全国小売業の倒産/2020年は1054件

■巣ごもり需要で食品小売の倒産23%減
消費低迷で2年連続で倒産が増加していた小売業界だが、新型コロナウイルス感染拡大で様相が一変した。2020年の小売業倒産(負債1000万円以上)は1054件(前年比14%減)と、1991年以降の30年間で最少を記録した。
小売業倒産は、深刻な人手不足から人件費の上昇や2019年10月の消費増税で、2019年7〜9月期は361件(前年同期比29%増)、10〜12月期も312件(13%増)と、倒産が急増した。
2020年1〜3月期も277件(2%増)と増勢が続いたが、そこに新型コロナウイルス感染拡大による政府の支援策が功を奏し、4〜6月期259件(9%減)、7〜9月期285件(21%減)、10〜12月期233件(25%減)と、減少に転じている。
コロナ禍で緊急事態宣言の発令に加え、休業・時短営業の要請やインバウンド需要の消失で、2020年の飲食業倒産は過去最多を更新したが、新しい生活様式と三密回避が広がり、外出自粛、企業の在宅勤務で巣ごもり需要が生まれ、業績を下支えした。
上場会社の倒産は、5月のレナウンの1件にとどまった。



■飲食料品小売業の倒産2年ぶりに減
業種別では、最大の減少率は「飲食料品小売業」の前年比23%減(316→244件)で、2年ぶりに前年を下回った。
各種食料品小売業(前年比39%減、59→36件)、酒小売業(27%減、26→19件)、野菜・果実小売業(22%減、18→14件)、菓子・パン小売業(19%減、72→58件)などで減少し、コロナ禍での巣ごもり需要の恩恵が大きかったことがわかる。
次いで、「織物・衣服・身の回り品小売業」の前年比17%減(236→197件)で、2年ぶりに前年を下回った。男子服小売業(前年比38%減、40→25件)、婦人・子供服小売業(8%減、108→99件)で減少している。「コロナ禍で店舗休業や営業時間の短縮はあったが、外出自粛や在宅勤務の広がりで高額品よりカジュアルウェアなどの需要が貢献したとみられる」と分析している。
このほか、「機械器具小売業」が前年比8%減(204→187件)で2年連続、「無店舗小売業」が8%減(102→94件)で3年ぶりに、それぞれ前年を下回った。
小売業のうち、「織物・衣服・身の回り品小売業」「飲食料品小売業」「機械器具小売業」、家具や書籍小売などを含む「その他の小売業」は、1991年以降の30年間で件数は最少になった。

■原因別 「販売不振」が854件と8割
原因別は、最多が「販売不振」の854件(前年比15%減)。次いで、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」84件(18%増)、「他社倒産の余波」38件(7%減)と続いている。
「不況型倒産」(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は938件(前年比13%減)。小売業倒産に占める構成比は89%(前年87%)で、前年よりも2ポイント上昇し、30年間で最も高い水準となった。

コロナ第3波で2021年1月は早くも倒産・休廃業加速の兆し

実際、ふんだんに供給された資金も、事業の基盤を立て直すものにはなり得なかったようである。2020年は何とか持ちこたえた企業も、新型コロナウイルス「第3波」の襲来および年明け7日の緊急事態宣言再発令を受けて、再び深刻な経営悪化に直面している。
1月26日の発表によれば、1月の新型コロナウイルス関連破綻(負債1000万円以上)は、26日までに76件が判明。昨年2月からの累計は全国で919件であり、負債1000万円未満の小規模倒産も合わせると、累計965件となった。負債総額30億円以上の倒産も今年に入ってすでに7件発生。そのうちの1件は1月15日に破綻した静岡県の製紙メーカーの大興製紙で、負債総額140億800万円もの大規模倒産である。

