いつになれば安心して働けるのか。失業率5.7%、有効求人倍率0.42倍。雇用を巡る深刻な数字が明らかになった2009年8月28日朝、職を探す人たちからは「求人すらない」と悲鳴があがった。失業者を受け入れてきた横浜市の団地では、居住期限の再延長が決まったが、不安定な暮らしに変わりはない。
国土交通省によると、全国で少なくとも3449人(2009年8月21日現在)が、こうした緊急避難的な暮らしを強いられている。
30代から約20年間、自動車や電機関連の工場で働いてきたが、2008年10月、約2年間勤務した厚木市の自動車部品工場を解雇された。団地では3LDKの部屋に、入居説明会で隣り合って座った男性と2人で住む。家賃は1人3500円で、光熱費は折半だ。
30〜40社に求職活動したが、仕事は見つからない。2009年8月末の退去は逃れたものの、追い出された場合の行き先はない。2009年9月には雇用保険が切れる。「こんなに厳しいのは初めて。だんだん自信が失われていくよ」。重い口調でそう話した。
雇用情勢の悪化を受け、神奈川県は2008年12月以降、解雇に伴い社員寮を追い出されたりした派遣労働者ら90人余りをいちょう団地に受け入れてきた。当初の居住期限は2009年6月だったが、入居者側から国や県に支援の継続を求める声があがり、8月末まで期限が延長された。
2009年8月25日現在、32人が住んでおり、県は再び退去を求める方針だが、就職の見込みが立たない人が多く、再延長に応じた。9月以降も25人が住み続ける予定だが、県は再就職支援を続けつつ、最長で12月〜2010年1月ごろまでは居住を認める方針。ただし毎月、許可の更新申請を求めるという。
国交省は2008年12月、公営住宅などの入居資格に、離職を余儀なくされた人を加えるよう通知した。その結果、自治体や都市再生機構(UR都市機構)、高齢者向け優良賃貸住宅の経営者など官民で415の運営者が延べ7001戸の供給を決めた。入居期間の設定や更新などは各運営者の判断で行われている。これまでに自主退去した人は1345人。一方、期限が来たため退去せざるを得なかった人は877人に上る。うち25人は高齢者向け優良賃貸住宅などに入居していた高齢者だった。