宣言解除方針、老舗旅館のおかみ「先が見通せない」

関西3府県などが3月7日の期限を待たずに今月28日までで緊急事態宣言を解除する方針が示され、旅行や飲食の業界関係者からは様々な反応が聞かれた。
大阪・ミナミの老舗旅館「大和屋本店<大阪府> 」では政府の観光支援策「Go To トラベル」が昨年暮れに一斉停止されて以降、宿泊でも宴会でも予約があまり入らず、厳しい状況が続く。
おかみの石橋利栄さんは解除方針の一報を耳にしたが、「緊急事態宣言の解除に期待したいが、中途半端に解除してまた感染拡大するのも怖いし、何ともいえない。先が見通せない」と言葉少なだ。
関西北部の旅行会社社長は、昨年末のGoTo一斉停止を受けた旅行代金の補償も振り込まれていない状態だとし、「資金繰りがさらにきつくなっている。宣言が解除されても感染拡大が怖く、GoToもすぐに解除とは行かずに当面厳しい状況が続くのでは」と話す。


大阪府は緊急事態宣言の解除後も、大阪市内で酒類を出す飲食店については午後9時までの時短営業を求める方針だ。回転ずしチェーンのくら寿司は、こうした自治体の要請に従いつつ、時短営業の緩和を検討するという。地域ごとに営業時間が違っても今のところ運営に大きな問題はないとし、広報担当者は「できる範囲で柔軟に対応したい」と話す。
焼き鳥チェーンの鳥貴族や「餃子の王将」を展開する王将フードサービスも「要請に応じる」構え。ただ、外食大手の社員の一人は「主要地域で時短が続くなら、解除後も大きなマイナスが続くことは変わらない」とため息をつく。

福岡:時短要請を拒否する飲食店「過料を払ってでも営業は続ける」

「2020年に緊急事態宣言が出て以来、毎月の赤字はだいたい1000万円。年間通しても創業以来初めて、約9000万円の赤字決算(2020年9月決算)になりました」
そう語るのは、福岡県を中心に「ホームラン食堂」「ごちや」など19店舗を運営する飲食店チェーン、株式会社イーストウッドの棟久裕文社長(43)だ。

「雇用調整助成金や、国と自治体の家賃支援給付金、それに持続化給付金もいただきました。弊社の場合、従業員の法定福利費(健康保険や雇用保険の会社負担分)も含めた、会社全体の固定費は月に約4000万円で、全店舗で1日あたり6万円の休業協力金をもらっても、月に1000万円以上の赤字になります」(棟久社長・以下同)
棟久社長は当面の資金繰りとして「福岡県の融資制度」「政策金融公庫」「商工中金」から、合計約4億円を借り入れたという。事業の継続に目途は立っているものの、2020年の総売上が15億円というから、借り入れは大きな負担になる。
そうした事情もあり、イーストウッド社は全19店舗のうち、7店舗で緊急事態宣言下の時短要請に従わず、20時以降も営業を続けてきた。

「緊急事態宣言以降、客足の低下によって、シフトの人数を減らさざるを得ませんでした。そのことで、アルバイトスタッフの離脱が増え、社員の負担は増えています。経営資源を集中させるために、7店舗だけ営業しているんです。
もちろん、私の報酬は100%カットしました。2020年冬の賞与は出せませんでしたが、社員の給与額は維持しています。解雇もしていません。
もし宣言が解除されても、休業中の店舗がすぐに営業開始できるわけでもない状態です。しばらくは、営業赤字を覚悟しなければなりません。これは多店舗展開している会社は、どこも同じだと思います」
3月7日で緊急事態宣言が解除されたとしても、新型コロナウイルス対策の改正特別措置法で新たに設けられた「まん延防止等重点措置」で、自治体が決める発令地域では営業時間の短縮要請は可能だ。


さらにいえば、違反で20万円以下の過料を科す規定はあるが、自治体からの要請にしたがった場合の協力金についての詳細な規定がなく、支給されるかも不確かな状態だ。
「2020年春の緊急事態宣言では、全面的に時短要請と休業要請に応じました。お客様と従業員を未知のウイルスから守ることも、経営責任ですから。
でも、当初から冬場の感染拡大はわかりきっていたことで、2020年から2021年にかけて有効な感染対策を打つこともなく、この期に及んで飲食店だけを狙い撃ちした緊急事態宣言の再発令は到底、受け入れられませんでした。
もちろん、休業命令が出るなら従わざるを得ません。しかし休業要請なら、過料を払ってでも可能な限りの感染対策を打って営業するつもりです」