2021年はこうして早々に「小・零細企業から大企業まで経営破綻が広がっている」状況が認められるわけだが、そこからは、昨年のコロナ関連支援で調達した資金は緊急事態宣言再発令の時点ですでに枯渇していたこと、さらにいえば、その大半が2020年中の赤字補てんに費やされて終わったことをうかがわせる。
比較的体力のある企業も、消費低迷による収益減が続いたために、いよいよ社の存続を最優先とするモードへシフトしたようだ。「GINZA SIX」(東京都中央区)の大量閉店が象徴するように、アパレルやコスメ、服飾雑貨などが店舗を次々縮小していることは、百貨店や大型商業施設に空きテナントが目立つようになったことからも実感できる。
製造業も同様である。2020年9月から上場企業やその子会社などが事業を外資などに売却する動きを活発化させており、2020年はリーマン・ショック直後の2009年以来の多さとなる399件を数えたと報じられているが、今年は早くもブリヂストンと資生堂が一部事業の売却を表明するなど、この動きは一層加速する兆しがある。

何よりリストラの急増である。2020年に早期・希望退職募集を行った上場企業は93社で、前年と比べて2.6倍に急増。募集人数も1万8635人に上り、リーマン・ショック直後の2009年(191社)につぐ高水準となった。しかも、その半数以上が直近の本決済で赤字に陥っていた。
2021年もすでに1月21日時点で22社、計3490人の実施が判明しており、前年同期(11件、2220人)を大きく上回るペースとのこと。多くの企業が、経営基盤を立て直せないままコロナ第3波の直撃を受けたがゆえに、事業縮小やコスト削減に励まなければならない状況にあることが、よく示されている。

事業縮小やリストラを通じて当座は切り抜けられるとしても、大量の失業者が生み出されることにより消費はますます停滞、それが企業の収益をますます低下させるという悪循環に陥ることは、火を見るより明らかだろう。
厚労省の発表によれば、緊急事態宣言の再発令が出された1月7日の時点で、コロナ失業は見込みも含めて8万人超。その直後に行われたアンケート(1月22日発表)では、中小企業の廃業検討率が前月より悪化し、とくに飲食店は4割に迫るという結果であった。その後数週間を経た現在、倒産はもちろん、自主廃業を選択する経営者がさらに増加している可能性がある。

京都の観光業、かつてない窮地 「先が見えない」コロナ第3波

京都の観光業、かつてない窮地 「先が見えない」コロナ第3波・Go To停止で客足激減

京都観光がかつてない窮地に追い込まれている。猛烈な新型コロナウイルスの感染「第3波」で国の観光喚起策「Go To トラベル」が全国一斉に停止されたのに加え、京都府などに緊急事態宣言が再発令され、京都市内の観光地は客足が激減。近年、収益をもたらしてきたインバウンド(訪日外国人)需要が蒸発して1年近く。事業環境は悪化の一途にあり、事業者は危機感を募らせている。

緊急事態宣言の再発令から1週間たった2021年1月21日午後、清水寺(東山区)周辺は観光客の姿がほとんどなかった。閑散とした一帯は商店の6,7割がシャッターを閉め、「当面の間休業します」との掲示も目立った。
「1回目の宣言発令時よりも、先が見えないのがつらい」と清水坂で土産店を営む男性(62)は漏らす。正月三が日は人通りは多かったが、4日以降は急減。売り上げも連日ゼロが続く。
宣言による外出自粛の影響で売り上げが半減した旅館や土産店などに対し、政府は最大40万円の一時金を支給する方針だ。だが、事業者の反応は一様に厳しい。嵐山商店街(右京区)の土産店店主(51)は「どうしても飲食店の支援の方が手厚いとうらやましく思ってしまう。不要な分断を生み出す政策だ」と憤る。
実際、大勢を集客する店や施設にとって、一時金は焼け石に水だ。宣言後に臨時休業に入った老舗旅館「松井本館」(中京区)は、100人以上いる従業員のほとんどを休ませている。若おかみの女性(34)は「一時金は1日の売り上げにも満たない」と漏らす。
昨年秋はGoTo効果で宿泊客で満室の日もあったものの、予約が集中する週末と低調な平日の繁閑の差が際立った。若おかみの女性は「再開するにしても需要が分散するよう仕組みを変えてほしい」と訴える。
感染の長期化は、業界が望みをつなぐ春以降の需要も奪い去ろうとしている。「旅館こうろ」(同)は、4月に受け入れる予定だった修学旅行のキャンセル連絡を受けた。社長の男性(42)は「昨春からずっと延期や中止続き。団体行動が前提の修学旅行の文化自体がコロナで消えてしまいかねない」と憂慮する。

