大学生による手配りビラ



●週末の街頭でよく見かける手配りビラ。
新規店舗のオープン告知や、安売りキャンペーンの告知などを、道行く消費者に懸命に配っているようだが、最近では、その反応率も下がりつつあり、
さらには、ビラを必要としない消費者がそのまま街中で捨てるといったゴミ問題にまで発展している。
しかし、そういった低迷気味にある手配りビラも、アイデア次第で、見事に効力を持つ販促策となり得る。

●東京・原宿にオープンしたスポーツ店が、大学チーム対抗戦形式で、手配りビラのイベントを開催した。
同店の主要顧客となる各大学のスポーツサークルに応募を呼びかけ、各5名ずつの10チーム50人を募った。
各チームは、スポーツ店で用意したビラを、指定場所で道行く消費者に配り、そのビラをもとに来店した客数で勝敗を決めた。

●どのチームが配ったビラか、ひと目でわかるように、10色のビラを用意。
来店した客数が最も多かったチームには、賞金10万円を進呈。
また、参加チームには、バイト料として別途2万5千円ずつが支給された。
ここで気になるのが、先にも述べたゴミ問題。
しかし、ここにも特筆もののアイデアが施されてあり、捨てられたビラがよそのチームに拾われると減点となる要素を設けた。
優勝チームが実際に客を引っ張ってきた数は約400人。10チーム合計で、約3000人にも上ったという。

消費者参加型広告



●「こんな商品あったらいいのにな」という願望をかなえるべく、最近よく見られるのが「消費者参加型」の商品開発。
これまでは、メーカーが開発してきた商品をバイヤーが仕入れ、販売していたが、客の嗜好も多様化している現代では、より消費者の声が反映された商品が求められてきている。
実際、メーカー側にもこの意識は強く、一般消費者の意見を収集する目的で、意見交換会なども行われているようだ。

●そんな中、あるトップデパートでも、消費者のニーズに応え、個性的な品揃えにつなげる目的で、買い物バッグの開発を始めた。
企画・開発に参加する消費者を「商品開発パートナー」と名付け、男女十人ほどを募集する。
ここまではよくある話だが、同デパートの企画では商品販売に際して、店頭の看板やチラシなどのいわゆる販促媒体に、参加していただいたパートナーの名前や顔写真を入れることも予定しているという。
このような表現をすることで、二つの効果が得られるだろう。
一つは、名前や写真が載る以上、参加するパートナーも気が抜けないという点。
つまり、商品の開発意識が高まることから、より消費者のニーズに合った商品開発が出来るというメリット。
もう一つは、単純に広告としての面白さ。

地元の消費者が紙面に載るわけだから、注目率という点では、非常に高い効果が得られるのではなかろうか。

個人経営の自転車屋さん



●個人が経営している自転車屋さんと聞くと、大型店隆盛のこの時代に、厳しい経営に直面しているだろうと予想される方も多いだろう。
アメリカにある個人経営の自転車屋さんの話だが、売り方さえ工夫すれば、大型店にも負けないことを実証している。あらゆる小売業の参考になると思うので、是非ご一読いただきたい。

●この店の成功の最大の要因は『サービス』にある。
店主の考えとしては、自店の自転車が、他店の自転車よりも優れているとは思っていない。
当り前の話だ。販売価格の差こそあれ、自転車そのものに違いなどない。
そこで、他店との差別化として得た最終結論が『サービス』だった。
同店では、10年以上前に、購入していただいた自転車に1年間の保証期間を設定していた。当時、他の店では30日保証が一般的だった時代。
他店も負けじと、2年間保証を打ち出してくると、遂には「永久保証」に踏み切った。

●ここには、当然1つの計算がある。
ほとんどの場合、自転車は5年未満で買い換える。無料サービスは大体1年目に集中し、
2年目には2〜3割程度にまで下がる。
そこで打ち出した永久保証は、たいした保証にはならないだろうとの読みがあった。
もちろん、この永久保証は、それまで購入していただいた自転車にも適用された。

●また、この他にも様々なサービスを展開していく。
価格面においても保障期間を設定。同店で購入したものと同じ商品が州内でより安く売られていた場合、差額プラス10%を返金するというもの。
この保障期間は90日。
ただ、客の動向としては大部分において、払い戻しを受けた人の約半数が、その日に払い戻された分、店で買物をしてくれるという。

トイレに気をつけて!



