他店との差別化-「こだわり」を追求し、「自店の強み」を磨こう



今回は、都心近くの商店街で婦人服小売店を営む女性経営者からの相談です。早速店舗を訪れお話をお聞きしました。
このお店のお客さまは年配者が多く、最近は高齢化が進み、来店する頻度も著しく少なくなってしまったとのことでした。立地はバスに乗って20分程度。近くには、大型百貨店や、ブランドのセレクトショップ、ファストファッションショップなど、ほかにもたくさんのお店があります。経営者は顧客の来店が少ないのはこれらの競合店で購入してしまっているのではないかと懸念されていました。
「なんとかお客さまを増やす方法は無いものか」と、先日購入した専門誌の特集で「差別化による売上増進」の記事があったのを思い出し読んでみたのですが、どうも納得出来ません。そこで、創業以来懇意にしている知り合いの私に「差別化の方法」について相談したとのことでした。
私は「差別化の方法」についてアドバイスをするにあたり、経営者に、まずは次のような質問をしました。
「あなたが良く行くスーパーマーケットは、なぜ行くのですか?」
「あなたが良く行く美容院は、なぜ行くのですか?」
 まずその理由を考えてみてください。
スーパーマーケットに行く理由としてあげたのは次のものでした。
 「価格が安く新鮮なものが多いから」
 「自分が欲しい品物が必ずあるから」
 「お惣菜がおいしいから」
 「店員さんが親切で明るいから」
 「家から近いから」
 「むかしからの馴染みだから」
 「通路が広くてゆったり買い物ができるから」
 「ポイントカードがあるから」
美容院へ行く理由としては、
 「むかしからの馴染みで自分の好みを知っているから」
 「美容師と気が合うから」
 「カットの技術が優れているから」
 「営業時間が長くて店舗を閉めてからでも行けるから」
 「価格もお手頃だから」があげられました。
業種によって少し異なりますが、このお客さまが「お店を選ぶ理由」こそが、店舗から見ると「差別化のポイント」となります。
これら「お店を選ぶ理由」は、大きく4点に整理できます。
(1)商品やサービス自体に関する理由 <品質・品揃え・鮮度・技術>
(2)立地を含むお店に関する理由<店舗のつくり・立地>
(3)売り方に関する理由 <商品知識・接客・お得なサービス・広告>
(4)価格に関する理由 <リーズナブル・高級>

どの理由でお店を選ぶかはお客さまによりさまざまですが、お客さまは、自分にとっての都合のよさ、すなわち「便益」でお店を選びます。
だから、これら「便益」が、お店の「価値」であり、お客さまに、「他店とくらべ、他店以上に、これらの「価値」を提供すること」が「差別化の本質」となります。
しかしながら、お客さまの価値に対する考え方(価値観)は千差万別です。価格を優先するお客さまもいれば、品質にこだわるお客さま、接客にこだわるお客さまもいます。すべてのお客さまに満足していただくことはなかなか難しいことです。
 
そこで、このお店の経営者に、お店を経営するうえで一番大切にしていることは何か、言い換えればどうしてもゆずれない点、つまり、お店にとっての「こだわり」は何かを再確認してもらいました。
なぜならば、「商売の原点」は「自分と同じ価値観を持ったお客さまを集めること」だからです。 そしてこのこだわりが、実はお店にとっての強みになり、この強みを磨くことでより一層他店との差別化が可能となるからです。
下町にある小さな中華料理店の看板メニューは餃子ですが、一切作り置きをしないのがこのお店のこだわりです。あらかじめ作り置きしておいたほうが効率は良いのですが、美味しい餃子を食べてもらうために、注文をいただいてから餃子の皮に具材を入れ焼き始めるのです。昼時はこの餃子を食べに来るお客さまで満員です。 わずか10坪ほどの小さなお店だからできることです。
 
きもの問屋の目利きノウハウを生かし、家庭のたんすに眠っていた着物を適正値で買い取り、きれいに洗濯した着物を破格値で販売するきものリサイクルショップは、「もっと着物を着てもらいたい」「たんすに眠っている着物を眠らせたくない」というこだわりと着物の価値を見る眼力による差別化で成功しました。
 
このように、「こだわり」「自社の強み」を生かすことは、差別化につながります。
今回ご相談いただいたお店は、40代から70代のご婦人の外出着と関連小物を扱うお店。 経営者にはシルエットや着心地を大切にし、お客さまにぴったり合う着こなしをアドバイスしたいというこだわりがあります。
そこで、経営者の強みやこだわり、主なお客さまが中年の婦人であることを考え、具体的に次のアドバイスをしました。
(1)商品に関する差別化(品揃えの幅による差別化)
パンツなどボトムのサイズはすべてのサイズを切らさず在庫する。 ご婦人は中年になるとウエストサイズが大きくなる方が増えます。 ぴったりサイズは着心地も良くシルエットも綺麗です。在庫が増えるリスクにもなりますが、大きな差別化になります。

(2)売り方による差別化T(顧客へのアドバイスによる差別化)
経営者のセンスの良さを生かし、お客さまの良きファッションアドバイザーになる。 仕入した商品はすべて試着し、着心地やシルエットをあらかじめ確認し適切な着こなしのアドバイスをすることや、お客さまの持っている洋服とのコーディネイト提案、着回しするための便利なアイテムを提案する。

