実態はヤミ金…カード現金化商法、規制は困難

客にクレジットカードで商品を買わせ、キャッシュバック名目で現金を提供する「現金化商法」が、警視庁に初摘発されても続けられている。

同商法は、年収の3分の1を超える借り入れを規制する改正貸金業法が昨年6月に完全施行されて以降、急増したが、最終的に自己破産に陥る利用者は後を絶たない。現行法では一律に貸金と認定して規制するのは難しく、専門家からは「法整備など抜本的な対策が必要だ」との声もあがっている。

「ショッピング枠を現金化」「急場の資金策に最適」。東京都内の新宿や新橋などの繁華街には、今回の摘発後も、現金化商法の看板が数多く並ぶ。中には、今回の摘発を受けて、「もう続けられない」として営業を中止した業者(渋谷区)もあるが、新宿区内の雑居ビルに事務所を設け、現金化商法を行う業者は、「商品も色々あり、客が自由に選べる。あくまでも商品販売で、ヤミ金ではない。これからも続ける」と話した。

日本クレジット協会(東京)などによると、現金化商法は改正貸金業法の施行を受け、消費者金融から現金を借りられなくなった人などを対象にこの1、2年で急増。おもちゃの商品を高値で購入させ、代金の8〜9割の現金を口座に振り込む「キャッシュバック型」のほか、金券やパソコンなど換金性の高い商品を使った「買い取り型」もある。一時的に現金は手にできるが、最後はカード会社からの請求に追われる。

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遊園地 テーマパークの収入減、大手が苦戦…2010年 帝国データバンク

帝国データバンクは、遊園地・テーマパーク経営企業の実態調査を実施し、その結果をまとめた。

7月に遊園地・テーマパーク経営企業のうち、2009年と2010年(1〜12月期)に2期連続で収入高が判明した128社を抽出して分析した。同調査は2009年7月以来、3回目。

調査結果によると2010年の収入高合計は約8483億3000万円で、前期比2.4%の減少となった。規模別では「収入高500億円以上」の4社すべてが減収となり、「収入高100億円以上500億円未満」の9社のうち、6社が減収となり大手の不振が目立った。

損益比較では、2期連続で損益が判明している77社について分析した結果、2010年の黒字企業は61社で、2009年と比べて10.9%増加した。

地域別では「関東」が全体の74.1%を占める一方、「東北」の業界規模が最も小さい。

128社合計の収入高のうち36.0%を占める業界最大手のオリエンタルランド(東京ディズニーリゾート)は、同4.1%の減収ながら増益となった。

一方、2011年は東日本大震災により、東北や関東を中心に多くの遊園地・テーマパークが休園を余儀なくされ、その後再開したものの、自粛ムードでレジャー需要が冷え込んでいる。加えて、節電のため一部アトラクションを中止して照明を抑えるケースが多く、入場者が激減している。

経済産業省の「特定サービス産業動態統計」によると、3月単月の遊園地・テーマパーク売上高は前年同月比49.9%減、4月が同49.8%減、5月が同27.7%減と大幅に落ち込んでいる。遊園地・テーマパーク経営企業は今期も業績が落ち込むことが見込まれ、減収により収益面でも苦戦を強いられることになる見通し。

さらに福島第一原子力発電所が被災したことによる放射能汚染や電力不足の問題に加え、円高で海外からの観光客が減少するなど、これまで業界を牽引してきた「関東」も苦戦が予想される。実際、オリエンタルランドの2011年4〜6月期連結決算では、収入が前年同期比43.0減の約485億5100万円、営業損益で30億4100万円の赤字となっている。また、7月15日には遊園地「メルヘン村」を経営する肥前観光が自己破産を申請するなど、遊園地・テーマパークの経営は厳しい状況が続く。

編集後記
地域分散型社会を見果てぬ夢に終わらせてはならない。地域らしさを活かし、地方立地が有利になる事業展開を試みる企業家が、いま、地域を変えようとしている。地域経済の将来を見すえ、企業家精神の源流をたどった話題の好著。