りそな総合研究所は「京都は関西の中で訪日外国人の比重が大きかったため影響は深刻だ。宣言の再発令が事業者の存続意欲をそぎ、廃業が増えやすい状況を招いている」と指摘。今後の支援について「感染拡大期には事業や雇用を守るためにセーフティーネットの拡充が不可欠。資金面の手厚い支援が必要だ」としている。

予約ゼロで民泊物件が窮地に。リモワ向けマンスリーに転用

2020年4月の緊急事態宣言で経営する民泊が予約ゼロの窮地に陥った投資家の菊地美佳氏を取材。どのように窮地を乗り切ったのか話を聞いた。

「数年前からオリンピック特需を期待して、サーフィンの会場が近い物件を購入して民泊の準備をしていました。しかし、コロナ禍で昨年4月の自粛期間には相次いで予約がキャンセル。売上が完全にゼロになってしまったんです」
そう語るのは千葉県でサーファー向け賃貸を経営する菊地美佳氏だ。この危機的状況を打開すべく、菊地氏は民泊物件をマンスリー貸しに転用する。

「ジモティで募集したところ、まさにコロナ疎開を検討していた都心在住の方から反応がありました。聞くと、集合住宅で知らない人とエレベータに乗ることがストレスで、リモートワークを機に環境のいい郊外に疎開を検討していたとのこと。街自体を気に入ってもらえたようで、マンスリー終了後は定住用の物件を探されてます」
菊地さんの投資エリアは移住者がカフェを開業したり、産直の食品が安く買えたりと生活環境がよく、都心へのアクセスも良好だ。
「特急で都内に1時間で行ける立地なので、『思っていたより遠くない』と言われます。完全リモートワークでない限り出社が必要ですから、通勤が負担にならない利便性は必要です」

■2020年7月に民泊を再開、予想以上の反響
窮地はマンスリーで凌げたが、民泊の収益性には及ばない。そこで自粛が明けた2020年7月に民泊を再開した。
「オリンピックも延期になり、本当に予約が入るのか? 自分自身も半信半疑でしたがハイシーズンに賭けてみました。自粛生活の反動もあり、予想以上に反響がありました」
夏休みに入ると利用は以前の水準どころか、上回るほどの活況となったという。
「やはり夏の海には普遍的な需要があると感じました。『キャンプ場が密』というニュースをみて、海のBBQに変更した人もいましたね」

■ほかの宿泊客と接触がない一棟貸し切りスタイルがウケた
結果的に、一般賃貸の1年分に相当する家賃を夏だけで稼げたと明かす。
「私の物件は一棟貸し切りスタイルでほかの宿泊客と接触がない点が喜ばれています。今後も近場のアウトドア需要が続いてほしいです」
さらに今後はマイクロツーリズムの定着に期待を寄せているという菊地氏。シーズンオフを迎える冬は付加価値の提供で新たな需要発掘を目論む。
「季節性のある装飾や暖炉で冬を演出したいですね。それと、最近は夫がサウナにハマっていて『サウナテントかサウナ小屋を設置しよう』と話してます。冷蔵庫にオロナミンCとポカリを置いて『オロポ』が楽しめる“ととのう民泊”にできたら面白いですね」
豊富なアイデアを持つサーファー投資家の菊地氏。コロナによる想定外の大打撃も持ち前の機転を武器に上手く乗り切ることだろう。

東日本大震災から10年

グループ補助金 3県で92事業者倒産 福島は20 自己負担分、重荷に /福島

東日本大震災で設備や施設が壊れ、国と県から復旧のための「グループ補助金」を受け取った福島、岩手、宮城3県の延べ9941事業者のうち、0・9%の92事業者が倒産したことが、各県への取材で分かった。
自己負担分の借金返済が重荷となり、経営を断念したケースが目立つ。震災から10年となる3月11日が近づく中、苦境が浮き彫りになった。

近隣店の料理選んでテイクアウト

テイクアウトに注目した新しい取り組みも。
都内のフライドチキン専門店。時短営業で8時に店を閉めると、「お願いします」と近所の飲食店の人たちが集まってきました。次々に料理を置いていきます。