(3)売り方による差別化U (広告による差別化)
店頭チラシで自己PRを積極的に行う。 お客さまは店員が好きという理由でお店に行きます。逆に言えば嫌いな人がお店にいると絶対に行きません。好きになってもらうためには自分はどのような人なのかを知ってもらうことです。出身地、趣味、好きな食べ物、好きな服、最近感じたことなど日記風にまとめ、最初は月に一、二回程度発行し店頭に置くことにしました。
 
たしかに、他店を見学し勉強することも大切です。ですが、他店のことを気にしすぎるあまり、自店の長所がおろそかになるのでは本末転倒です。差別化の近道は、自店の長所を伸ばすこと。こだわりを再認識し、自店の強みを磨いて、お客さまの来店頻度を向上させていきましょう。

お店のレイアウト-お客さまの目線を意識しよう



今回の相談先は、やや郊外にある種屋さん。花や野菜の種子が主力商品ですが、庭を彩る楽しみを感じてほしいと、ガーデニング用品も扱っています。最近は品種改良も進み、マンションのベランダなどでもプランターを利用した家庭菜園や花の栽培を楽しみやすくなっているそうです。

さて、このお店には、お客さま用の出入口が2つあります。外と繋がるもののほか、隣接したスーパーからも出入りできるようにもなっています。スーパーの駐車場には自動車がたくさん停まっており、隣接するスーパーはそれなりに繁盛している様子です。
しかし、この種屋さんのお悩みは...。スーパーと直結した出入口があるにも関わらず、売上の多くが農家の方で、スーパーを利用する一般のお客さまからの売上が伸びないことです。

「野菜が成長する過程が家で見られるって、楽しいんだけどなぁ。野菜が嫌いでも、自宅で作ったトマトは食べるというお子さんもいるのにね。この辺りのお客さんは、家庭菜園や自分で花を育てることに興味がないのかな」と店主さんは嘆いています。でも、本当にそうでしょうか?
 は、お店に入ったときの第一印象と、店主さんから伺ったターゲット顧客に違和感がありました。入口の前に立った時、いちばん初めに目に入ったのは、農家の方たちが使うウエアや耕具などでした。やはり第一印象は、「農家の方向けのお店」です。
 
ところで、私が立ったのは、駐車場寄りの、外に面した出入口でした。スーパー側の入口に立てば、種の品揃えが豊富なことはわかります。でも、その入口自体が、スーパー側からは目立ちにくい場所にあったのです。スーパーに来るお客さまは、駐車場から、種屋さんの入口に気づかないまま前を素通りし、スーパーでも種屋さんの連絡通路に気づかず帰宅している方もいそうでした。
 
店長さんにこのことをお伝えした結果、メイン入口を外に面したほうに変更し、それに合わせて店内のレイアウトも、ターゲット顧客としている一般のスーパー利用者向けにも伝わるよう変えよう、ということになりました。変更にあたり、お客さまの目線で見ることに意識を向けていただきました。
ここで気をつけたのは、以下の点です。
(1)店内にあった花の鉢植えを外へ出し、外から「花(関連)のお店だ」と気づいていただきやすくする
(2)店が奥まで見渡せるよう、入口には低い什器を配置する
(3)入口正面には一般顧客に喜ばれるよう、見た目のかわいいガーデニング系の商品を配置する
(4)すべての商品の価格がわかるよう、プライスカード付きを徹底する
(5)農家の方がメインユーザーの商品は、別のコーナーにひとまとめにする
 
この結果、お客さまの反応が変わり始めました。外に面した出入口で、鉢植えや入口の商品に目をとめるお客さまが増えてきたのです。「ガーデニングのお店だったのね」という声も聞かれました。今までと品揃えは変えていないのに、商品に気づいてもらえていなかったのです。
 
こうして、少しずつ一般のお客さまが増え始めました。農家のお客さまにも今までどおりごひいきいただいています。農家のお客さまは目的買いが多いうえに、もともと店主さんともおなじみさんです。初めこそ、「あれっ、商品どこになったの?」と聞かれることもありましたが、すぐに新しい配置にもなじんでいただけました。
 
さらに、思わぬ発見もありました。農家の方たちと一般のお客さまが店内で話しこみ、農家の方たちのおススメの種を買っていかれることが出てきたそうです。一般のお客様にとって農家の方のアドバイスはとても参考になり、非常に喜ばれています。農家の方も、お客さまが感心したり、喜んだりする声を聞くのが嬉しいようです。こんなコミュニケーションが店内で起こることで、店内の雰囲気も明るくなりました。
このお店が変更したのは、「正面入口」でした。これを読んで、「うちは入口が1つだから関係ない」と思った方はいらっしゃいませんか?
入口の他にも、お客さまの目線を意識すべき箇所はたくさんあります。窓やショーウィンドウから見える商品は、あなたのお店の一押しでしょうか。レジは、お客さまに威圧感を与える場所に配置されていないでしょうか。せっかく手に取った商品も、値段がわからずそのまま帰られてしまうことはないでしょうか。
 
お店に一押しの商品が並んでいても、気づかれなければ存在しないのと同じになってしまいます。レジが、入口から入ったお客さまを正面から見つめる配置になっている場合は、レジを目立ちすぎない位置に変更してみましょう。
おススメが見えるお店になっているか、店内でお客さまが心地よく過ごせるお店になっているか、もう一度、お客さまの目線で見直してみてくださいね。

