【ソニーの真実】“技術のソニー”源流はプロ向け製品!

27日開幕のロンドン五輪。日本ではテレビ実況放送の放映時間帯がきついが、視聴率を上げることだろう。テレビ局は視聴者により強い感動を届けられるよう映像・放映システムの充実に努めてきているはずだ。

五輪やサッカーW杯など世界的なスポーツ大会ともなると、開催国はもちろんのこと、各国の主要テレビ局も、衛星を使ったハイビジョン放送など放送・映像機器の更新・拡充に力を入れる。

テレビカメラなど放送用映像機器は、一度導入すると普通、10年間ほど使う。ということは機器の更新は10年単位という計算になる。日本の場合はアナログから「地デジ」、衛星(BS)、通信(CS)など放送手法の多様化・高度化の時代を迎えて、放送局の設備更新や機器の充実が急速に進められてきた。こうした新技術、新機器に対応しているのが実はソニーなのだ。

この分野は一般的には知られていないが、世界シェアの7割を占め、国内では独壇場ともいえる存在感を示している。例えば、街中などでテレビカメラを担いで動き回っているカメラマンを見かけるが、そのカメラはほとんどがソニー製だ。また、結婚式・披露宴で使われるプロ用ビデオカメラもソニー製が圧倒的。

一般消費者向けのエレクトロニクス部門製品が不調を続けてきた中で、放送局向けを中心とするプロフェッショナル・ソリューション部門は着実に業績を伸ばしてきた。その裏には、放送局など「プロの目」に十分耐えられるレベルの高い「SONYの技術」が息づいてきたからだろう。それが実績となり、高い評価となり、強力なブランド力となってきた。

こんなエピソードがある。1998年4月、米映画監督のジョージ・ルーカスから社長(当時)の出井伸之に直筆の手紙が届く。

「私はいま『スター・ウオーズ』三部作の新しいバージョンの製作にHD(高精細、高画質)技術を採り入れる考えです。ついてはソニーで開発中のHDカメラシステムに大きな期待をかけています。ぜひ、協力をお願いします」

出井はこれに積極的に応じた。映画撮影をフィルムから全てデジタルビデオに置き換える映画の“革命”である。ソニー技術陣はこれに見事に成功し、その後のビジネス化にも道を開いてきた。

しかし、2005年にハワード・ストリンガーが会長兼CEO(最高経営責任者)に就くと、「ソニーユナイテッド」の方針を掲げて、各セクション(サイロ)の壁を破壊し、「一枚岩のソニー」に作り替えようとした。業務用、放送・映像用機器の技術開発部門にもこの“嵐”は吹いた。

テレビやモバイル機器など一般消費者(コンシューマー)向けと違って、業務用映像機器は、放送局など企業法人向けの、いわゆるオーダーメード製品である。ビジネスへの価値観が全く異なる。単なるコスト主義で管理されたら「ソニー固有の技術」が崩壊してしまう。

しかも映像システムには送信システムや調整機器も必要になる。屋外での撮影ともなれば大型の中継車も必要。そうした周辺機器も合わせると数百万円から1000万円は下らない。それだけに放送局側の要求も厳しい。また受注から納品、支払いを受けるまで1年、2年とかかる。付加価値は高いが息の長いビジネスなのだ。

ここで開発された技術や素材も多く、コンシューマー製品に転用される。業務用機器は、売上規模では全体の中で小さいが、ソニー技術の“源流”であった。

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