フライドチキン専門店「色々なお店のものを選べてテイクアウトで自宅に持って帰れる取り組みを行っています。一番うちが駅から近いところにあるので」
駅から一番近いこの店に近隣7つの飲食店の料理を集め、テイクアウトしてもらう取り組みを始めました。
立ち飲み店「飲み屋となると、午後7時ラストオーダーだと飲みに来ないので。平日はこっち(テイクアウト)の方が売り上げがすごい良くて、助かっています」
串カツ店「厳しいですけど、ここのかいわいの店は仲がいいので、横のつながりで、こうやって協力してやっていこうっていうのは、いいと思います」

「緊急事態」で…弁当店に行くワケ

2021年1月25日午後8時ごろ、東京都内の弁当店では、距離を取りながら弁当を選ぶ人たちの姿がありました。こちらの店では、緊急事態宣言前と比べて夜8時以降の客が5割ほど増えたといいます。

会社員(30代)「ハンバーグとコロッケです。やっぱりお酒とか外に飲みに行く機会が減っているので」
弁当店の店主「(時短要請で)食べるところがなくなってしまったので、巣ごもりとしてうちを利用していただいているということになると思います」
緊急事態宣言下、求められる我慢の生活。弁当店を取材すると、訪れる人たちの生活の変化が見えてきました。

■テレワークで外出手控え
午後4時、店内には忙しく弁当を並べるスタッフの姿がありました。5時になると、少しずつ客が入り始めます。
弁当を購入した自営業(44)「牛カルビ弁当ですね。4人前くらい入っているので。帰って夜食べようかと。みんなで。外食が減ったので、助かりますね、お弁当屋さんは」
外食を控え、大盛りのカルビ弁当を自宅で。息子たちも喜んで食べたということです。
弁当を購入した主婦「(夫が)結構テレワークをしてたりするので。あまり外に出なくなっちゃったので久々にお弁当屋さんに来た」
その弁当にも、緊急事態宣言で変化が起きています。

■安く販売 売上は前年の“倍以上”
「大きく『300円』と書いてありますね。いろんな種類がありますし、一つ一つかなり中身が詰まっているような」なぜ、弁当を安く提供できるのでしょうか。
弁当店の店主「今だと居酒屋さんとかが営業できなかったりで(卸売業者の)食材が余ってしまうんです。卸売業者から『大量に仕入れてくれるならこの価格でどうですか』と」
食材を余らせたくない卸売業者から、安い価格で仕入れさせてもらっているといいます。
午後6時、店内には多くの客が入り始め、9時前になっても、客の流れは変わりません。

■売り上げは例年に比べてどれくらい変化している?
弁当店の店主「今月で言うと(前年の)倍以上になっています。スタッフの生活もありますし、僕の生活もあるのでありがたいですけど、商売仲間の居酒屋やレストランをやっている人のことを思うと複雑ですね」

「コロナ倒産の実態」とは

■東京都内事業者の3分の1は売上高が前年比で2〜3割減
新型コロナの影響を受けて法的整理または法的整理を前提として事業停止となった「新型コロナウイルス関連倒産」(負債1000万円未満を含む)は、2021年1月8日までに飲食店(136件)、ホテル・旅館(72件)、建設・工事業(69件)、アパレル小売店(53件)など全国で875件が確認されている。
9月(107件)、10月(108件)は100件超、11月(91件)、12月(94件)は100件を切ったものの、大きなペースダウンは見られていない。
今後は11月中旬から急拡大している感染第3波とそれに伴う緊急事態宣言によって、再び甚大な影響を受けるであろう飲食、小売、観光関連事業者を中心とした動向と年度末に向けた各事業者の動向をあわせて注視する必要がある。
倒産件数が前年比減となった2020年だが、そのシワ寄せははっきりと企業業績に表れ始めている。

東京都内に本社を構える事業者6473社を対象に2019年決算と2020年決算の年売上高を比較したところ、「増減10%未満」(2273社、構成比35%)が最も多く、以下、「▲20%〜▲30%未満」(2134社、同33%)、「▲10%〜▲20%未満」(800社、同12%)、「▲30%以上」(401社、同6%)と続き、10%以上増加した事業者が865社(同13%)だったのに対し、10%以上減少した事業者がその約4倍となる3335社(同52%)となった。全体の3分の1が「▲20%〜▲30%未満」であることはかなり深刻な状況ではなかろうか。

