埼玉県さいたま市で総合建設業の(株)エム・テックは、10月1日に申請処理を弁護士に一任して、民事再生法の適用申請し、10月5日に再生手続きの開始決定を受けました。
しかし、10月22日に再生手続き廃止決定を受け、11月20日に破産手続き開始決定を受けた。
自社独自のPC(プレストレスト・コンクリート)工法や橋梁工事におけるPCF工法を有し、国土交通省や東日本高速道路、埼玉県やさいたま市など官公庁からの元請を中心とした受注形態で、「出雲バイパス新神立橋上部工事」など多くの実績を残していた。他社が受注に対して消極的な難度の高い工事を中心に入札することで価格競争を回避し利幅を確保するほか、PC構造物の土木用橋梁桁や土木用セグメント、建築用柱、サイレントボイド床板などの資材販売も展開。東日本大震災の直後は受注が激減していたが、近年は震災復興需要もあって関東圏や東北地方を中心に受注が回復し、2015年7月期には年売上高約245億6900万円を計上していた。
しかし、業況が比較的堅調であるにもかかわらず慢性的に支払いトラブルを抱えるなど、経営体制の安定性が懸念されていたうえ、売上規模の拡大に伴い資金需要も増加していた。従前から、全国の工事業者や産廃関連業者などを傘下に入れ事業領域の拡大を進めるなかで、不透明な取引などから2017年12月に民事再生法の適用を申請した(株)PROEARTH(神奈川県厚木市、建機販売)のスポンサーとして名乗りを上げたものの、最終的に撤退を表明し同社は翌2018年2月に破産手続きに移行するなど、当社の動向に注目されていた。加えて、今年3月に東京地方検察庁から港則法違反で起訴されたことを受けて、全国各地の自治体から指名停止処分を受けるなど業容が悪化。資金繰りも多忙となるなかで、大幅な役員変更を行っていた。
会社名 (株)エム・テック
業 種 総合建設業
所在地 埼玉県さいたま市
設 立 昭和63年10月
資本金 4億6637万円
負債額 253億4933万円