日航、全日空との対立深まる 9月19日に再上場決定

東京証券取引所は3日、経営再建中の日本航空が申請している再上場を承認した、と発表した。再上場は9月19日で、上場後の株式時価総額は6000億円を上回るとみられる。日航は2010年1月に経営破綻し同年2月に上場が廃止されたが、約2年7カ月ぶりに株式市場に復帰する。だが、業績の急回復について自民党からは「もうけすぎ」と批判され、撤退した地方路線復活の要望も高まる。ライバルの全日本空輸との対立も深まっており、新生・日航の経営は厳しさも予想される。

「路線ごとの採算性を十分に見極め、利便性の高いネットワークを構築する」。日航の植木義晴社長は3日、上場後の経営についてこうコメントした。

日航は不採算路線からの撤退や大量のリストラなど身を切る経営改革を断行、12年4〜6月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比83.1%増の314億円と、4〜6月期としては過去最高だった。

ただ、この好調さの裏では、公的支援の恩恵を受けながら採算性の低い地方路線を廃止し、公共性を軽視して利益重視に走っているのではないかとの不満も一部でくすぶっている。自民党の国土交通部会は7月中旬、「地方路線維持のための支援や利益の社会的還元を行うべきだ」と再上場反対を決議。国土交通省は「日航が航空ネットワークの重要な部分を担っているからこそ再生支援が行われた」とするほか、藤村修官房長官も3日の記者会見で、「国民生活に不可欠な路線の維持などについて日航に検討していただいている」と述べるなど、廃止路線の復活圧力は強まっている。

不採算路線の復活は、日航が進めてきた再建路線を否定するものだ。「真の民間企業」(植木社長)という再上場後の経営に影響を与えかねない。

一方、全日空が7月3日に発表した約1700億円の公募増資も波紋を広げている。日航の再上場前に全日空が増資をすれば、日航の株を買おうという個人投資家の資金が奪われかねない。日航の稲盛和夫名誉会長は8月2日の会見で「もし(再上場を)妨害するためなら大変問題だ」と不快感をあらわにした。

これに対し、全日空の殿元清司常務は3日の決算会見で「妨害するつもりはない」と一蹴した。両社の対立が深まれば好採算路線での価格競争に発展する可能性もあり、経営の不安要因ともなりそうだ。

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