 棟久社長のもとには日々、営業に対する抗議電話などが寄せられている。それでも、戦いは続く――。

デリバリーだけじゃない「新型コロナ」で意外に好況の業種

「正直、私たちの仕事は繁盛しています。この状況になって、今まで導入していなかった会社・部署も、在宅勤務を推進し始めましたから」
そう話すのは、都内のIT関連企業に勤めるAさんだ。3月25日の緊急記者会見で、小池百合子都知事(67)が「重大局面です。できるだけ、仕事は自宅でお願いしたい」と語ってから、テレワーク導入の機運は爆発的に高まった。
「テレワークには、自宅のインターネット環境が必須。私の会社では、Wi―Fiルーターの代理店業もおこなっていて、もう今年の契約ノルマを達成してしまいました」(Aさん)

パソコン周辺機器大手「ELECOM」の担当者も、こう話す。
「ヘッドセット、ウェブカメラなどの商品は売り上げが伸びています。もともと今年は東京五輪開催時の混雑緩和のためにも、テレワークの需要が伸びるのは想定していましたが、かなり早い段階で浸透した印象です」

いわゆる、“巣ごもり消費” の影響も見えてきた。デリバリー需要の高まりから、正社員200人・アルバイト5000人を新たに採用すると4月2日に発表した、宅配ピザの「ドミノ・ピザ ジャパン」。好業績が予測されるが、担当者は時節柄か「お答えできません」と少し困り気味に言う。

生鮮食品宅配の「オイシックス・ラ・大地」では、新型コロナの影響により注文が殺到しているため、一部サービスの新規入会を休止した。
「台風や大雪でも配達してきた経験があるので、今回もきちんと危機管理をしながら宅配しています。売り上げが伸びている?……購買していただく機会は増えてきています」(オイシックス担当者)


自炊意識の高まりからか、「ふりかけの売り上げ、需要が増えています」と話すのは、「丸美屋食品工業」の担当者。
「レトルト食品、キャラクターカレーなどでも売り切れてしまう商品があります。お客様に届けられるように、いまは増産態勢で臨んでいます」(丸美屋担当者)

まったく別の業界からも、景気のいい話が聞こえてきた。「思わぬ理由から好況に沸いている」と話すのは、美容整形外科医のCさん。
「大がかりな整形手術になると、『ダウンタイム』という術後の腫れが引く期間を設けないといけません。ですが、いま世間は外出自粛中ですし、外に出るときのマスク着用も不自然ではない。『ダウンタイムがあっても困らない』という理由で、手術希望者が殺到しています」

ハウステンボス 2021年2月27日(土)から通常営業へ【長崎県佐世保市】

佐世保市のハウステンボスは、長崎県独自の特別警戒警報が解除されたことを受け、2021年2月27日から通常の営業時間に戻すと発表しました。
ハウステンボスは、新型コロナの感染拡大を受け、時短営業を続けていました。

2月27日から通常の営業時間に戻し、日曜日〜金曜日は午前9時〜午後9時、土曜日は午前9時〜午後10時まで営業するということです。
営業を休止していた「変なホテル」など、3つの直営ホテルも27日から再開します。
ただ、一部のアトラクション施設については、引き続き休館するとしています。

六呂師高原スキーパークが今年度で営業休止 福井県

福井県大野市の六呂師高原スキーパークは経営の悪化から2020年度での営業休止が決まり、祝日の2021年2月23日は家族連れらが最後の滑りを楽しんでいた。
六呂師高原スキーパークは家族や初心者向けのスキー体験施設として4年前にリニューアルしたが、年間で平均1000万円の赤字が続いていることから夏場の人工ゲレンデを含め2020年度での休止が決まっている。
祝日の23日は朝から県内の家族連れが訪れ、スキーやそり遊びなどで最後のすべりを楽しんでいた。
営業は23日までの予定だったが十分に積雪があるとして2月末まで延長されている。

金剛山ロープウェイ 事業譲渡を検討 大阪・千早赤阪村

大阪府千早赤阪村は2021年2月18日、府と奈良県にまたがる金剛(こんごう)山(標高1125メートル)の登山者の足として知られ、現在運休中の村営「金剛山ロープウェイ」について、採算性などから村単独での事業継続を断念すると発表した。村は今年秋までに施設の民間譲渡を検討し、譲渡先が見つからない場合は施設を撤去する方針としている。
村は平成30年6月の大阪北部地震発生を受け、施設の耐震性など安全確認を実施したところ、山上にある「金剛山駅」などで強度不足が判明し、31年3月から運休していた。村は再開を目指したが、事業の赤字が続いており、設備更新に多額の費用がかかるため、村単独の事業継続は困難と判断した。
村観光・産業振興課の担当者は「村民にこれ以上負担を強いることは他の行政サービス低下につながる。苦渋の決断」と話した。

