“カリスマ”失ったアップル…今後は“普通の会社”になる!?

米アップルの創業者で前CEO(最高経営責任者)のスティーブ・ジョブズ会長が56歳で死去したことで、同社の今後を不安視する声が出ている。識者は「アップルには30年にわたる超長期計画」と「約6兆円の現金」があり、当面は盤石と指摘する一方、カリスマ不在の影響は徐々に出てくるとの見方もある。

ジャーナリストの本田雅一氏は著書『iCloudとクラウドメディアの夜明け』の中でアップルの超長期計画について明かしている。

ジョブズ氏は自ら創業したアップルを1985年に追われたが、97年に経営危機となった同社に復帰、そこで30年を超える長期計画を立案したという。

「倒産の危機にあった同社を救うためのレシピだったが、修正を加えつつ現在も計画に沿って運営されている。特に大病を患って以降は、自分がアップルを去っても、製品や経営判断にブレが起きないような組織やルールを作る努力をしてきた」と本田氏。

ただ、主力商品のiPhone(アイフォーン)については、ジョブズ氏と親交のあった孫正義社長(54)率いるソフトバンクの独占販売体制が死去直前に崩れた。変化の兆しにみえるが、ジャーナリストの西田宗千佳氏は「iPhoneを広げるためには、複数の携帯電話事業者と組む必然性があった。auと組んだのもジョブズ氏の死去とは関係なく、既定の路線だったのだろう」とみる。

一方で、ジョブズ氏不在の影響についてジャーナリストの大河原克行氏は「アップルは日本の企業に対しても、ジョブズ氏の意向を前提に交渉を進め、長年アップルを扱ってきた販売店を排除するなど大胆な施策を展開した。ジョブズ氏亡き後、ここまで徹底した戦略を継続できるかは疑問。カリスマ経営者と圧倒的なブランド力の両輪のうち、片輪を失った影響は大きい」とみる。

前出の本田氏は今後のアップルについて、「数年のレンジでは製品やサービスの質は大きく変化しないだろう。保有現金も800億ドル(約6兆円)近くあり、短期的な投資、買収判断が鈍るとは考えにくい」とする一方、「次の大きな変節期に対応できる経営判断を早期に下せるかどうかが鍵。長期的に見ると、内外に強い影響力を行使できるジョブズ氏を失った影響は大きく、徐々に“普通の会社”になっていくと思う」としている。

編集後記
トップのあり方現場のなすべきこと
著者は、海上自衛官として15年以上の海上勤務により危険予知能力、危険回避能力を磨き、民間企業の第一線で様々な危機管理業務を遂行した経験をもとに、理論構築を含め、サラリーマン、官庁職員の保持すべき危機管理能力に少しでも役立つよう執筆することにした。
本書はすべて実践に基づいた内容であり、危機管理で大切な危険予知能力、幅広い判断力に基づいた危機回避能力、責任感などメンタルな分野について繰り返し言及した。

危機管理

日々の経営に行き詰まりを感じたり、ストレスがなかな取り除けないと思ってダラダラと仕事をしていませんか。
ときには、非日常を求めて、癒しを求めてちょっとだけ旅行でもしてみてはいかがでしょうか。