<水産庁>漁業4社処分 「仕事なくなる」…釧路では悲鳴

ロシアの排他的経済水域(EEZ)内でスケトウダラ漁を行う漁業会社4社がロシア側に計約5億円を提供していたとされる問題で、水産庁は26日、漁獲超過があった4社側に対し、漁業法に基づき、漁船の停泊(操業停止)70日間の行政処分を出した。

同庁は今後、北海道と合同で、4社側以外にロシアEEZ内でスケトウダラ、サンマ、サケ・マス漁を行う全ての漁船261隻に対する実態調査に乗り出す。

操業停止は、「稚内海洋」(北海道稚内市)の子会社「大林漁業」(同)と「開洋漁業」(青森県八戸市)の子会社「天州水産」(同)、「佐藤漁業」(宮城県塩釜市)の幹部が所有する漁船3隻が来月2日から、「金井漁業」(北海道釧路市)が所有する漁船1隻が来月3日からとなる。

処分期間が、ロシアが操業許可を出している1〜5月と重なるため、4社側の今季のスケトウダラ漁に大きな影響が出る。

水産庁の処分を受け水揚げ基地・釧路では「タラコやすり身の加工を含め、地元の仕事がなくなる」との悲鳴が上がった。

「1隻当たり2億円弱。打撃はあまりに大き過ぎる」。処分を受けた金井漁業の従業員は顔を曇らせた。処分対象の操業で昨年、釧路港に水揚げされたスケトウダラは約5000トン。日本で消費されるタラコの95%以上は輸入物で、「価格が左右されるほどの影響はない」(北海道漁連)というものの、地元の水産関業者にとっては貴重な稼ぎ頭だ。

市内の水産加工会社は「予定していた仕事がなくなった。従業員への休業補償なども考えざるを得ない」。市も「トラックなど物流関係者や漁船への食料納入業者などを含めれば影響はどこまで広がるか」と懸念する。

水産庁はロシアEEZ内でのサンマやサケ・マス漁についても、過剰漁獲がなかったか調査に乗り出す。対象は最大280隻に上る見込みで、漁業関係者は「ロシア側の規制や漁獲枠を巡る交渉は今まで以上に厳しくなる」と困惑する。

編集後記
本書は、どうみても不可能に見えるプロジェクトでも、一筋の光明を見出して結果を出す知恵を集めたものだ。伝統にも前提にも縛られない「ど根性の」プロジェクト管理法だ。
世の中にプロジェクト管理の本は多いが、どれもきれい事に過ぎて、実際には役立たないケースが多い。現場はドロドロなのだ。仕様書が出るまえに、現場は動きださざるを得ないし、途中で変更もざらだ。
 だが、そんな障害や災難も、予見することはできる。プロジェクトが失敗する理由は
1.目標が曖昧だから
2.コミュニケーションが不足するから、である。
本書は、可能性が厳しく、どうみても不可能に見えるときでも、一筋の光明を見出して結果を出すための知恵を集めたものだ。伝統にも前提にも縛られない挑戦者の、いわば「ど根性の」プロジェクト管理法である。仕事をやりぬくためには長時間の労働もいとわず、クリエイティブに考え、なによりも忍耐強くねばる、ほんとうに頼りがいのあるひとになるためのものだ。

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森永ヒ素ミルク事件の徳島工場、閉鎖へ

森永乳業は26日、生産拠点効率化のため、徳島工場(徳島県石井町)を9月末で閉鎖すると発表した。

同工場は、ヒ素化合物が混入した粉ミルクを飲んだ乳幼児が中毒症にかかり、130人が死亡した「森永ヒ素ミルク事件」(1955年)で、原因となった粉ミルクを製造した。事件では約1万3000人に健康被害が出た。現在は、粉ミルク製造を中止し、牛乳や乳製品などを年間計2万4000キロ・リットル生産している。

