ビヤガーデン:松坂屋銀座屋上・麦羊亭、28年の歴史に幕 名物カウンターマン・伊豆倉さん感慨 /東京

松坂屋銀座店(中央区銀座6)の屋上で28年間営業を続けてきた「ライオンビヤガーデン 麦羊亭(ばくようてい)」が9月30日で閉店する。建て替えのため2013年3月で松坂屋銀座店が閉店するのに合わせた。「ベンちゃん」の愛称で親しまれ、ビールをついで49年の名物カウンターマン、伊豆倉勉さん(71)も閉店を惜しんでいる。
 
サッポロのグループ会社「サッポロライオン」が84年から運営。たれを手作業でもみ込んだジンギスカンも人気で、銀座の夏の風物詩として親しまれてきた。
 
伊豆倉さんは山形県最上町出身。高校を卒業後に上京し、銀座のビアホールに入店。通常2〜3年はやらせてもらえないビールつぎを、入社半年で任された。
 
伊豆倉さんがついだ生ビールは、7対3の割合でクリーミーな泡がのる。泡が炭酸の抜けるのを防ぐため、切れ味がよく、スッキリとした喉ごし。工場からタンクで運ばれてくるビールは、輸送中の振動の影響を取り除くため、通常2日間寝かせるが、天気予報をまめにチェックし2日先の需要を見越して発注するのが難しいという。
 
まだエアコンが普及していなかった1960年代、「ビル風に吹かれて飲む生ビール」が人気となり、一気にビアガーデンが増えた。だが90年代後半になると、冷房の普及とともに外で飲む醍醐味(だいごみ)が薄れ低迷。同社が運営するビアガーデンも15店舗から5店舗に減った。
だが08年ごろから、再度ブームが訪れている。同社は「景気が悪くなり、開放的な雰囲気が受けたのかも」と話す。客層も会社帰りのサラリーマンから、女性グループや親子連れも来るようになり、売り上げは右肩上がり。今年も過去最高を記録している。同社の宮城隆志・常務執行役員は「中でも今月の売り上げは例年の3倍。最後ということで、名残惜しんでお客さんが来てくれている」と話す。
 
ビアガーデンの良さについて伊豆倉さんは「すがすがしいよね。広い空の下、夕陽や月も見える。雨上がりの虹が見えたこともあった」と話し、閉店を寂しがった。

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