■飲食店の倒産件数は過去最多を更新
過去20年間で倒産件数が最も少なかった2020年には、倒産件数が過去最多となった業種がいくつかあった。
その代表が「飲食店」だ。全国に約140万店あるともいわれる飲食店は、もともと参入障壁が低い上ブームの入れ替わりが激しく、さらに近年は少子化に伴う人出不足に陥る事業者の増加も相まって、2019年に過去最多となる732件を記録。さらに2020年は新型コロナウイルスの影響を大きく受けたことで780件と2年連続で過去最多を更新した。
780件を業態別に見ると「酒場・ビヤホール」(189件)、中華料理店、ラーメン店、カレー店、焼き肉店などの「中華・東洋料理店」(105件)、レストラン、フランス料理、イタリア料理などの「西洋料理店」(100件)、天ぷら、うなぎ、カニ、とんかつ、沖縄料理などの「日本料理店」(79件)、「バー・キャバレー」(69件)、「喫茶店」(68件)などが多く、「酒場・ビヤホール」「日本料理店」「喫茶店」の3業態の件数は過去最多となった。
大勢で集まる飲み会での飛沫(ひまつ)への懸念や感染防止のため接待など部外者との交流の場が減少した影響が大きく表れているようだ。

また、所在地別(都道府県別)では、東京(139件)、大阪(126件)、愛知(60件)、兵庫(58件)、京都(41件)と続き、東京と大阪で全体の34%を占めた。
業歴別(設立から倒産までの期間)では、10年未満が268件(構成比34%)、30年以上が186件(同24%)を占めたほか、負債規模別に見ると、負債5000万円未満が620件(構成比80%)を占めた一方、10億円を超える倒産はわずか4件のみで、ほとんどが零細事業者で占められている。

個人経営を含めた零細事業者が大半を占める飲食業界が第3波による緊急事態宣言の影響を最も大きく受けるなか、2021年も引き続き飲食店の倒産件数は極めて高水準に推移するだろう。そして、特に東京、大阪の都市部における飲食店の倒産動向が2021年の全国の倒産動向を左右する大きなカギを握ることになるはずだ。

2020年 企業倒産は意外にも記録的低水準、そのワケは?

2020年の企業の倒産件数は8000件の大台を下回るなど、意外なことに記録的な低水準だったことがわかった。前年(8383件)比7%減の7773件と、8000件を下回るのは1990年(6468件)以来30年ぶり。記録的低水準のワケは......。

■宿泊業は前年比76%増加
2020年の負債総額は1兆1810億円。最少だった前年(1兆4135億円)から16%減とさらに下回り、2000年以降では2番目の低水準だった。この50年間でみると1971年(7125億円)に次いで4番目の低水準だった。
トータルの倒産件数、負債総額では記録的な低水準だった2020年だが、産業別・業種別などでデータをみると、コロナ禍の影響が及んでいることがわかる。

コロナ禍で続いている消費低迷の影響を、最も影響を受けているのは飲食業や観光・宿泊業。、飲食店の2020年の倒産件数は前年比7%増の780件で過去最多。また宿泊業は127件で、前年比76%増と大幅に増えた。飲食店と宿泊業の倒産件数が突出していた。

■資金繰り支援策が奏功
いまだ感染拡大が止まず、企業経営の影響が懸念されるなか、倒産件数を抑え込めたのはなぜか――。それは政府や公的機関が支援体制を整え、また金融機関の資金繰り支援策が奏功したことが大きな要因。金融機関は実質無利子・無担保で、融資などを実行した。

日本銀行の「貸出・預金動向」の速報から、2020年12月時点の銀行・信金の貸出平残(日々の残高合計を対象期間内の日数で除したもの)は、前年同月比6%増の577兆6393億円と過去最高で、金額ベースでは34兆円近く増加している。
また、「貸出金、劣後ローンなどの資本性資金、2021年1月11日までに経済産業省により約402万件実行(給付額5兆3000億円)された持続化給付金など、国をあげた支援策が、総じて多くの企業の資金繰りを支え倒産の歯止めとして奏功した」とみている。

