東日本大震災:洗濯物出しませんでしたか 6月再開のクリーニング店、50点持ち主分からず−−山田 /岩手

東日本大震災で店舗が全壊し、今年6月に営業を再開した山田町中央町のクリーニング店「白洋舎ランドリー」が、震災時に預かっていた洗濯物の持ち主を捜している。経営する湊洋夫(なみお)さん(72)がガレキの中から見つけ出して洗い直したが、名前や住所が分からなかったものだ。「長い間、ごはんを食べさせてもらったお客さんです。責任を持ってお返ししたい」と話す表情には、この道一筋に生きてきた商人の律義さがにじむ。
 
湊さんは海岸に近い自宅兼店舗から高台に逃げて無事だったが、預かっていた約300点の洗濯物を津波で流された。2日後に避難所から戻って拾い集め、ワイシャツ、ズボン、ワンピースなど約100点を見つけ出した。手洗いしたが油や泥の汚れはきれいにはならなかった。元の場所でドライクリーニングの機械や乾燥機などを中古でそろえて商売を再開してから再度洗って、どうにか返せるほどにまできれいにした。
 
しかし、持ち主を記した台帳も流失し、洗濯物の持ち主が分からない。注文を取る際に衣類を束ねるシャツなどのすそに名前を記入するが、それらを手がかりに返せたものが約半数で、残り約50点は預かったままだ。
 
盛岡市のクリーニング店で修業し、22歳で郷里の山田町に店を構えて50年。店が苦しい時、支えてくれたのはお客さんたちだった。配達はパート従業員に頼み、湊さんは注文取りに回る。その度に「震災の時、洗濯物出していませんでしたっけ」と尋ねている。問い合わせは同店(電話0193・82・3639)。

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