キャッチコピーの書き方-商品価値をわかりやすく伝えよう



今回の相談者は商店街の中にあるミニスーパーの店長さん。あるセミナーに参加し、POPの書き方を勉強したのですが、キャッチコピーをどのように書いたら良いか分からないので教えて欲しいとのことでした。
今までキャッチコピーを書いたことはあるのですが、自信が無いとのこと。早速店舗を拝見しに行きました。

50坪ほどある店舗にはぎっしり商品が並び、POPカードもさまざまなものでいっぱいでした。POPのなかのキャッチコピーは「地域一番の価格」とか「本日限りの超特価」など価格訴求だけのものが目立ちます。
店舗を一通り拝見したのち、店長さんには次のようにアドバイスをしました。

キャッチコピーは本来商品の特徴を伝えることにより購買につなげる大切な販売促進ツールです。もちろん価格も商品特徴の一つですが、「価格」や商品の豊富なことは見た目ですぐわかります。
キャッチコピーは見た目では、すぐにはわからない商品の特徴を伝えることが大切です。
鮮魚売り場を歩くと二種類のさんまが並んでいました。 一方には「新さんま200円」のPOP表示があり、もう片方には98円の価格だけが表示されていました。キャッチコピーが無かったらお客さんはどちらを購入するでしょう?
たいていのお客さまは、安い方を購入していきます。 でも、200円のさんまに、次のようなキャッチコピーが書かれていたらどうでしょう?
「北海道産 新さんま!! 今が旬 脂がのって本当においしいです。」
「新さんまは縁起ものと言われています。旬を食べると健康になります。」

スーパーマーケットの食品売り場に買い物をする顧客の70%ほどは何を購入するか決めていない顧客と言われています。 そのため、効果的なキャッチコピーを添えただけで、価格が2倍以上する商品も売れるのです。
例えば、高齢者なら健康が気になります。そこで「塩分を従来の半分に抑えました」「これ一瓶で一日の野菜の必要量が摂れます」といったキャッチコピーが目にとまります。
 
常に美しくありたいと考えている女性であれば、「お肌を内側からきれいにするベーターカロチン配合」というようなキャッチコピーが目に飛び込んでいくでしょう。
また、「価格」はお客様をひきつける大きな要素ですが、単純に安さだけを表現すると安いものを欲しがる顧客ばかりを集めることになり、どうしても価格競争に陥ります。 このため、単に価格の安さを訴求するのではなく、「お得感」を表現してみることも有効です。
 
例えば、「本日限りの超特価」のかわりに、 「賞味期限が迫っていますので超破格値でご提供します。10日以内でしたらおいしくいただけます」といったキャッチコピーを添えるのです。 これによって、お客様はなぜ商品が安いのかという理由がわかることで、「安心」して買うことが出来ます。
 
この「お得感」の表現と、価格の安さを訴求する表現は、一見、似ているように見えます。ですが"商品価値を伝える"と言う点からは、情報の質と量が全く異なります。前者は良い商品だけどワケ(賞味期限が近い)が有って破格値となっている。後者は"価格が安い"こと(もしかすると最初から安い商品かもしれない。)だけを伝えている、というわけです。
 
最後にキャッチコピーを作る際の手順とポイントをまとめましょう。
(1)商品の特徴(価値)をたくさん書き出してみる。
まず、自分で食べたり、使ってみて、味や食感、香り、見た目、食べ合わせ、調理方法、保存方法など気が付いたことはすべて書き出してください。 どうしても自分でわからない場合は、その商品をよく購入するパートさんや親しいお客さまに聞くのも良いでしょう。

(2)書き出した特徴の中からお客様の心に響きそうなものを選ぶ
最初から難しく考える必要はありません。切り口はたくさんあります。「健康」「美容」「訳有り」「鮮度」「調理法」など色々試してください。

(3)短くまとめる
自分に関心があることですとお、客様は長い文章でも読んでくれますが、食品スーパーの場合食事準備前の忙しい時間帯に来店されますので、出来るだけ短く、多くても三行程度にまとめてください。

カッコが良くてきれいでなくても構いません。普段皆さんが売り場でお客様とお話ししているその言葉で良いのです。「このお豆腐にお塩をつけて食べたらビールにとっても合うのよねー」とお客さまにおすすめしたら 枝豆味の豆腐のキャッチコピーがもう出来上がりです。
「ビールのおつまみにお塩で食べてみてください」
まずは実行してみましょう。そして、キャッチコピーを付けなかった時と付けたときの売上点数の違いを確認してください。一つでも余計に売れたら「成功」です。 慣れてきたら店内でキャッチコピーコンテストを実施してみるのも面白いですね。見る見るうちに「売れるキャッチコピーライター」であふれますよ。

特売の考え方-陳列で特売に差をつけよう



今回は、ファッション衣料店を経営している50代女性の方からご相談を受けました。この時期によく行われる冬物バーゲン。「特売を予定しているのですが、売場陳列で気をつける点は?」というものです。
通常販売時の特売といえば、一般的には2通りあります。食品スーパー等で通常商品を期間限定で値下げする特売と、衣料品店等で季節商品を季節の終わりに値下げする特売です。今回は、ご相談いただいたお店に合わせて、冬物衣料の特売バーゲンを例に考えていきましょう。
気をつけるポイントは次の5つです。
(1)通常商品と特売商品は同時に陳列
(2)通常商品と特売商品の売場は混じり合う形で
(3)きれいに整理整頓が今風
(4)値札をPOPに
(5)特売のタイミングは地域の傾向に合わせる