地方で花ひらく企業家精神

ゲーム業界、王者交代 グリー、モバゲー 任天堂超え

グリー、ディー・エヌ・エー(DeNA)の2大ソーシャルゲームサービスのそれぞれ会員数が、任天堂のゲーム機「ニンテンドーDS」の販売台数を、近く追い越す見通しとなった。両社の猛烈な勢いに、人気ソフト会社がソーシャルゲームシフトを強め、ゲーム界の“絶対王者”任天堂が新型機「3DS」の大幅値下げを余儀なくされた。ゲーム機メーカーを頂点とした従来のゲーム市場の構造が、音を立てて崩れ始めた。

武器は高い利益率
「数十億人にゲームを提供することが不可能でなくなった」
8月5日、都内で開いたグリーの事業説明会。田中良和社長はラフなジーンズ姿で、会場を埋め尽くしたゲーム業界関係者を前にそう宣言した。

田中社長が訴えたのはゲーム利用者の規模の優位だ。グリーは、4月に買収した米SNS大手「オープンフェイント」などを合わせた国内外の会員数が6月末で1億2359万人に達した。今後は世界的に普及が一気に進んでいるスマートフォン(高機能携帯電話)向けサービスを強化することで、来年6月末までに3億人にまで増やす目標を打ち上げる。

任天堂のDSの世界累計販売台数は6月末で1億4786万台。任天堂が2004年の発売から5年超をかけて築いた販売台数を、04年12月に創業したグリーの会員数が猛追する。国内でも「モバゲー」を展開するDeNAの6月末の会員数は2971万人と、DSの3273万人(エンターブレイン調べ)に迫る。

猛烈な勢いで利用者を増やすソーシャルゲームに対し、距離を近づけるのがソフト会社だ。
「ソーシャルゲームの可能性に挑戦してみたい」
7月下旬、ゲームクリエイターの稲船敬二氏が、今秋からグリーに作品を供給すると表明した。ソフト大手のカプコンで「ロックマン」などの人気作品を制作した稲船氏は昨年に同社を退社したが、独立後の初作品にソーシャルゲームを選んだことは業界内外に衝撃を与えた。

同じく今秋には、新興ゲームソフトメーカーのレベルファイブ(福岡市)が、人気シリーズ「レイトン教授」の最新作をDeNAに投入する。家庭用ゲーム機に出せば大ヒットが間違いない看板タイトルをDeNAに預けるレベルファイブの日野晃博社長は「ソーシャルゲームが大きな存在になっているのは周知の事実」と迷いを見せなかった。

ソフト大手でも、カプコンが中堅ソフト会社のハドソンを4月に完全子会社化し、同社の開発部門の約600人の大半をそのままソーシャルゲーム開発に充てた。コナミの田中富美明・最高執行責任者は「ソーシャルゲームは成長が期待でき、重点分野として経営資源を投入する」との姿勢を打ち出す。

ソフト各社が、ソーシャルゲームに前のめりになっているのは、成長の「可能性」が「実績」として表れていることもある。コナミの11年4〜6月期連結決算では、家庭用ゲーム機向けソフト販売は、有力作品の不在で売上高が前年同期比でほぼ半減の77億円だったが、ソーシャルゲームの売上高は3倍超の78億円と上回り、ゲーム業界関係者を驚かせた。

加えて、ソーシャルゲームは1作品当たりの制作期間が長くても半年程度と短く、開発費用もあまり掛からない。ソフト大手幹部は「ハリウッド映画並みの巨額な費用が掛かるゲーム機向けと比べ、ソーシャルは利益率が高く、安定収益が見込める」との懐事情を明かす。

値下げで逆襲誓う
一方、ソーシャルゲームの拡大で“劣勢”が指摘されるのが任天堂などのゲーム機大手だ。任天堂の11年4〜6月期連結決算は、営業損益は四半期決算を導入した03年以降で初の赤字転落。落ち込みの主因は2月に発売した携帯型機「ニンテンドー3DS」の販売不振で、「ソーシャルゲームの利用拡大が影を落としている」(アナリスト)との指摘が出る。

ただ、当の任天堂の岩田聡社長は「ソーシャルゲームの業績への影響の因果関係は確認できない」と否定。その一方で、今月11日の3DSの1万円の大幅値下げについて「値下げで必ず状況を変え、ソーシャルゲーム脅威論と『因果関係がなかった』と認めてもらう」と逆襲を誓うなど“ライバル意識”をうかがわせる。ソーシャルゲーム会社がすんなり新たな王者の称号を獲得するのか、それともゲーム機メーカーが土俵際の踏ん張りで形勢逆転するのか。攻防はさらに激しさを増しそうだ。

