<東日本大震災>半年経過で債権回収再開 被災者悲鳴

東日本大震災の被災地で、金融機関やクレジット会社が半年間見合わせていた被災者に対する債権回収を再開させた。「半年も猶予したのだから」と一括返済を求める業者もいる。相談機関には、仮設住宅で自立生活を始めた人から「仕事を失い、生活するだけで精いっぱい。どうすればいいのか」との相談が寄せられている。債務を抱えた被災者に二重の苦しみがのしかかっている。

被災者からの債権回収について、全国銀行協会は震災発生翌日の3月12日、加盟銀行に「柔軟に対応する」よう通達。日本貸金業協会と日本クレジット協会も「督促等の回収業務にあたっては被災状況に十分配慮する」「支払い猶予について特別な配慮をもって対応する」ことをそれぞれ加盟社に要請した。

いずれも配慮する期間は明記しておらず、「各社の判断」としているが、岩手弁護士会災害対策本部長を務める石橋乙秀弁護士は「多くの業者が半年間は督促状の発送などの回収業務を行わなかった」と話す。

ところが震災半年の9月11日を境に、回収を再開する業者が続出。岩手県で債務者の生活再建に取り組む消費者信用生活協同組合が設けている各地の窓口には「支払い猶予期間が過ぎた」との理由で返済を迫られる被災者からの相談が相次ぐようになった。大手貸金業者は「半年というのは一つの節目として合理的だ」と説明する。

同県釜石市の自宅が全壊した40代男性は9月中旬、銀行系カード会社から「6カ月待ったのだから一括で支払ってほしい」との請求が避難先の市外のアパートに来た。借入金は約50万円。自営業だが「津波で店も失い、返すすべはない」と途方に暮れる。宮古市の30代男性も、クレジット会社から返済請求の手紙と電話があり、同様に利子を含め一括返済を迫られている。

仙台弁護士会の被災者向け法律相談にも、銀行から住宅ローンの返済猶予を受けていた被災者が、9月に入り「今後どうするのか」と返済を迫られているケースがあるという。

事態を受け、岩手弁護士会は9月末から順次、弁護士不在地域の陸前高田市や山田町、大槌町に新たに相談センターを設ける。石橋弁護士は「これから一気に請求が増え、被災地全体で返済できず思い詰める人が急増するだろう。自殺者を出さないためにも解決の体制作りが急務だ」と訴える。

債務に関する各地の相談窓口は、全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会(03・5207・5507、平日午後1〜6時)でも紹介している。

編集後記
いつでもカード、どこでもローンの落とし穴
この国の消費者金融の利用者、1400万人。クレジットカードの発行枚数、2億9000万枚。
それらを利用して返済困難におちいっている多重債務者は、200万人超。経済苦・生活苦で自殺をしている人、年間7000人…。高校卒業と同時にだれにでも起こりうるお金のトラブルと、その解決方法が、絵解き・ナゾ解きでわかる。カード&電子マネー時代に必読の1冊。

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