(1)通常商品と特売商品は同時に陳列
特売バーゲン中でも、通常商品は陳列されているものです。店内すべてを特売商品にしてしまうこともありますが、できれば通常商品や次の季節の商品も一緒に陳列しましょう。
次の季節の魅力的な商品を見てもらうことは、お店の広告宣伝になります。特売を目指して、多くのお客さまがいらっしゃるということは、普段扱っている商品を見ていただく機会も増えているということ。
ですので、多くてもバーゲン品は売場の7割程度。3割程度は通常商品を並べ、入荷したばかりの「New Arrival」商品も一緒に展開することで、取扱い商品のPRをして、特売をお客さまの再来店につなげましょう。

(2)通常商品と特売商品の売場は混じり合う形で
通常商品をお店のPRにするために、特売商品は、売場を2分するような形でなく、店内に混じり合う形で陳列する方法もあります。商品のカテゴリーや使われ方が近いものを、通常・特売ともに近い位置で展開するのです。
特売につられて、通常商品が目に触れる機会が増えれば、本当に欲しい商品として、通常商品が選ばれる機会も増えます。ただし、お客さまが通常商品と特価商品の区別に気が付かない場合もあるので、購入するつもりで選んだ商品に、通常商品と特売商品が混じっている場合は、一言、通常商品は特価ではないことを伝えるなど、より親切な接客を心がけるとよいでしょう。

(3)きれいに整理整頓が今風
今年のお正月も、多くの百貨店や専門店が福袋を出しました。以前は、どんなものが入っているかかわからない、開けてみてのお楽しみというものが多かったのですが、最近では、中身が確認できたり、何が入っているのか、カテゴリーやサイズ、色などで整理された福袋になっています。
特売も同じです。以前はジャンブル陳列といって、ワゴンに「ごちゃごちゃ」に入れてお客さまが取り合うような陳列が特売の定番でした。しかし最近では、セールやバーゲンでも、きちんとディスプレイされた陳列で商品提案する店舗が増えています。「ごちゃごちゃ」感は、安さを演出し、活気を呼ぶにはよいのですが、一方で雑に扱われたようにも思われてしまいがちです。
「安さ」ではなく、商品を「お得」に買いたいと思っているお客さまに向けては、大切に扱われている「お買い得商品」として見ていただけるよう、整理整頓された陳列をするとよいでしょう。

(4)値札をPOPに
POPとは「Point of purchase advertising」の頭文字を取った略語で、日本では 購買時点の広告と訳されます。特売は、価格訴求がポイントの販売方法ですから、購買時にもっとも確認されるであろう「値札」にきちんと「広告」の機能をもたせましょう。
(1)「セール」「バーゲン」対象品であること、(2)価格がどれくらい下がっているか。(○%OFF)、(3)その結果、販売価格がいくらになったのか、という点は必須です。掲示の際は、迫力を出すために「文字は大きく」「数多め」がポイントになります。これによって「セールで売りたい」という店の意思を明確に打ち出しましょう。
また値札にPOPをつけることは、お店の管理にもつながります。価格管理の手法には、バーコード管理や一般的な伝票・台帳管理がありますが、どちらにせよ、間違った価格での販売の防止する上でも、きちんと行うとよいでしょう。

(5)特売のタイミングは地域の傾向に合わせる
特売のタイミングは、地域の標準に合わせます。地域の大きなショッピングセンターや百貨店が行う時期を見計らい、それより数日早いタイミングで行うことをおすすめします。
ただし、早すぎるのも、遅すぎするのも、そして長期間やりすぎるのもおすすめできません。早すぎると店の利益面でマイナスですし、遅すぎると売り切ることが不可能になります。また、長期間やりすぎると正価で売れない店になり、長期的には店が疲弊していきます。その年の売れ行きによる部分も大きいですが、地域のお店の傾向をよく見ておきましょう。
特売は、商品の活性化だけでなく、新しいお客さまを取り組むことにつながります。特売を成功させ、年間の売上UPを目指しましょう!

お店の清掃-「きれいなお店」で新しいお客さまを呼び込もう。



今回の相談者は、下町にあるお惣菜屋さん。お父さまの代から、飾らないけれど、毎日食べても飽きない手作りの味わいを提供し続けていて、お馴染みさんの評判もいいようです。
 このお店の周辺には、大きな環境変化がありました。駅前に大きなスーパーマーケットができたのです。お客さまの流れがすっかり変わり、近所にあった小さなスーパーは、ついに閉店してしまいました。
 
しかし 店主さんは「これは、自分のお店を見直すチャンスだ」と考え、新規のお客さまを増やす店づくりに取り組むことにしました。とはいえ、何をどうしたらいいのかわかりません。そんな経緯で、相談をいただきました。
 
早速お店を訪問し、店内や商品を見せていただきました。試食したお惣菜は、コクやうまみがしっかり出ていて、腕のよさが伝わってきました。「信用のおけるところから材料を仕入れているから、いいものが使えるんだよ」という店主さんの言葉どおり、材料に対するこだわりも感じられます。
でもそれは、お惣菜を食べて初めてわかること。買っていただかなければ、美味しいことには気づいてもらえません。