●小売業の場合、商品を売るためには、来店してもらう必要がある(通販などを除いて)。
来店してもらうためには、当り前の話だが「店に行きたい」と思わせなくてはならない。
「それが難しいから苦労してるんだよ!」と思われた方、もう少し読み続けていただきたい。
どうしても、「店に行きたい」方向から考えると、商品ラインナップや社員教育など多岐にわたってしまうが、今回は「こういう店には行きたくない」というマイナスポイントをつぶすことで、結果的に、来店促進を向上させる部分を考えてみたい。

●実際に利益を生むことはないが、来店する上で最も重要部分とされる「トイレ」について考えてみたい。
場所が場所だけに、客からもクレームがあがりにくい部分であるため、ないがしろにされがちだが、「トイレ」に対する不信感により、来店減少になっている場合が案外少なくないという。
これは、完全に見えない部分だと言える。
ある調査では、飲食店のトイレが汚いというだけで、「今後あまり利用したくない」と回答した人が8割にもなったというから驚きだ。

●よりトイレを使用する頻度の高い女性にいたっては、いくらきれいなトイレでも、男女共用だったら二度と行きたくないという意見もある。
また、障害のある方への配慮や、おむつ交換のための専用シートなども必要であろう。
こういった傾向は、日々高まっておりメーカーからも、マイナスイオンを放出し室内の臭いを速やかに脱臭するトイレなど、多くの新商品が開発されている。

経費との兼ね合いもあるだろうが、充分に気をつけてほしい部分だと言える。

特化する



●小売りが、2極化しつつある。「品揃え充実! 何でもあります」タイプと、「これしかありません! でもこだわりが違います」タイプ。
要は、他店には負けない品揃えで勝負する店と、限定された種類のものに特化する店。
衣料店で面白い事例があったので、紹介したいと思う。

●レデイス向けの“白い”シャツに限定している店がある。
なぜ、白なのか? シャツといえば、ファッションの中でも核となるアイテムだ。しかし、白には非常に難しい面がある。
汚れやシミが目立ち、縫製も難しい色といわれる。しかし、白こそスカートやパンツといった他のアイテムとの組み合わせが、最も幅広くできる色ともいえる。
オーナーは白を基本色とすることで、白にこだわりを持つ女性の集客に成功している。
一見、色を限定しているようではあるが、一般に、白を嫌いという人もあまり聞いたことがない。
白に限定することで、店の特徴をアピールしつつ、その実、最も幅広く人気のある色を選んでいる点が上手くマッチされていると思う。

●また、ある靴下の専門店では、なんと1800色のカラーバリエーションをもつ靴下が揃っている。
ここでは靴下に特化しているわけだが、同時に1800色というダイナミックな部分も併せ持つ。
最近では、このように、1つの商品をカラーバリエーション化して売り出すパターンが増えてきた。先ほどの白とは逆に、赤でもない紫でもない“赤よりの赤紫”が好き、という人もいるだろう。

客の嗜好が細分化されてきた。

本当の限定品



●「土・日曜日限りの完全限定品」という見出しのチラシを、毎週のように折り込んでいる店は少なくない。
例えば、ビールの特売などで「完全限定」とうたっていながら、結局、毎週末、同価格での特売を行っている場合が多い。同業他店との価格競争を考えると仕方ない部分もあるだろうが、そこに表記されている「完全限定品」に魅力は感じられない。

●“売れる”商品であれば、誰もが、売れ続ける限り売りたいと思うだろう。
しかし、今注目を集めている衣料店では、全く逆の路線を確立している。
圧倒的に売れ筋商品であるレースのブラウスや、一週間に200枚も売れていた商品を、
一定期間で完全に新商品と切り替える戦法だ。
棚に置いておきさえすればどんどん売れていく商品にもかかわらず、そこに例外はない。
しかし、この店は、常に若い女性客でごった返しているという。

●客心理から見た場合、いくつかの意見が考えられる。
「いつも違う商品があるから楽しい」
「2週間でなくなるのであれば、今買っておかないといけない」などなど。
一般の店で見られる在庫処分品なども、一切置いてない。
一見、「在庫になるよりも、安くてもいいので売り切った方がいい」と考えがちだが、
案外、これが大きなマイナス要因になっている場合がある。
まずは、在庫品を目立つ場所に並べることで、新商品の店頭アピールを邪魔している。
また、「今買うより1ヶ月後の方が安くなるかも」という、買い控え現象を引き起こすことにもなりかねない。まさに、悪循環である。