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長野の検査機関、3カ月業務停止=虚偽の証明書発行―農政局処分へ

関東農政局は12日、農産物検査で虚偽の内容の証明書を発行していたとして、登録検査機関「松本ノーサン」(長野県松本市)に検査業務の3カ月停止を命じると発表した。29日に同社から聴聞した上で、9月にも発動する。
 
農政局によると、同社は2010年9月に実施した醸造用玄米の検査で、含有水分が基準を超えていたのに、基準を満たしていると記載した証明書を発行した。業務停止は農産物検査法に基づく処分。 

編集後記
信頼される企業経営のために
企業の不祥事があとを絶たない。しかも、同様の過ちがくり返されているところに、問題の深刻さがある。人間が介在する以上、事故や犯罪は必然的に生じるが、それを想定して対策を講じているかどうかによって、結果的にその企業の信用は全く異なったものになる。本書は、コンプライアンスの背景と基礎を紹介し、コーポーレート・ガバナンスなどともあわせて、健全な企業運営とはどう行えばよいのかを示す。

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【続報】ローソン、過疎地にコンビニ 広島・神石高原町の三セクが運営

高齢・過疎化が進む集落の「買い物難民」を支援しようと、大手コンビニエンスストアのローソンは12日、広島県神石高原町内の道の駅に、町の第三セクターが運営する「ローソン神石高原町店」をオープンした。効率的な出店をビジネスモデルとするコンビニチェーンが過疎地に官民連携で出店するのは初めて。同社は今後、同店を拠点とした移動販売や訪問販売も視野に入れており、全国の過疎自治体にも応用可能なビジネスモデルを構築する狙いだ。

同店は、町が57%を出資する三セクとローソンがフランチャイズ契約を結び、「道の駅さんわ182ステーション」内の売店を業態転換し開業した。売り場面積は約115平方メートルと、全国平均とほぼ同規模で、約2500品目を扱う。営業時間は午前7時〜午後9時。同店の運営には総務省の交付金を活用する。

地元農家が生産した野菜の直売所も隣接しており、町は将来的に行政の窓口や福祉施設などを周辺に集約し、“市街地”としてのにぎわいを創出したい考えだ。ローソン側は同店を拠点に、町内での移動販売や廃校などを活用したミニ店舗設置などの事業も計画している。

県の東端にある同町は2004年に、神石町など4町村の合併で誕生。人口は約1万人だが、約4100世帯が200以上の集落に分散。全集落の3割が10世帯未満の状況で、スーパーなどの小売りが営業しても採算が見込めない地区が多い。

コンビニは一定の地域に集中出店し、配送効率とスケールメリットを高めて収益を上げる。小集落が点在する地域は本来、出店の対象にならない。

だが、同様の地域に住む「買い物弱者」は全国で600万人(経済産業省推計)に上り、今後も増えると予測されている。国内で飽和感のあるコンビニにとっては、採算がとれれば開拓余地の大きい成長市場になり得る。

すでに業界内では、セブン−イレブン・ジャパンが10日、同県世羅町での移動販売「セブンあんしんお届け便」をスタート。ファミリーマートも過疎地での移動販売を全国に広げる方針を打ち出している。

今回の出店は、過疎地域における自治体との共同事業という新たな経営モデルへの挑戦でもあり、新浪剛史社長は「成功すれば“神石高原モデル”として、全国の過疎地や東北の被災地にも応用したい」と話している。

編集後記
第3セクターが必要ないとか、早く整理しろといったところで問題が解決するわけではありません。
一律に第3セクターをなくしてしまう前に、現状をまずは正しく理解して必要なものや役立つものと不必要なものや赤字の垂れ流しになっているものは整理するようにしなければなりません。

山村の第三セクター

森林管理、観光など山村の第三セクターの現状と特徴を明らかにするとともに設立の助成策や各地の事例などを紹介。今後の第三セクターを考える。

羊蹄丸、9月末でお別れ=旧青函連絡船、譲渡先募集―「船の科学館」も休館へ

東京・お台場の「船の科学館」が老朽化のため9月末で休館し、旧国鉄の青函連絡船「羊蹄丸」(8311トン)の保存と一般公開が終了することになった。運営主体の日本海事科学振興財団は今月末まで無償譲渡先を募集しているが、引き受け手がない場合は解体される。残り1カ月半となり、かつて帰省や旅行で連絡船を利用した中高年の来館者が増えている。
 