実は、お店に入ったときに「お客さまが買う気をなくしてしまうのでは?」と気になった点がありました。それは店内に漂う「油」の匂いでした。カレーやウナギ、お出汁の「いい匂い」につられて食事の内容を決めることがあるように、食品を買う上で嗅覚はとても重要です。
特に新規のお客さまにとって、お店の第一印象は味ではなくて店内の「見た目」や「匂い」。古い油の匂いがする店内は、それだけで「古い油を使っているのでは?」、「お店の清掃をきちんとしてないのでは?」と思われて、「こんなお店のお惣菜って美味しくなさそう、体にもよくなさそう」と、期待感を下げてしまうことにもなりかねません。しかも、異物が入っているわけではないので、お客さまはなかなか「店内が匂うわね」とは教えてくれないのです。
 
この店主さんも自分のお店に慣れてしまい、匂いに気づいていませんでした。お鍋などの調理道具はピカピカですから、原因は、長年使っている厨房の五徳(ごとく)や床などにしみこんだ油の匂いと思われました。そこで早速、お店の大掃除に取り組むことになりました。
「ここまでとなると、自分でするのは大変だな」と言う店主さんに、1回だけ専門家に清掃を依頼することを提案しました。多少のコストはかかりますが、「時間で効率を買う」という考え方です。それと同時に、以下の点もアドバイスしました。
・依頼した専門家に、自分でできる正しい清掃方法を教わること
・清掃後の店内を撮影し、ベストの状態を忘れないようにすること

これは、1回だけお店がきれいになっても、自分で維持できなければ元通りになってしまうためです。 こうして、正しい清掃で、きれいな状態を維持できるようになりました。
専門家による清掃が入ってしばらくした後、お店を再度訪問しました。床が以前より明るくなり、あの油の匂いも気にならなくなっていました。店主さんは、専門家に依頼した後も、毎日、教わった方法で清掃をしているとのこと。お客さまからも、「最近お店がきれいね」と言われるようになった、と嬉しそうにお話されました。

清掃は売場では見えなくても、お客様を引き寄せたり、遠ざけたりするカギになります。もし、お店の商品が埃でざらっとしていたら、買う気も薄れ、足も向かなくなりますよね。 特に、見た目だけではその「味」がわからない食料品では、「清潔感」は、お店の印象を変えるだけでなく、食品を美味しく見せることにつながります。
 
売上高=客数×客単価とは一般的に使われる公式です。でも、ここで言う「客数」は、レジに来てくださったお客さまの人数のこと。レジへお客さまが来てくれるまでには、(1)お店の前を通る→(2)お店に入る→(3)商品に関心を持つ→(4)買い物をするためにレジへ行く、という流れをたどります。汚れていたり、いやな匂いのするお店では、実は、(1)や(2)のお客さまを、買い物をする気にさせずに返してしまっていることがたくさんあるのです。
 
せっかく来てくださったお客さまを、残念な気持ちでお帰ししたくありませんよね。良いものを提供したいという気持ちがあっても、伝わらなければもったいない。その心遣いを伝えるためにも、ぜひ一度、お店のなかをチェックしてみてくださいね。

顧客情報の活用-顧客情報をお店のファン化につなげよう。



相談者は美容院で、ご自身の技術の高さをサービスとして提供しています。また、お店を開業されたということで、お店の雰囲気やお人柄も「売り」の一つになっており、取り扱っている商品・サービスがきわめて個別的・限定的で、顧客ターゲットも、こうした趣味・嗜好などが合致する特定の層に限られます。
こうしたことから、限られた商品(サービス)と、限られた顧客層を、いかに少ないコストで効率的にマッチングさせ、それを維持しつづけるかがポイントになると考え、お客さま一人一人のニーズの違いに対して対応をかえるワントゥーワンマーケティングの方法が最適だと考えました。
そして、美容院業の特性や、このお店の特性から、顧客カルテを売上UPにつなげる方法として、
STEP1 既存顧客の長期来店化
STEP2 新規顧客の獲得
STEP3 客単価のUP
という順で取り組むことにしました
 
時間もお金も限られたなかで、もっとも大きな効果をあげるには、取り組むべき順番はとても重要です。今回、もっとも大切にしたのは、既存の顧客情報を使って「お店のファン化をすすめる」ということ。そのために、まずは、既存顧客との関係性を強める取組みを最優先させました。それがSTEP1「既存顧客の長期来店化」です。
 
そして、STEP2となる「新規顧客の獲得」も、この顧客との関係性が強化されるとより効果が出やすくなります。客単価のUPを最後としたのは、美容院業は、取り扱う商品も少なく、施術サービスの単価も一定であることが多いことから、そもそも客単価UPが難しいためです。ですが、この「ファン化」が出来ていると取り組むべき方法にひろがりが出ます。
 
まず「STEP1 既存顧客の長期来店化」についてですが、美容院業の場合、その特性から、髪を切る「頻度」を上げること、つまり、来店回数を上げることは難しい。ですので、考え方としては、(ちょっと大げさですが)その人が一生涯に髪を切る回数のうち、どれだけ、うちのお店に来店してくれる回数が増やせるのか、つまり、どれだけ長期的に、しかも、うちのお店にくる「確率」を高めることができるのかという点を重視しました。
 
長期にわたって来店していただくためには、大事にしてもらっているという感覚はもとより、自分の趣味、嗜好、環境などにあっているという「フィット感」、またそれらをよく理解してもらっていて、「おまかせ」できる安心感や信頼感を構築する、つまり、お客さまをお店のファンにしていく必要があります。
 