●このように、本当の意味で「限定品」の意味を持つこの商法は、一度波に乗れば、飛躍的に売り上げを伸ばすことができるだろう。
しかし、そこに至るまでの準備もまた大変である。 常に、客に受け入れられる商品開発・仕入れ、スタッフの商品知識導入など。さらに、次に出す商品が必ず売れるとは限らない。
常に勝負していく“店の力”が必要となってくる。

最後の販売チャンス



●コンビニに行くと、レジ横に液晶ディスプレイがあり、何やら、新商品や人気商品の動画広告が映し出されている。
店員に商品を渡し、レジで計算している間や袋詰め、レンジでチンしてもらう間についつい見てしまう。
なぜ、見てしまうのか?
「他にすることがないから」
しかし、この映像広告は、店側にとっては、非常に重要なポイントとして映し出されている立派な販促手法なのだ。

●コンビニの映像以外に、レジまわりには“ついで買い”を促す様々な商品が並ぶ。
お菓子やボールペン、週刊誌等々。これらはいずれも、レジ前で“ついで買い”を促すための商品となる。
つまり、店側にとっての最後の販売チャンスというわけだ。多くのコンビニのレジ前には、ガム売場がある。これも、同様の発想から。

●スーパーやファミリーレストランでも、この手法は用いられている。
レジは、客が必ず立ち寄るところなので、注目率は高い。中には、自社ブランドのお菓子を40種類ほど並べている店もある。そして、その商品は長期にわたって動かさない。
一度、味に納得していただけたら、継続して購入してもらえる可能性が高いという。
本屋さんにおいても、トランプゲームのような、ちょっとした玩具雑貨がよく目に入る。

●よく「ヒット商品」といわれるものがあるが、最近の傾向としては、販売後すぐに売上げがピークに達し、2週間ほどで飽きられるパターンが多いという。
こういった商品も“レジ横”向きといえる。

発売初日の販売動向で、「これは売れる!」と判断できたものだけを積極的にレジ横に陳列するといいだろう。どうせ短いスパンでブームが消えてしまうのであれば、最大限、そのブームの波に乗るほうがいい。

●客は「あれとこれを買おう」と思い描きながら、買い物に行く。
しかし、実際に店に入ってみると、別な商品も必要であったことに気付くことがある。
実際の商品を見ることで、忘れていた必需品を購入する。 レジ横の場合、必ずしも必需品でなくていい。
「ついでに買っておこうか」と思える商品(ストッキングなど日常定期的に購入するものや低価格のお菓子など)をラインナップとして並べてみよう。

実演販売



●デパートに行くと、時々実演販売を見ることがある。数人の主婦が周りを囲み、販売するおじちゃんの説明に見入っている。
元々ショッピングとは、“楽しむ”という側面もあるわけだから、このような販売形式が成り立っているのだろう。
おじちゃんの説明を聞いていると、必ずしも欲しい商品でもないのに、ついつい買ってしまう、なんてこともままあるだろう。
「聞いているとなんだか欲しくなってしまう」
まさに、巧みな話術によるところが大きい。

●長年、実演販売を専門にしている達人が明かした、「実演販売の4つのポイント」を紹介したいと思う。
1つ目は、自商品の優れた点を、他社製品と比較して見せながらアピールし、興味を持ってもらうこと。
2つ目は、客に実際に商品を触らせることで、安心感と親近感を持ってもらうこと。
3つ目には、信頼感を持ってもらうため、実演中には汗は拭かないこと。
さらに、実演に際しては、きちんと納得して購入してもらうことを心がけているという。

●これは、何も実演販売のみにいえることではない。
実際の店頭においても、重要なことだといえる。何かとでしゃばってくる店員はどうかと思うが、客が求めてきたならば、誠実に丁寧にお答えする。
そこに、ひたむきな姿勢があれば、「あ、ここで買おう!」となる。
買う側にしてみれば、自分の財布からお金を渡すわけだから、ある意味、真剣勝負といえる。それに対し、店員の応対がいい加減であれば、すぐにそっぽを向かれるだろう。

