東京都中野区でマンション分譲の山忠建設(株)は、2013年4月に事業を停止していたが、11月20日に破産手続き開始決定を受けた。
都内城西・城南地区および都心部をメインエリアとして、インテリジェントビルやマンションの設計企画、専有・床卸、開発分譲のほか、不動産仲介代理業など幅広く手がけ、マンション分譲では自社ブランド「ヴィンテージ」シリーズを展開していた。
バブル崩壊後の不動産市況低迷期には財務面の劣化から都内に点在していた自社ビル売却などを余儀なくされたものの、その後は、都心部を中心としたオフィスビル、商業施設、マンションなどの開発意欲の高まりから業況は改善。デベロッパー、ファンドなどと連携した開発プロジェクト、不動産売買が活発化したことで、2007年7月期には年売上高約302億2200万円を計上していた。
しかし、リーマン・ショック後の不動産市況の急速な冷え込みから、案件は減少。2010年7月期には不良在庫の損切処分を行ったことで約32億円の債務超過に転落。翌2011年7月期の年売上高は約15億300万円にまでダウンした一方、一部の借入金について債務免除が認められ、債務免除益約41億9400万円を計上したことで債務超過を解消。
しかし、2012年7月期の年売上高は約25億7500万円と引き続き低迷。動向が注目されるなか、2013年4月には決済難を生じ、その後、実質的な営業活動は停止していた。
関係会社で不動産賃貸業を手がける(株)山忠ホーム(東京都)も、同様の措置となっている。
会社名 山忠建設(株)
業 種 マンション分譲
所在地 東京都中野区
設 立 昭和50年8月
創 業 昭和49年4月
負債額 45億6500万円(2012年7月期末時点)
あの会社はこうして潰れた (日経プレミアシリーズ) [ 帝国データバンク情報部 藤森徹 ]は、信用調査会社の方が書いた本なので、取材対象にインタビューを試みて、倒産の背景を深掘りするようなアプローチはしていません。淡々と客観的に、会社が潰れていく過程をまとめ、類型化している。一般の方にも興味深く読んでいただける内容に仕上がっていますが、実際に倒産を見聞きすることの多い、金融業など玄人筋の方からも高い評価を受けています」