たとえば、以前した話をよく覚えていてくれたら「大事にされている」と感じていただけるかもしれません。また、新しい髪型やカラーリングに挑戦したいというときに、お客さまの趣味・嗜好を理解していたら、よりフィットする提案ができ、それがさらに信頼や安心感につながります。
ですので、次回来店の際に、さらなる関係性の強化が図れるよう、会話の中で得られる、「趣味・嗜好・興味」などについても、メモをとることをすすめました。
ちなみに、こうしたことをカルテにして残しておくことは、サービスの均質化をもたらします。たとえば、予約ナシで来店されて、スタッフにお願いしたとしても、カルテを見れば、好みの雑誌をお渡しすることもできるでしょう。
 
また、「お客さまは、ネコを飼っていらっしゃるんですよね。○○からうかがっていますよ。」といって、会話のネタになるだけでなく、お客さまに、いちからご自分の話をしていただくという煩わしさも与えないですみ、こうした提供サービスの均質化や、きちんとした引継ぎは、お店の信頼感にもつながります。
 さて、いよいよ具体的な方法です。既存カルテにどのような情報が記入されているのかをお聞きしました。記入されているのは、
氏名、住所、連絡先、性別、生年月日、職業、家族構成、来店日
施術内容や施術以外の購入商品(これと一緒に、髪に関するお悩みや求める効果(要望)が記載)
来店動機(なぜこのお店を知ったのか)
情報は十分集まっています。

たとえば「来店日」。次回来店までの期間でカルテをふりわけて、次回髪を切るのに最適なタイミングでメールを出す方法を提案しました。これは、忙しいお客さまには、「そうか、そろそろだな・・・」という「思い出し」効果がありますし、そこに、ちょっとした言葉などがついていれば、自分のことをよくわかってもらっているなという認識をもたらす効果もあります。
 
「来店動機」は「STEP2 新規顧客を獲得」するために、どういう販促の方法(チラシ、広告、ブログ、ツイッターなど)が有効なのかを考えるのに役立ちます。カルテをチェックしてもらったところ、お友達や家族の紹介(=口コミ)が多いとのことでした。なので、その口コミが、より来店につながるよう、お友達も、紹介した方も安くなるという「お友達紹介割引」を実施しました。
 
ところで、顧客の変化によって、お店を変化・成長させていくというのも、顧客の長期来店、新規顧客獲得には重要な視点です。これは「家族構成」に関わるところですが、例えば、20代からおつきあいのあるお客さまが、30代に入られて、お子さまがいらっしゃるようになったら、キッズ向けの対応も考えていくといったようなことです。その結果、その「家族」を顧客に取り込んで、ひいては、「次世代」にわたるおつきあいをしていくといったことも考えられます。
 
そして最後が「STEP3 客単価のUP」です。これについては、まず「購入履歴」があるお客さまをチェックしてもらいました。関連商品を購入されたことのあるお客さまは、もともと購入意欲の高いお客さまですから、優先的に購買につながる「きっかけ」を提供していきます。
具体的には、施術中の会話のなかで、その商品の使い心地などをきいて、さらに、商品紹介のきっかけにすることをすすめました。また、サンプルを提供する際にも、「優先的」に提供するようにしました。
そして、髪について、お悩みのあるお客さまに対しては、「○○さんが、すすめてくれるものだから、いいかもしれない・・・」と思っていただけるよう、自身が商品を利用して、それを「自分のことば」ですすめていただくようにしました。
 
もちろん、これらの方法は、お客さまとの「信頼」があってこそ成り立ちます。信頼関係がないと、単なる押し売りになってしまいます。また、そもそも会話を好まないお客さまもいらっしゃいますので、その旨をカルテに記載するなどして、お客さまに「快適」にすごしていただけるようにつとめることが大切です。
また、カルテの情報がきわめてプライベートな情報であるということにも十分留意する必要があります。過剰な情報収集や個別対応は、プライバシーが侵害されていると感じられることもありますので、お客さまに合わせて、適度な対応を心がける必要があります。

お店の改善-ステップを追って、小さなことから少しずつ取り組もう。



日々忙しくお仕事をされていることと思います。どの仕事もきっと欠かせないもの。中でも経営者などお店の管理をしている方は、普段の仕事だけをしているわけにはいきません。「もっとお店を良くして、売上を上げていきたい。そのためにはどうすればいいの?」と考えていらっしゃるはずです。
では、お店改善の取組みを、5つのステップで考えてみましょう。

(1)経営者自身が自由時間を作る
つまり、お客様やご家族から自由になる時間を作るのです。仕事はたくさんあるでしょう。でも、そのすべてが、あなたでなければできないことでしょうか。従業員さんに教えてやってもらったり、時間を削減して簡単に済ませたりできる仕事を探してみましょう。どんなに忙しい方でも、きっとそんな仕事があるはずです。
従業員さんに新しく教える仕事は、(1)毎日のようにやっていることで、時間を変えて実施しても大きな問題がない仕事、(2)やってもらった仕事の確認を取れる仕事、から始めましょう。新しく仕事を学ぶ従業員さんにとっても、新鮮な気持ちで仕事に取り組んでもらえるはずです。

(2)空いた時間で現状分析を行う
自由になった時間を使って、改善したいことを考えていきましょう。まずは現在、経営者のあなたがやりたいことをピックアップしていきます。その時は、「どうしてそれをやりたいのか?」、「本当に店の経営に良いことか?」という視点で改善案や取組みを考えていきます。そして、具体的な改善方法や取組み方法を決めます。この時、経営者のあなた一人で行う場合と、従業員さんを使わないとできない場合に分けておきましょう。