青函連絡船「桧山丸」の元船長で、7年前からボランティアでガイドを務める西沢弘二さん(71)は「羊蹄丸は当時の造船技術の粋を集めて造られた。航海中に乗客の赤ちゃんが生まれ、『羊』にさんずいを付けて洋子と名付けられたこともあった」と紹介。「船長の制服を着て、きょうはどんな出会いがあるかとガイドを楽しみにしていたので、なくなるのは寂しい。9月には昔の仲間で集まって汽笛でも鳴らしてお別れしたい」と話す。
 
羊蹄山から名付けられた羊蹄丸は1965年に就航し、87年の国鉄分割民営化でJR北海道に引き継がれた後、青函トンネルが開通した88年3月に運航を終えた。青森―函館間を往復し続けた総距離は地球101周に相当する約403万キロ、延べ旅客数は約1178万人に上った。
 
同年、同財団が1億7500万円で購入。92年にイタリアで開かれた「国際船と海の博覧会」では日本政府のパビリオンとして活用された後、96年から一般公開された。今年6月末までの入館者は約317万人。年間維持費が約3000万円掛かり、本館の改装資金も必要なことから譲渡先を探すことになった。対象は日本国内の法人だが、個人の場合も検討する。問い合わせは数件にとどまっているという。 

編集後記
法務・財務・税務のトータルファームである朝日中央綜合法律経済事務所グループの弁護士、公認会計士、税理士が、その業務を通じて習得したノウハウを活かし、最新の判例・文献に考察を加えながら、会社の再建から清算までを網羅した倒産状況打破の必読書とすべく執筆したものである。

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甲子園球児の宿、有終の夏 宿泊校57年で春夏7回優勝

甲子園球児の「陣地」として長年親しまれてきた名物旅館が、この夏の選手権大会を最後に57年間の営業に幕を下ろす。北海道から沖縄まで数多くの代表校が宿泊し、春夏計7回、優勝旗を持ち帰った。今年は東東京代表の帝京が宿泊。おかみさんのおもてなしに応えようと頑張ったが、13日、八幡商(滋賀)に逆転負けを喫し、有終の美を飾ることができなかった。

2回戦前日の12日。「おかえんなさい!」という声が玄関に響いた。

阪神甲子園駅から阪神電車で2駅、武庫川駅近くにある旅館「水明荘」。兵庫県西宮市内の球場で練習後、帝京の選手たちが戻った。経営者の白石幸広さん(77)と妻・昌子さん(75)、アルバイト従業員の女子学生らが食堂前に並び、笑顔で迎えた。

夏の甲子園に東西の2校が出場する東京代表は、長年、都高校野球連盟の指定旅館として水明荘と阪神甲子園球場近くの旅館「夕立荘」を利用。毎年、交互に宿泊し、西東京の日大三は夕立荘に泊まっている。2006年夏には西東京代表の早稲田実業も水明荘に泊まり、「ハンカチ王子」として人気のあった斎藤佑樹投手(現北海道日本ハムファイターズ)らの活躍で全国制覇した。

夏は2年ぶり12回目の帝京。選抜大会も14回出場している強豪校で、前田三夫監督(62)が率いて夏2回、春1回の甲子園優勝経験がある。1983年夏、東京の代表校として初めて水明荘に泊まったのが同校で、甲子園優勝もすべて水明荘だった。

幸広さんの両親が今の場所で旅館を始めたのは54年。駅前の木造2階建ての自宅を改造し、10部屋ほどの客室で始めた。

昌子さんは58年5月に結婚してすぐ、旅館を手伝った。当時は春夏の高校野球のほか、高校サッカーの全国大会も西宮市で開かれていた。バレーボールや卓球、体操の選手たちも大きな大会のたびに泊まってくれた。「昔は一年中忙しかったですよ」と昌子さん。