観光・宿泊産業、飲食業にとっては、支援策である「Go To キャンペーン」が一定の需要を喚起したが、感染の再拡大で中断。各種資金繰り支援策が追い付かなかった。
政府は2020年12月、新型コロナウイルスの感染拡大防止やポストコロナに向けた経済構造の転換を目的に、事業規模73兆円にのぼる追加経済対策を閣議決定。また、中小企業向けに業態変更や事業再構築を促す補助事業など新たな支援策を用意している。
しかし、2020年11月の就業者数が8か月連続で前年同月比減少(総務省の労働力調査)したことや、企業の3割超で冬季賞与が減少した調査結果などを合わせ、個人消費の下振れ懸念を指摘。こうしたことによる企業業績が落ち込み、各種支援策が追い付かないケースなどが考えられ、倒産が増加局面に移る可能性は否定できないという。

心折れて…「あきらめ廃業」急増 休廃業は過去最多かも

2020年に自ら事業をやめたり解散したりした件数が5万件前後となり、過去最多となる見通し。政府の資金繰り支援策で倒産件数はバブル期以来の低い水準となったが、コロナ禍での先行きを悲観し自主廃業を選ぶ事例が増えている。

◆政府支援打ち切りで今年は倒産増える懸念も
2021年1月13日に発表した2020年の全国の企業倒産(負債額1000万円以上)の件数は、前年比7%減の7773件と1990年以来30年ぶりに8000件を下回った。そのうち、新型コロナウイルスの関連倒産は792件だった。
産業別では飲食業や宿泊業を含むサービス業の倒産が最も多く、建設業、小売業と続いた。負債総額は1億円未満が76%と、小規模倒産が目立った。
倒産が減ったのは持続化給付金や、実質無利子・無担保の融資といった政府の支援策に支えられたことが理由だ。そのため、給付金の打ち切りを受け、倒産が今後増加する懸念もある。

◆今の売り上げあっても自ら休廃業選ぶ人多く
倒産件数が減った一方で、休廃業や解散の件数は過去最多を更新する見通し。2020年1〜10月で既に4万3802件と、2019年の4万3348件を超えた。そのうち、飲食店は1489件と最多で、外出自粛や営業時間の短縮の影響を受けた。
「目先の売り上げはあっても先行きの見通しが立たずに、倒産するより前に諦めて事業をやめる休廃業がさらに増えそうだ」と予測している。

◆借金かさみ将来に悲観 苦渋の決断
売り上げがまだある中で、企業にとって自主的な休廃業や解散をするのは苦渋の選択だ。実際に決断した企業では、新型コロナの収束を見通せない中、増え続ける借金を前に将来を悲観する場合が多い。

「財務状況のさらなる悪化を食い止めるためだ」。6月末で営業のいったん休止を決めた東京都千代田区のホテルグランドパレスの担当者は理由を語る。
このホテルはプロ野球のドラフト会議の舞台にもなったが、コロナ禍で宿泊や宴会、婚礼に打撃を受け昨年の売り上げは前年比7割減。宿泊客の約半数だった外国人観光客の「消失」も響いた。

◆「取引先や従業員に迷惑かけないうちに」
タカクラホテル福岡(福岡市)も2020年1月末での自主廃業を決めた。担当者は「先行きが見えず、これ以上続けても給与支払いや債務の支払いが滞る。取引先や従業員に迷惑をかけないうちに決断した」と明かす。

廃業にまでは至らないが店をたたむケースもある。6年間営業を続けた東京都千代田区のネイルサロンは2019年12月初旬に閉店となった。1度目の緊急事態宣言が出た2019年4〜6月の休業を経て、営業を再開したが客足は戻らなかった。40代のオーナー男性は「余力のあるうちに店をたたみたかった」とし、家賃の負担や従業員の退職を理由に閉店を決めた。
日々の経営に行き詰まりを感じたり、ストレスがなかな取り除けないと思ってダラダラと仕事をしていませんか。
ときには、非日常を求めて、癒しを求めてちょっとだけ旅行でもしてみてはいかがでしょうか。
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