(3)小さなことから改善をスタート
つまり、実際に始める段階です。前のステップで、あなた一人で行うことにした取組みから始めます。経営者だけでも、改善できることは多いはずです。小さなこと、簡単にできることから始めましょう。
そして、うまくできたら、できたことを従業員さんにアピールします。「こんなことをやってみた。どう思う?」と、一緒に取組みを確認しましょう。たとえば、お店のバックルームの整理整頓や、マンネリ化した通常商品売場の模様替え。工夫したポイントや、今までできなかったわけ、今後どうするのかなどを、従業員さんと確認しましょう。従業員さんにも、時間の使い方など協力してもらった点があるはず。その感謝やねぎらいもあると、取り組んだあなたも従業員さんも、一緒に嬉しくなれますよ。

(4)仕組みにして従業員に引き継ぐ
実は、改善したことを従業員さんと確認したのには、理由があります。そう、取り組んだことを仕組みにして、従業員さんにもやってもらうためです。たとえば、お店のバックルームの整理整頓ならば、あなた自身が続ける必要もある一方、従業員さんの協力も必要です。うまくいった取組みは、仕組みにして従業員に引き継ぐことで、継続的な改善に結びつけます。経営者のあなたがいつもやっていては、改善にならないのです。

(5)新たな改善の取組みを行う
ここまで頑張ってきた、経営者のあなたがやるべきことは、さらに次の改善の取組みを進めることです。経営者が常に新しい何かをやることで、店は活性化します。再び第1段階に戻って、新しいことに同じように取り組んでいけばよいのです。この取組みは、従業員さんの能力アップにもつなげられます。
 
雑貨店では、このようなやり方で、お店の仕事をしながら商品開発から倉庫管理までどんどん仕事の幅を増やし、レベルが上がっていった例があります。お店は、経営している皆さまやお店を任されている従業員さんの仕事の仕方で、いかようにも変わります。改善は、「小さなこと、簡単なことから少しずつ」。あきらめずに頑張ってくださいね。

商品の陳列方法-手に取りやすい「陳列量」を意識しよう。



今回の相談者は、地方都市にあるセレクトショップのオーナーです。少しお値段は張りますが、1点1点こだわって仕入れるニットやパンツ、ジャケットは、着心地のよさやシルエットの美しさで、目の肥えたリピーターのお客さまから、高い評価をいただいています。

でも、オーナーは浮かない顔。新規のお客さまが、なかなか増えないのです。
一度試着していただければよさがわかるはずなのに、商品をあまり手に取ってもらえません。
さっそく店内を拝見したところ、商品の陳列量が多すぎる印象を受けました。こじんまりとしたお店の造りはアットホームで居心地がいいのに、ラックや棚には商品がぎゅうぎゅう詰め。
これでは、自慢のインポートジャケットのデザインやシルエットも、手に取ってみないとわかりません。
こう思う方もいらっしゃるかもしれません。「でも、取り出してもらえれば、そのよさはわかるはず」

いえいえ、ぎゅうぎゅう詰めのラックや棚を見たら、多くのお客さまは、「取り出しにくそう」、「手に取ったら、元に戻しにくそうだな」と考えます。そして、「今日は見なくてもいいかな」、「ここで見なくてもいいかな」と素通りしてしまうのです。
 
もちろん、「どうしても今日、パンツが買いたい!」と考えているお客さまなら、頑張って商品を取り出してくださるでしょう。でも、通りすがりで、ちょっと立ち寄ったウィンドウショッピングのお客さまにとっては、手に取りにくい棚はハードルが高いもの。けれど、こうしたお客さまにこそ、さまざまな商品を手に取って、お気に入りを発見していただきたいですよね。
 
となれば、適切な陳列量の「見やすく、手に取りやすく、元に戻しやすい」ラックや棚を維持することは、とても大事なこと。商品の魅力をアピールし、「ちょっと着てみようかしら」と思っていただくためには必要な取組みなのです。
 
また、ぎゅうぎゅうに詰め込まれた商品は、それだけで安っぽく見えがちです。セールの季節に、「お店が安っぽくなった」と感じることはありませんか?
 
商品の陳列量が多すぎると、商品やお店のイメージを損なってしまうこともあるのです。これは、オーナーのこだわりをうたうセレクトショップでは、絶対に避けたいところですね。ちなみに、適切な陳列量は店舗イメージによっても異なりますが、一般的には商品を増やすほど、安価な商品のお店に見えるので注意が必要です。
ここで、ぎゅうぎゅう詰めのラックや棚がもたらす、マイナスの作用をまとめてみました。
(1)商品のシルエットがひと目でわからない
(2)取り出しにくく、お客さまが気軽に触れない
(3)安価なイメージがついてしまう

さて、相談者のお店ではルールを決め、以下のようにして商品陳列の適量化に取り組みました。

(1)棚の上部3分の1はスペースを空ける
(2)商品の間にネガティブスペースを設ける
(3)ラックにかけるハンガー数を決める

ハンガー数は、オーナーの好きな都内の高級ブティックを参考に、思い切って3割減らしました。また適切な陳列量を維持するために、ラックや棚を常に客観視できるよう、定期的にカメラで撮影し、陳列量を確認することにしました。変更したのは一部のラックと棚だけでしたが、以前より商品の動きがよくなりました。
 
多くのお店が、「商品をたくさん置けば、どれかは選んでもらえるはず」と考えます。でも、手に取ることを楽しめないお店には、お客さまの足は向かなくなります。適量を意識した、「見やすく、手に取りやすく、元に戻しやすい」陳列をぜひ、心がけてみてください。

ネーミングのコツ-売りたいサービスをPRできる効果的なネーミングとは?