閉鎖後、生産業務は兵庫県西宮市の近畿工場に移す。

編集後記
闘う弁護士・中坊公平は、いかにして形成されたのか。彼は生涯、約400件にものぼる裁判や事件を担当してきた。庶民の苦しみの中から提起された小さな事件はもとより、日本社会を揺るがした「森永ヒ素ミルク事件」や「住専問題」などの大事件まで、それはあらゆる分野に及ぶ。本書では膨大な記録の中から今も著者の心に残る一四の事件をピックアップして、その内容と思い出を記述した。これは「事件が弁護士を育てる」と語る著者の成長の軌跡でもある。

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田辺三菱製薬、不祥事の連鎖 ずさんな管理・出身企業間での争いも

田辺三菱製薬は26日、子会社が必要な品質検査を行わずに医療機関向けの注射薬を出荷していた問題で、検査を実施していない疑いがある注射薬3製品を自主回収すると発表した。同社に生産委託していた大正製薬も1製品を自主回収する。回収対象は合わせて約250万本分だが、多くは既に使用されたとみられる。
 
回収する注射薬は閉塞(へいそく)性動脈硬化症の治療などに使われる「リプル注」(出荷時期は2010年1〜7月)、関節リウマチなどに使われる副腎皮質ホルモン剤「リメタゾン静注」(同09年8月〜10年5月)、注射用抗菌製剤「パズクロス注」(同08年5月〜10年9月)の3製品。大正製薬は「リプル注」と同成分の「パルクス注」(製造期間は09年12月〜10年5月)を回収する。両社とも「サンプル品を用いた検査の結果、品質に問題はない」としている。

昨年4月に新薬承認審査でのデータ改竄が明らかになった田辺三菱製薬で再び不祥事が発覚した。なぜ不祥事の連鎖は止まらないのか。

同社などによると、問題があった足利工場では平成14年から昨年8月まで、40代の男性社員が1人で品質検査を実施。男性社員の後任者が「品質試験を実施していない疑惑がある」と指摘したという。

しかし、社内調査は機能しなかった。男性社員は疑惑を否定。客観的事実も確認できず、同社は同10月、「試験は実施されていた」との判断を下した。

実態が見えてきたのは、弁護士らによる外部調査チームの検証だった。品質検査で使われているはずの試薬が残っていたことなどを男性社員に突きつけると、一部の試験を行わなかったことを認めたという。同社の永繁晶二・信頼性保証本部長は「内部調査には改善の余地がある」と調査の甘さを認め、謝罪。問題を未然に防げなかったことについても「品質試験を行った過程を残しておくなど、他工場ではできていることが足利工場では不徹底だった」と述べた。

同社は三菱ウェルファーマと田辺製薬が19年に合併して誕生。三菱ウェルファーマの前身企業には薬害C型肝炎薬害エイズなどを引き起こした旧ミドリ十字があり、昨年4月のデータ改竄問題では、社外調査委員会から「旧ミドリ十字の安全性軽視の体質が残っている」と指摘されていた。

今回の問題でも、ある製薬会社の関係者は「何重にもチェック機能が働くべきところだ」とずさんな品質管理体制にあきれた様子。厚生労働省の幹部は「合併を繰り返す中で、社内の情報共有が十分できていない。出身企業の間で足の引っ張り合いがあるのも問題の背景だ」としている。

編集後記
「薬害C型肝炎」の問題は、二〇〇八年一月十一日「薬害肝炎救済法」の成立により、一応の決着をみた。しかし、そこに至るまでには、被害者=原告女性たちの正に命を削る闘いがあった。「薬害C型肝炎」が血液製剤・フィブリノゲンによるものであることをスクープした、フジテレビ「C型肝炎取材班」のチーフディレクターである著者は、薬害の実態を追及する一方、被害者女性たちの闘いを追い続けた。本書は、病に冒されながらも国・製薬会社と闘い続け、最後は、国に勝利した彼女たちの闘いと心の葛藤を記録した感動のドキュメントである。

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イオン伊丹昆陽SC:30代ファミリー層ターゲット 3月22日オープン /兵庫