●実演販売の達人は、もう1つ大きな努力をしている。
客のほとんどが主婦であるため、帰宅後、奥さんの前で実演リハーサルを繰り返すという。自分で努力して話している説明でも、主婦の目に触れると、アラがでてくるのだろう。
この真剣な努力が、年間売上げを数億円にしている。

レディース向けサービス



●レディースデー、レディースサービス、レディースプラン…
サービス業や飲食業などで女性を優遇する手法が増え続けている。なぜ、女性なのか?
こういった手法は今に始まったことではない。それでも女性優遇。どうやら、女性と男性は根本的に異なる消費行動を取るようだ。

●レディースサービスには様々なものがあるが、ここでそのいくつかを紹介したいと思う。
まず、飛行機会社スカイマークエアラインズは、昼の2便を対象に女性客に化粧品やチョコレートをサービスする企画を実施。
「もともと他社よりも女性客の比率は高いが、さらに増やす」ことが狙い。
競馬の世界でも、桜花賞、オークス、エリザベス女王杯の日をレディースデーとし、通常200円の入場料を女性は100円に。
また、野球場の西武ドームもシーズン中、月1回のレディースデーを実施。通常1600円の外野席を女性は500円に。
他には、ガソリンスタンドでは女性客に限って洗車サービスやティッシュプレゼント、パチンコ店では女性客には出やすくするケースとストッキングをプレゼントなど、多種多様だ。

●東京の映画館では、毎週水曜日をレディースデーとし、通常1800円を1000円にしている。レディースデーを導入して1年半。
「入場者の総数を増やす効果が出ているかどうかの判断は難しい。」という。
映画にはヒット作とそうでないものの客の入りが何倍も違うため見極めにくいのだ。しかし、曜日別の客の入りには明らかな変化が見られる。
導入前は平日(月〜金曜)はほぼ同水準で肩を並べていたのに現在は水曜だけが突出し、
他の曜日の2倍に達するという。それでも総数が膨らんだとは即断できない。
月〜金曜の一定レベルに土・日突出型から水・土・日突出型へシフトが進んだ可能性が高い。

●それでは、女性ターゲットのサービスが、なぜこれほど増え続けているのか?
「男は概して保守的で臆病なのに対し、女性は新しい経験を求める気持ちが強い。また女性の方が経験を求める気持ちが強い。さらに女性の方が経験の伝達に積極的だし、巧みでもある。料金を割り引いたり特典をつけるのは“経験”の機会を提供することになる。ビジネスとしては理にかなっている。」と専門家の弁。

ここで面白い事例がある。
大阪のある映画館が毎週水曜のレディースデーに加え、火曜のメンズデーを設けたが、入場者数に大きな変化は見られなかったという。
どうやら、女性は自分の気に入った店やサービスを人に薦めるが、男性客は気に入ったものは人に薦めるどころか秘密にしたがる習性があるようだ。

お店の中で出来る『楽しい演出』



店内通路の角々に7ケ所ほどゲームが置いてある。例えば、パンチングボールもその1つ。
お金のかからない単なる器具だが、面白いのはマイク・タイソンは何キロと書かれてある。
●隣に行くと、ゴムのマットがあり、ここで飛び跳ねろと書いてある。
そうすると、ジャンプしてから地面につくまでの滞空時間がでてくる。
マイケル・ジョーダンは1.1秒と表示されている。誰でも世界一とは比較してみたいのか、みんな試している。このような『楽しい演出』が店内のいたるところにあるため、この店は家族連れでいつも賑わっているという。

●商店街などのイベントでも、こういったことを応用して、ある一角に握力計や背筋計などを置き、右手の握力と左手の握力と背筋力の合計を表示して、ベスト5には景品を差し上げる、といったコーナーを設ける。
上位10人くらいまでの名前と記録を表示し、その人たちより良い記録が出た場合、10位の方は外され上位10人に登録・表示される。
たいした企画ではないのだが、客が持っている競争心とか、子供の前で父親の権威を示したい気持ちを刺激することは出来る。

お金をかけなくても、こういった何気ないものに、世のお父さん達は張りきるものだ。
日々の経営に行き詰まりを感じたり、ストレスがなかな取り除けないと思ってダラダラと仕事をしていませんか。
ときには、非日常を求めて、癒しを求めてちょっとだけ旅行でもしてみてはいかがでしょうか。