「もう限界」飲食店経営者82人の“悲鳴” 新潟県

新型コロナウイルスの感染者は新潟県内では減少傾向にありますが、収束はまだ見通せないのが現状です。こうした中、飲食店が置かれている状況は厳しさを増しています。新潟市の飲食店からは「もう限界」と、悲痛な声が聞こえてきました。
新潟市中央区にある居酒屋「笑太」です。店を構えて16年。これまで、夜のみの営業でした。

【笑太 神藤太代表】
「正直、今年入って、去年の緊急事態宣言の時よりも売り上げは悪いですね」
首都圏からの人の往来がなくなり、さらに外出自粛が続いているため店の売り上げは減り続けています。こうした厳しい現状を少しでも打破しようと、神藤さんは2月からランチ営業に踏み切りました。
「いらっしゃい」
顔なじみのお客が訪れると、つい本音が…。

【笑太 神藤太代表】
「『今を乗りきる』って、『今』っていつまで続くのかなって、誰も分からない…」
国は去年4月に発令した緊急事態宣言により営業を自粛し影響を受けた事業者を支援するため、神藤さんのような個人事業主に持続化給付金を給付しました。さらに、新潟県や新潟市もこれに伴い、時短営業協力金を支払いました。しかし、神藤さんの店ではこうした支援金120万円は、1か月の水道料金や店の維持費で底を突いてしまいました。

【笑太 神藤太代表】
「このままのペースだと、来月にはもう蓄えは全部底を突くような感じ。もう限界が来ていますので、何とかサポートしていただいて、持ち直した分を何らかの形で我々が還元できればいいかなと思う」
現在、新潟県は独自の「警報」を出し、感染拡大防止を呼び掛けていますが、飲食店に対して営業時間の短縮は要請していないため、飲食店への支援はありません。こうした飲食店経営者の悲痛な声、神藤さんの他にも多く聞かれました。
「このままだと、本当にやばいです」「私たちを見捨てないで」「手を打ってください」
次々と上がってくる訴えは、新潟市内で飲食店を営む82人の「悲鳴」です。

【月ひかり 中坪雅志店主】
「『もうつぶれそうだ』『家にどうやってお金を持っていけば…』『スタッフの給料がない』とか、限界を超えた状態で今やっている。どのお店も」
なんとか行政に救いの手を求めようと、先頭に立ったのは古町の居酒屋「月ひかり」の店主・中坪雅志さんです。SNSで呼び掛けを始めると、11日からの3日間で82店舗から窮状を訴える声が集まりました。

【月ひかり 中坪雅志店主】
「もう悩みは、どこにぶつけたらいいのか…。苦しいです。なんとか少しでも”お金”という部分で支援していただいて、お客さまが戻ってきたら、そのときにはもっと笑顔で」

「これ以上、街から明かりを消したくない」と、思いは切実です。中坪さんや神藤さんは市内82店舗の声とともに、支援を求める要望書を新潟市に提出する予定です。

GoToトラベル“段階的再開”検討 緊急事態宣言解除決定へ

菅首相は2021年2月24日、10の都府県に出している緊急事態宣言の解除の是非を判断するため、関係閣僚と協議する予定。さらに政府は、GoToトラベルの段階的再開に向けた調整に入った。

政府は、首都圏などで感染者の減少スピードが鈍っていることを警戒しつつも、現時点で2021年3月7日の全面解除には影響しないとみていて、GoToトラベルの段階的な再開にも踏み出す方針。
政府は24日夕方、関係閣僚で協議を行ったうえで、26日の対策本部で、大阪など6府県の宣言を、月末をめどに解除することを決定する方針。
残る首都圏の1都3県の宣言についても、特段の事情がない限り、3月7日に解除することを決定する方向で調整している。

西村経済再生相「3月4月は行事が多い機会なので、感染が再拡大するおそれがあるので、そういうことも頭に置きながら判断したい」
また、政府は、宣言解除後の対応についても、本格的に検討を進めている。
宣言が全面的に解除されれば、GoToトラベルを段階的に再開させる見通しで、当面、少人数での「県内旅行」を対象にする案が検討されている。
GoToの再開時期の検討も含め、政府はあらためて、感染拡大防止と経済の両立という難しい課題に取り組むことになる。