年間の来客1200万人目標
イオンリテール(千葉市)は25日、伊丹市池尻4の三菱電線工業伊丹製作所跡地に建設を進めていた「イオン伊丹昆陽ショッピングセンター」が、3月22日にオープンすると発表した。総合スーパー「イオン伊丹昆陽店」を核に、159の専門店モールから成る。阪神間には、既に大型商業施設が多数あり、差別化が鍵となりそうだ。
 
ショッピングセンターは地上6階、地下1階建て。売り場は1〜4階で、商業施設面積は7万2125平方メートル。駐車台数は約2400台。イオングループによる同様のショッピングセンターは、県内で8カ所目になる。
 
主なターゲットは、30代のファミリー層で、年間1200万人の来客を目標としている。スポーツや家電の大型専門店の他、県内初出店の専門店が44店舗入る。
 
同ショッピングセンターから8キロ圏内には、既に4つの大型商業施設がある。また、JR伊丹駅前にある「イオンモール伊丹テラス」と商圏や店舗が重なるが、中東義男・イオン伊丹昆陽SC開設委員長は、「足元の商圏できちんとやっていきたい」と語り、主に徒歩や自転車の客に期待する。
 
店舗は、国内商業施設で最大級の太陽光発電設備を備えるなど、従来型のショッピングセンターに比べ、CO2排出量30%削減を目標に掲げ、環境との調和を目指す。
 
当初、08年春の開店を予定していたが、土壌汚染の発覚などを理由に延期されてきた経緯がある。

編集後記
消費が先細るなか、リーマンショック以降どん底の感を抜け出せない日本経済。我われの生活と直結する小売業界でトップを走る二大巨頭「セブン&アイ」と「イオン」。目の前に山積みされた厳しすぎる難題に、どう立ち向かうのか。セブン・鈴木敏文と、イオン岡田元也。自分に厳しく、大きな胆力をもち、変革を恐れず断行する二人の経営者に、私たちが学ぶべきことは。企業は、経営者は、個人は今、何処を目指し、何をすべきなのか…その答えがここにある。

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氷見のブリ産地偽装:福井県産と判明 認識の甘さ、浮き彫りに /富山

漁協ら対応に追われる
疑惑の氷見ブリはやはり偽装だった−−。氷見市の水産物仲卸業者が先月、「氷見産」として出荷したブリが福井県産だったと明らかになり、地元の漁協や仲買人組合は25日、会見を開くなど対応に追われた。一方、偽装を認めた業者は、以前にも産地を偽ったことを認める発言をしており、産地表示に対する業界の認識の甘さも問われそうだ。
 
県の調査によると、偽装を認めた氷見市北大町の水産物仲卸業者「浅吉」は先月11日、福井県内の漁港で水揚げされたブリを、同県の敦賀市場で900本以上入荷。一方、同時期に氷見市の魚市場からは379本だけ仕入れた。
 
同社はその後、築地市場に「氷見産」として824本を出荷した。仮に氷見産ブリ379本すべてを出荷したとしても、残り445本は福井県産だったことになる。
 
またこの時期、他の7県の業者にも348本を出荷し、このうち140本を「石川県産」と偽って表示していた。
 
県の発表を受け、氷見漁協は25日、浅吉に対し、競りに参加するための「買参権」を一時停止する仮処分を下した。停止期間は未定で、同社が再発防止策などを県に書面で提出した後、「県の対応をみて判断したい」としている。
 
漁協は今月中に理事会を開き、浅吉との売買契約の取り消しの可能性も含め、さらに処分を検討するという。森本太郎組合長は記者会見し「強い憤りを感じ、残念。自分たちが取った魚に対する冒とくだ」などと話した。
 
また、氷見魚仲買商業協同組合(松本敏幸組合長)は、組合員を対象にJAS法徹底などを呼びかける研修会を来月中に開く方針を明らかにした。

回遊魚は適用外と

一方、浅吉の森谷貞夫・代表取締役が25日午後、事務所兼自宅前で報道陣の取材に応じ、「氷見漁協や築地、関係するいろいろな方に多大な迷惑をおかけした」などと頭を下げた。
 
