埼玉県日高市で自動車部分品製造の(株)エヌ・エスは、1月28日に特別清算開始命令を受けた。
蛍光灯器具の製造販売を目的に創業。その後、自動車用シートフレーム部品の納入を開始した。近年では、大手自動車メーカー系列の部品業者から受注を得る形で、自動車内装部品としてのシートフレームを製造していたほか、エキゾースト部品などの自動車外装部品、産業機器部品なども扱っていた。
当地老舗の自動車部品メーカーとして高い技術と豊富な実績を有し、設立以降数度にわたり工場を拡張。加えて、各種の製造機械を整えることで、試作にはじまり、金属プレス加工、パイプベンダー加工、溶接、さらには表面処理や組立、検査、出荷まで、量産が可能な体制を構築していた。
2011年3月期は年売上高約56億2300万円を計上。しかし、得意先がほぼ限定していたこともあり、大手自動車メーカーの生産体制変更や車両のモデルチェンジなど、その影響を大きく受けて業績は不安定に推移。2015年3月期は年売上高が約39億5100万円と急減し、収益性も低迷して最終赤字約3億8500万円を計上。債務超過に転落していた。
さらに、過去の設備投資に要した借入金の負担も重く、利払いも収益を圧迫するなど苦しい状況に追い込まれ、その後一時的に売り上げが上昇しても、収益面では赤字が続き、抜本的な財務体質の改善が急務となっていた。このため、会社分割による事業の再建を決断。2019年8月に(株)エヌ・エー・ジー(のちに(株)新堀製作所に商号変更)を設立して当社の事業を承継し、当社は商号を(株)エヌ・エスに変更したうえで2019年11月30日に会社を解散。清算手続きに入っていた。
なお事業は、新・(株)新堀製作所において通常通り行われている。
会社名 (株)エヌ・エス(旧:(株)新堀製作所)
業 種 自動車部分品製造
所在地 埼玉県日高市
設 立 昭和37年5月
創 業 昭和23年5月
資本金 2000万円
負債額 30億円