茨城県で2020年1〜12月の倒産件数は115件で、前年比25件減。
負債総額は106億4300万円で、前年比38%減。
倒産件数は平成17年以降2番目に少なかった。負債総額も同年以降で最少。新型コロナウイルスに関連する倒産は8件にとどまり、同社は「国主導による金融機関の資金繰り支援がコロナ禍の中小零細企業を倒産から救った」と分析している。
倒産企業の業種別では「小売」が28件で最多。「建設」(27件)、「製造」「卸売」(各17件)と続いた。負債額別では、1千万〜5000万円未満が58件と半分以上を占めて最多となり、1億〜5億円未満が32件、5000万〜1億円未満が22件と続き、10億円以上の大型倒産はなかった。
当初、米中貿易摩擦や2019年10月の台風19号の影響に加え、新型コロナウイルスの感染拡大で一層の倒産の増加を見込んでいたという。ところが、2020年4月以降の倒産件数は6月を除き、全て前年を下回った。中でも5月は同社に記録が残る昭和52年以降で初めて0件を記録した。
金融機関のコロナ対策融資とコロナ禍での返済条件緩和などが要因とみられるという。日銀は新型コロナ対策である企業の資金繰り支援策の9月末までの延長を決定。金融機関の企業への融資基準は一層の緩和が想定され、県内の倒産件数は引き続き、低水準が維持される見通しだ。
ただし、融資は借入金で返済義務があり、資金がつながっている間に業績が改善しなければ経営は破綻する。コロナ対策融資は、コロナ禍以前から構造的な問題を抱える企業にも実施されている。同社によると、本来なら調達できない額の運営資金を借り入れている県内企業もあり、担当者は「今年と来年以降は休廃業を含め、倒産動向の注視が必要だ」と指摘する。
一方、昨年の茨城県内では創業から30年以上の企業倒産が全体の約半数を占めた。荒磯親方(元横綱・稀勢の里)が通ったことで知られる牛久市の老舗中華料理店「甲子亭」も100年以上の歴史に幕を閉じた。
このほか、2019年末に筑西市のふるさと納税返礼品だったおせち料理の製造が間に合わず、配送中止のトラブルが起きた飲食店運営の小野瀬フーズ(同市)と、関係会社でおせち製造元の小野瀬水産(同市)も破産した。それぞれ設備投資の失敗と、放漫経営が要因とみられている。