JAS法違反の認識があったかどうかを問われると、森谷代表取締役は「ブリは回遊魚だから、福井で取れても、石川で取れても、富山で取れても同じという認識があった。回遊魚にはJAS法は適用されないと思っていた」などと釈明。また「能登で取れたブリを持ってきて、氷見産として売ることは40年も50年も前からあった。そういう認識の甘さが今回の一番の原因です」とも話した。

編集後記
現代日本で急増する「心の病」―。マスコミは、新たな社会現象に合わせて乱造された「病名」を喧伝し、悲惨な事件が起これば被害者を「PTSD」だと安易に決めつけ、「心のケア」を気軽に叫ぶ。だが、それは正しい診断なのか?その患者は本当に精神疾患なのか?精神医療の現場を混乱させる「心の病」ブームの実態を、治療の最前線に身を置く現役の臨床医師が撃つ。渾身の告発リポート。

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16年度、全競輪場が赤字に=コスト対策不可欠―経産省試算

経済産業省は26日、競輪事業のあり方を検討する産業構造審議会(経産相の諮問機関)車両競技分科会の小委員会で、コスト削減などの対策を取らなければ、2016年度には全国にある46競輪場全ての収支が赤字になるとの試算を明らかにした。今後売り上げ増進策などについて検討を進め、3月23日の会合で改革のたたき台を示す見通し。
 
試算は09年度上期までの各施設の売上高に基づき、全競輪場が今後も現状のままの運営を続けると仮定して算出した。選手賞金などレース数に比例する経費と、人件費など施設数に比例する経費をともに5割程度削減しないと赤字体質脱却効果は乏しいとの見方を示している。

編集後記
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【続報】同族経営が仇? 宇宙人、化石…ユニーク老舗企業が破綻

私的整理の手法である「事業再生ADR」を申請したバイオ関連企業の「林原」(岡山)。甘味料などに使う糖質・トレハロースの大量生産に世界で初めて成功し、一風変わった宇宙人のテレビCMで知られる。その経営はとてもユニークで、モンゴルで恐竜の化石を発掘したりしている。

同社は1883年、水あめ会社「林原商店」として岡山市で創業した。その後、有力なバイオ関連企業に成長。1994年、それまで不可能とされてきたトレハロースの大量で安価な生産に世界で初めて成功した。現在も、トレハロースの世界生産のほぼすべてを担っている。

トレハロースは、赤い1つ目に触角とヒゲが生えた宇宙人キャラクター「トレハ星人」を使ったテレビCMで一般にも知られるようになった。

創業家である林原一族が経営する林原グループは、株主の意向に左右されずに研究開発を進めるため、非上場を貫いている。そうした経営風土により、ユニークな製品を開発してきた。

林原氏はグループのホームページのなかで「10年、20年という長期間の研究開発は『家業』として成り立っている事業体でなければできない」と強調している。

林原健社長(69)はメセナ活動にも積極的で、1990年代からモンゴルに恐竜の化石を発掘する調査団を派遣し、恐竜の生態解明にも尽力している。

そのユニークな経営手法は日本経済新聞の「私の履歴書」、テレビ東京の「カンブリア宮殿」などでも紹介された。

しかし、医薬品などの研究開発費がかさんだことに加えて、ホテルなど事業の多角化、大規模な不動産開発で負債が膨らみ、経営を圧迫。同族企業ゆえの経営内容の不透明さも指摘され、「外部のチェックが働いていなかった」(金融関係者)という。

編集後記
多くの日本企業を甦らせた定量的手法が明らかになる。バブル崩壊以降、日本企業は試行錯誤を重ねながらも、着々と企業価値向上のための経営改革を推進して甦ってきた。かつて、もてはやされた日本的経営は伝統的な資本市場よりも従業員などのステークホルダーを重視した経営であった。資本市場の発言力が強まるにつれ、こうした伝統が足かせとなってきた。こうした逆境のなかで、資本市場の論理に基づく経営を根付かせようとする経営手法が培われ、日本企業再生の一因ともなっている。これが本書で紹介する定量的手法である。