今回の相談者は、これからご自宅でアロマセラピーサロンを開業しようという30代の女性です。相談内容は、「施術メニューのネーミング」についてです。開業当初は、6種類のメニューを用意し、サービスを提供しようと考えているとのこと。その際のネーミングのコツと、特に売りたいサービスをPRするための効果的なネーミングについてご相談を受けました。
施術メニューのネーミングのコツは、次の5つです。
(1)シンプルでわかりやすいこと
(2)意外性があること
(3)具体的であること
(4)効果がわかること
(5)物語があること

「シンプルでわかりやすい」とは、メニューの内容がすぐにわかることです。たとえば、「フェイシャルマッサージ」であれば、顔を施術するメニューであることがひと目でわかります。

「意外性がある」とは、あえて違和感のある表現をすることです。たとえば、「ザラザラボディパック」と聞くと、「あれ? パックなのにザラザラなの?」と興味をひかれます。人は、見慣れた表現に対しては気づかずに通り過ぎてしまうものですが、意外性がある表現には自然と意識が向くものです。

「具体的である」とは、メニューの内容を頭の中でイメージできることです。具体的な表現をすることで、どんなメニューなのかを、お客さま自身が想像できるようにお手伝いするのです。たとえば、「ふくらはぎ30分集中コース」であれば、ふくらはぎだけを30分かけてほぐしてもらえるものと容易に想像できます。
 
「効果がわかる」とは、そのメニューを受けることでお客さまがどうなるのかがわかるということです。「疲れをとりたい」、「むくみを解消したい」、「代謝をよくしたい」など、お客さまのご来店目的はさまざまです。したがって、「むくみすっきり」、「リラックス」など、お客さまが求めている効果をネーミングに取り入れることが有効なのです。
 
「物語がある」とは、施術メニューそのものや施術で使う商品の背景を語ることです。たとえば、「15種類配合のオリジナルブレンドオイルを使った贅沢ボディマッサージコース」であれば、お店としての「こだわり」を訴求することができますし、気になる「15種類」の内容でお客さまの興味をひくこともできます。
 
では次に、特に売りたいサービスをPRするための効果的なネーミングについてお話しします。
ポイントは、たったの1つだけ。
先にご紹介した5つのコツを、売りたいサービスにはなるべく多く盛り込むことです。決して、すべてのメニューに5つのコツを使ってはいけません。残りのメニューは、あえて平凡なネーミングにしてください。そうすることで、お店の売りたいサービスが際立って、お客さまにもそのサービスを選んでもらいやすくなるのです。

これらのテクニックは、サービス業のみならず、飲食店などでも活用できます。メニューのネーミングにちょっとした工夫をするだけで、売りたいサービスを自然とPRできることを、ぜひ覚えておいてくださいね。

小さなお店の陳列-商品のフェイス数はこうして決めよう。



下町で小さなスーパーを経営されています。相談内容は「フェイス数の決め方」について。昔ながらの常連さんや近所の主婦の要望に応え、商品アイテム数を増やそうと思っているのですが、店の広さは限られている。だから、どのような陳列、見せ方をすると有効なのか、フェイス数を決めるポイントについてご相談を受けました。
商品を見せる上で大事なことは「お客様にとって、その商品がどんな商品なのか」ということ。なので、次の視点で商品を振り分けてみましょう。

(1)新商品か、既存商品か
(2)売れ筋商品か、普通の販売量の商品か
(3)お店が売りたい商品か、そうでない商品か

このうち、「新商品」、「売れ筋商品」、「お店が売りたい商品」がフェイスを広げる商品です。
新商品は、当然お客さまがまだ知らない商品ですので、フェイスを広げて、お客さまに知っていただき、買う気になってもらう必要があります。とにかく「新商品だ!」というアピールをしましょう。

売れ筋商品は、回転が速いため、売り場に商品がなくなってしまうこともあります。フェイスを広げて欠品を防止しましょう。
お店が売りたい商品については、量が多いとそれだけで目立ち、お店が売り込む意思があることも感じてもらえます。ですので、フェイスを広げてボリューム感を演出するとよいでしょう。
ただし、一般的にフェイス数は4〜5までは効果が上がるけれど、それ以上だと効果が下がると言われていますので、この点には注意が必要ですね。
 
また「お客さまと売り場」の関係も大事です。
極端な例で言えば、大きなスーパーなどに行くと、陳列ゴンドラ1本で1つの商品を陳列して展開している例などがありますが、小さな店舗ではこうしたことは有効ではありません。
 
「売り場の大きさ」というのもフェイス数を決める上では大事な視点です。大きな店舗では、それぞれの売り場にどう誘導していくかが重要となるため、先の例のようなゴンドラの使い方は効果がありますが、小さなお店や売り場では、そこまでやらなくてもお客さまに商品をアピールできますし、「売場効率」が落ちてしまいますので気をつけましょう。
その売場がお客さまにとって「どんな売場」なのかを考えて見直してくださいね。
日々の経営に行き詰まりを感じたり、ストレスがなかな取り除けないと思ってダラダラと仕事をしていませんか。
ときには、非日常を求めて、癒しを求めてちょっとだけ旅行でもしてみてはいかがでしょうか。