さまざまな相談が寄せられるようになったという。

西村氏は、かつてコムスンの関西副支社長として120店舗を管轄。不正請求問題の発覚をきっかけに、社内に蔓延(まんえん)していたパワハラまがいの恫喝(どうかつ)や暴力を一掃するよう上司に申し立てたが、聞き入れられなかったため、退職した。

だが、各店のさまざまな相談に乗っていた経験から「中小事業者は気軽に相談できる相手がおらず、自分の経験を生かせるはずだ」と今回のビジネスモデルを思い立ったという。名刺には、24時間対応をうたう携帯電話((電)080・3391・1878)が記されている。

事業化にあわせて設立したヘルプズ・アンド・カンパニーは株式会社というものの、スタッフは西村氏のみ。しかし、介護ビジネスのエキスパートは、強い口調でこう言い切る。

「介護は24時間ですから」

編集後記
全人的ケアを目指すこれからの介護に必要な経済学が身につく一冊。

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