甲子園に出場するチームの特徴も様々。大きな共同風呂に1人ずつ交代で入るチーム。大会の最中も食堂に参考書を持ち込んで勉強するチームもあった。

食事は昌子さんたちの手作りでボリューム満点だ。「これまでの代表校の中でもダントツで食べはる」という今年の帝京。12日の昼食に出された30人分のチキンライスは、「米8升」。試合の前日だった夕食は「テキカツ」と「白玉入りスープ」。ふだんは縁起担ぎをしない昌子さんだが、「敵に勝つ」願いを込めてビフテキととんかつを出す。「白星を増やして」という思いを込めた白玉はチームが勝ち進むと、おわんに入る数が増える。

今年5月。後継者だった長男幸嗣さんが51歳で急逝。帝京の大ファンだったという幸嗣さんの棺(ひつぎ)には、「Teikyo」ユニホームが入れられた。夫婦は、当分続けようと思っていた旅館の廃業を決意した。

「息子が亡くなったんはつらいが、帝京から始まって帝京で終われるのはうれしいねえ」と幸広さん。昌子さんは「東東京の大会前、前田監督が『今年は必ず、甲子園に行くから』と言ってくれた。本当にうれしかった」と話す。八幡商に敗れ、「水明荘最後の夏に優勝旗を持って帰る」という帝京の夢はかなわなかった。

鳴り物「ICカード」銀行が乗り気じゃないワケ

犯罪防止に効果があるとして鳴り物入りで登場した銀行のICキャッシュカード。だが、7月に金融庁が発表した調査によると、これを持っている人は全体の2割に満たない。積極的な姿勢で普及に努めるクレジットカード会社に対し、銀行などの金融機関は「正直、乗り気じゃない」(金融マン)のも一因という。そのわけは−。

通常、私たちが持っているキャッシュカードは、表側に黒などの太い線が付いている。磁気ストライプといい、ここに口座番号や氏名などの情報が詰まっている。

ただ、このタイプは磁気読み取り装置があれば、情報を盗み取られる可能性があり、偽造カードが作られやすいのが弱点。クレジットカードでは過去、国際的な偽造団が暗躍し、世界各国で犯罪が起きていた。

そうした背景から、カード業界では1993年を境に、ビザやマスターといった国際ブランド会社が結束、データが盗まれにくいICチップを搭載したクレジットカードを採用し、普及に乗り出した。

だが、日本の金融業界ではICチップが当時、1枚1000円程度と高価だったため消極的で、基準作りをめぐっても難航。2001年になってやっと基準の概要が決まるというお粗末ぶりだった。

今回、その普及の現状などを金融庁が調べたところ、キャッシュカードを発行する銀行は約1500行。そのうちIC付きを取り扱うのは8割を超えていた。だが、保有者は15%と低い。

要因としては、預金者保護法の施行によって盗まれた預金は銀行が弁済する態勢が整ったことや、偽造キャッシュカードの被害件数が2009年度の300件に比べ、10年度は240件と減少。ICを付けなくても被害は減る傾向のため、「いまさら代えるのは面倒」と考える利用者が多いことが理由のひとつとみられる。

金融ジャーナリストの小山田遼氏は「客に勧めてももうからないものを銀行はもともとセールスしない。IC化への切り替えは無料だから、カード業界のように普及するには時間がかかる」とも話す。

歯ギシリしているのは、業者である印刷会社やATM(現金自動預払機)メーカーだ。指静脈など生体認証で本人確認できるように開発したのは、キャッシュカードのIC化が前提になっている。印刷会社も出版不況のおり、少しでも金融ビジネスで稼ぎたいところ。膨大な利用者を持つ肝心の銀行が乗ってこなければ、商売にならないだけに悩みは尽きない。

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安愚楽牧場が再生法適用を申請 東電補償なければオーナーへの返還は1割程度?

経営破たんの危機にあった安愚楽牧場が東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、2011年8月9日に保全命令を受けた。負債総額は3月時点で619億8705万円。

東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、牛の放牧制限や牛肉から放射性セシウムが検出されたことで市場価格が下落し、急速に資金繰りが悪化した。牛の餌代など一部の取引先や、オーナー(出資者)への配当の支払いを止めていた。

バブル期は年10%の高利回り
経営破たんの引き金になったのは、オーナーによる資金流出が止まらなかったことにある。3月以降、ふだんの3〜4倍の解約が殺到した一方で、新規のオーナー契約もままならなくなった。