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節約逆風スーパー14年連続減収 10年既存店ベース 食料、衣料品など不振

日本チェーンストア協会が24日に発表した2010年の全国スーパー売上高は、既存店ベースで前年比2.6%減となり、1997年以来、14年連続で前年割れとなった。全店売上高は12兆3556億円だった。長引く不況から特に上期に消費者の節約志向が続いた10年は、スーパーのほか百貨店、コンビニも既存店ベースで売上高が前年割れした。年末からの好調な売り上げを維持・増加させるには政策効果なども焦点となりそうだ。

スーパーの10年売上高は、主力の食料品が2.3%減。年後半は猛暑効果や野菜の相場高などでマイナス幅を縮小したが、前半の不振をカバーできなかった。住居関連品は2.7%減。

衣料品は4.4%減で、前年(10.8%減)の深刻な落ち込みを縮小した。ただ食料品に比べ、不況で節約の対象になりやすい品目で、「ユニクロなどの専門店業態との競合が困難を極めた」(小笠原荘一常務理事)という。スーパー各社は下取りセール、キャッシュバックなどの消費喚起策を練るが、まだ回復には結びついていない。

小笠原常務理事は「足元の動きは悪くない」としながらも、「年金や医療・介護などの社会保障制度の状況が改善されるような安心感がなければ、(衣料品を含む)消費は回復していかない」との認識を示す。百貨店業界も社会保障制度への不安が消費不振の背景にあるとみる。

一方、コンビニは猛暑特需以降、来店客数増に加え、消費者の節約疲れをとらえた弁当やデザートなどの“プチ高級商品”などで売り上げを伸ばし、一足早く回復への足取りを示し始めた。実際、たばこ増税による駆け込み需要の反動があった昨年10月を除くと、7月以降は前年比プラスを記録している。

衣料品を抱えるスーパーと百貨店は、消費者の財布を緩ませるような政策が出てこなければ、売り上げ全体の回復は依然厳しいものとなりそうだ。

また、日本チェーンストア協会が同日発表した昨年12月の全国スーパー売上高は既存店ベースで前年比1.6%減。全店売上高は1兆2123億円だった。

編集後記
Winーwinの経営論
経営には、社長の洞察眼と本当のWIN‐WINが必要である─一部上場の赤字企業を立て直した社長が明かす、真の経営論。

赤字は大きいほうがいい

多重債務者狙った新手の闇金「金貨金融」巧妙な手口とは…

先ごろ「金貨金融」に関する契約の違法性を認める判決が出た。主に北海道で横行している金貨金融。その実態は、金貨売買を装って客から暴利をむさぼる新手の闇金だ。最近、「クレジットカード現金化」をはじめ、多重債務者を狙った新たな金融業者が続々と出てきている。金貨金融の巧みな手口とは…。

札幌簡裁は1月14日、札幌市内の金貨販売業者に対し、男性顧客との契約をめぐり「暴利の融資」と認定し、契約の無効を言い渡した。判決によると、この業者は昨年5月、自己破産し、闇金業者を利用していた男性に金貨を販売、代金6万5600円を10日後に支払う約束で販売した。

実はこの業者、金貨販売をうたいながら、「当日即現金化」と融資を連想させる広告をしていた。金貨をダシにした金貨金融業者だったのだ。

現役闇金業者がその仕組みを解説する。

「業者はまず顧客に対し、金貨をツケで販売し、顧客はその金貨を持って別の業者の所で換金し金を受け取る。その数日後に元の業者に金貨の代金を精算する方法です。ポイントは金貨を相場よりも割高で販売する点。相場の金額と業者が設定した金額との差額が(業者の)実質的な取り分になるのです」

前出の札幌では、業者はツケで4万2000円相当の金貨を6万5600円で販売。顧客は別の業者で金貨を換金し、4万2000円相当の現金を受け取った後、元の業者には6万5600円を支払うことになる。