コロナ融資、迫る返済期限 倒産・廃業の引き金に

新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの中小企業が打撃を受けています。政府や自治体は様々な支援策を打ち出していますが、効果は表れているのでしょうか。
中小企業政策を担当する経済産業省は支援策をまとめたパンフレットで、経営相談、資金繰り支援、給付金、設備投資・販路開拓の支援といったメニューを紹介しています。経営相談の項目では、「予約がすべてキャンセル。従業員への給与支払いなど資金繰りに不安がある」と訴える観光バス業者の相談事例を挙げ、日本政策金融公庫の貸付制度、信用保証協会の保証制度や相談窓口などを案内したと説明しています。

2021年1月に実施した調査によると、新型コロナに関連する国や自治体、金融機関の支援策を利用した企業は、大企業(有効回答1962社)の30.2%、中小企業(同1万214社)の61.8%に達しました。「今後利用する可能性がある」との回答は大企業の7.0%、中小企業では8.2%です。利用した支援策を尋ねると、民間金融機関の実質無利子・無担保融資が最も多く、持続化給付金、雇用調整助成金、日本政策金融公庫による実質無利子・無担保融資と続きました。

コロナの影響で企業の倒産が急増するとの観測もありましたが、2020年は逆に倒産が減りました。2020年の倒産件数は7809件と2000年以降で2番目の低水準でした。「様々な支援策が多くの企業の資金繰りを支え、倒産の歯止めになった」と説明します。

予断は許しません。中小企業の資金繰りを支えてきた民間金融機関の貸し出し態度が最近やや厳しくなっていると懸念しています。コロナ危機が1年以上続くなか、金融機関は貸出先を改めて選別している可能性があります。神奈川県内のコロナ関連倒産は、昨年12月末までの累計で43件でしたが、今年1月だけで14件と急増しています。2度目の緊急事態宣言で景気の先行きに不透明感が増すなか、事業の継続を諦める経営者が増えています。

菅義偉政権は中小企業への支援を続ける一方で、成長戦略の柱の一つとして「足腰の強い中小企業の構築」を掲げています。中小企業に労働生産性の向上を求め、合併による規模の拡大、業態転換、大企業との連携促進を推奨しています。中小企業の間からは「それどころではない」という声も聞こえてきますが、生産性の向上に取り組みながらコロナ危機を乗り越えられるのかどうか、日本経済にとって大きな意味を持っています。

倒産数減少も”あきらめ型”休業・廃業が増加 そのワケは…【新潟県】

新型コロナウイルスの感染拡大により多くの企業が影響を受けていますがそんな中ある傾向がみられるということなんです。それが「あきらめ型」の休業・廃業が増えているということです。
どういうことなのか…まず倒産と休・廃業を分けて考える必要があります。
取引先や従業員に支払いができなくなり破産手続きのような法的整理などを行う「倒産」に対し「休・廃業」は倒産に至る前に自ら計画的に事業を停止することを指します。

2020年全国の企業の倒産件数は7773件で前の年と比べ7.2%減りました。一方で休・廃業はというと4万9698件で14.6%増加しています。
同じ傾向は新潟県内でも見られていて2020年の県内の倒産件数は74件で前の年から8.6%減ったのに対し休・廃業は721件と0.4%の増加となりました。
まず経営者の高齢化が理由としてありますがそれに加えて、新型コロナウイルス対策として国や県の資金繰り支援など「何とか今を乗り越えよう」という目下の支援策がある程度倒産の回避に繋がっている一方…
中長期的に考えた時に事業を続けていけるのか新型コロナ禍で先を見通せずまだ余力のあるうちに事業をたたむつまり「あきらめ型」休・廃業に繋がっているとみられるということです。

ちなみに新潟県内のこの休・廃業の数を産業別にみてみますと飲食業や宿泊業などのサービス業が183件と最も多く次いで建設業が152件小売業が143件と続きます。
「特に中小企業の場合休・廃業の決断は代表者次第と言える。経営者が安心できる生活保障など経済政策と社会福祉を絡めた議論が必要」としています。
日々の経営に行き詰まりを感じたり、ストレスがなかな取り除けないと思ってダラダラと仕事をしていませんか。
ときには、非日常を求めて、癒しを求めてちょっとだけ旅行でもしてみてはいかがでしょうか。