企業情報の帝国データバンクによると、安愚楽牧場のオーナーは全国に約7万人。北海道から九州・沖縄までの全国40か所の直営牧場と、338か所の預託先牧場をもち、推定約15万頭の黒毛和牛を飼育している。国内の黒毛和牛の牧場としては最大規模だ。

繁殖牛のオーナーから出資を募り、生まれた仔牛の売却益を配当に充てる仕組みで、バブル期には年10%もの高利回りを叩き出していた。この3月までも、5〜7%前後の利回りがあった。

11年3月期には食肉の売上増などで、1027億2394万円の売上高を達成。ただ、2010年に宮崎県で起きた口蹄疫問題では約1万5000頭の牛を殺処分。その補償金88億2330万円が売上高に含まれている。

とはいえ、安愚楽牧場の経営は「ビジネスモデル面で無理があったのではないか」との指摘がある。「もともと内部留保に乏しい」(帝国データバンク)とされ、牛肉の放射性セシウム汚染が問題になった7月もオーナーの新規募集や継続を呼びかけていた。

たとえば、100万円を1年間預けると、仔牛の売却益の4万円と5000円分の金券プレゼントで、実質年4.5%の利回りを保証するような内容。さらには、放射性セシウム汚染の影響によって出荷額が低調になった場合には、「これまで積み立てていた基金から差額を補てんする」としていた。

オーナーの中には「この1年ほど高い利回りの募集が増えたようにも思う」との声もある。

東電の損害賠償に一縷の望み
オーナーの中には数千万〜1億円を出資した高齢者も少なくない。しかし、経営破たんとなって、実際にどのくらいの資金が手元に戻ってくるのだろうか――。安愚楽牧場の場合、1990年代後半に問題化した他の和牛預託商法と異なり、和牛が「資産」として存在する。そのあたりに資金の「戻り」を期待する向きもあるが、牛の買い戻し額は元本の1割程度ではないかという見方もある。多額の負債を考えると、大幅な元本割れになる可能性は高い。

また、一部メディアでは安愚楽牧場の幹部への取材として、「東電への損害賠償請求を考えている」と答えたことから、そこに「一縷の望み」を託しているようだ。

ちなみに、2001年に経営破たんした流通大手のマイカルの社債の場合、返還割合は約3割。2005年の住宅外壁塗装のペイントハウス転換社債のケースで約2割だった。

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三菱重社長、日立との統合「そういう事実ない」

三菱重工業の大宮英明社長は9日、読売新聞のインタビューに応じ、日立製作所との経営統合について「そういう事実はない。予定もない」と否定した。

ただ、4日に発表した水力発電システム事業の合弁会社設立などを含め、日立との関係で「いろいろな話があったことは事実」と述べ、個別事業レベルの統合を検討していたことは認めた。

大宮社長は、経営統合に関する一部報道について「全然関係ないものもくっつけて、水と火を一緒にして会社が大きくなるから良いというものではない」と、強く否定した。

一方、インフラ(社会基盤)市場は、中国やロシア、韓国などが国を挙げて受注活動を展開しているとして、「(他企業と)互いにメリットがある地域や事業で協力し、(外国勢と)対等に競争できるようにしたい願望はある」と述べた。

編集後記
「商品」「サービス」「会社」「あなた」にいま必要な差別化戦略
世の中はいろいろな商品・サービスで溢れていますが、不況の今の世の中で売れ続けているのは「安くて品質の良いもの」ばかりです。ユニクロしかり、プライベートブランド商品しかり。
しかし、小さな会社が、品質にこだわり、いいものを作り、なおかつそれを大企業よりも安く売る。さらにブランド力のない小さな会社なので広告にもお金が必要です。こんなことをしていたら、小さな会社はたちまち潰れてしまうでしょう。
この本では、そのような数多くの小さな会社が、商品・サービス、また企業自身に、「人をひきつけ、共感できるストーリー」を組み込むこみ、ファンを作ることで安定した売上をあげる差別化戦略を紹介します。具体的な事例を織り交ぜながら、ストーリーのつくり方、活用の仕方を説明していきます。

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日々の経営に行き詰まりを感じたり、ストレスがなかな取り除けないと思ってダラダラと仕事をしていませんか。
ときには、非日常を求めて、癒しを求めてちょっとだけ旅行でもしてみてはいかがでしょうか。
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