いわば2万3000円の“金利”が加算されたワケで、単純計算だと年利約2000%。こうした金貨金融業者は昨年6月以降、北海道など全国で急増しているという。

「ちょうど金融業者への総量規制が始まったころです。実態は、消費者金融などで借りられなくなった多重債務者を狙った換金闇金。札幌市内で11社の業者が確認されています」(捜査関係者)

金貨金融以外でも、別の業態に擬装したヤミ金は他にもある。

多重債務問題に詳しい辻角智之弁護士は「法の隙間を狙った実質的な闇金業者は増加傾向にあります。最近目立つのはクレジットカードの現金化。金貨金融の場合は、業者側にも回収リスクが伴いますが、こちらは“融資”しても回収するのはクレジット会社。より洗練された手口といえます」と話す。

多重債務問題の解決を目指し、貸金業法が改正されても新たな手法は増えるばかり。多重債務者などが債務地獄から脱出する方法はないのか。

辻角弁護士は「公的機関で法律の無料相談も行っています。こうした業者に手を出す前に法的アドバイスをキチンと受けることが大事です」と話している。

編集後記
多彩なメニューをどう選択するか、230万人の多重債務者へ。解決の道は必ずある。

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老人不安、若年不満…崩壊間近、年金給付「50兆円」突破!

公的年金の支給総額が2009年度に初めて50兆円を突破、受給者1人を現役世代1・8人で支えるという危機的な状況になっている。今後は、団塊の世代が年金を本格的に受け取るようになる一方、年金加入者は減少が見込まれ、年金財政がさらに悪化していくのは確実。制度崩壊を回避するため、支給年齢の引き上げや支給額の削減、消費税増税など、現役、受給者ともに大きな負担を迫られる時代がそこまで来ている。

厚生労働省が24日発表した09年度の厚生年金保険・国民年金事業の概況によると、全国民が原則加入する国民年金(基礎年金)やサラリーマンが加入する厚生年金、公務員の共済年金などを含む年金総額は50兆3000億円に達した。これは09年度の名目GDP474兆円の1割を超す規模。

年金を支える加入者は6874万人で前年度末と比べて0・9%減った一方、受給者は3・1%増えて3703万人になった。

少子高齢化の進行で、受給者が増えて加入者が減る傾向は今後も加速。特に1947年〜49年に生まれた団塊の世代約700万人が年金を本格的に受け取り始める2012年以降、年金財政は一段と逼迫してくる。同省の推計によると、年金支給額は15年度に59兆円、25年度には65兆円に膨らむ見通しだ

抜き差しならない状況が予想されるなかで飛び出してきたのが、与謝野馨経済財政担当相(72)が言及した年金支給年齢の引き上げだ。

さらに、政府は6月をめどに税と社会保障の一体改革案を打ち出す方針だが、民主党は現在国庫負担が2分の1の基礎年金について、すべて税金でまかなう「全額税負担方式」にしたい考えだ。これには「年金財政の危機をあおり、消費税増税に向けた地ならしをしたい政府の思惑が透けてみえる」(エコノミスト)との指摘もある。

なりふり構わない政府・与党はさらに、支給額の削減や年金保険料の値上げなどにも踏み込む可能性がある。老後の生活に対する不安はますます増大し、現役世代の生活がますます苦しくなるのは間違いない。

編集後記
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2万件以上の年金相談を手がけた豊富な実績から「いくら?」「どうして?」「どうやって?」を単刀直入に解説する、年金相談入門書の決定版。

スッキリわかる年金しくみと手続き

年金に関する多くの人が抱く疑問点を中心に、テンポ良く、分かりやすく、説明がされ、タイトル通りに「すっきり」分かります。
どの様な人が読んでも理解できる明快さが本書の魅力です。
また、不要な部分は抑え、取り扱っている範囲を絞り込んでいる点が好感が持てます。本書は、これから年金を受け取る様な、年金が生活と直結している世代を読者の対象とされ、その狙い通りに作成された良書でしょう。
日々の経営に行き詰まりを感じたり、ストレスがなかな取り除けないと思ってダラダラと仕事をしていませんか。
ときには、非日常を求めて、癒しを求めてちょっとだけ旅行でもしてみてはいかがでしょうか。
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