倒産速報 明日はわが身です。全国 2016年1〜12月の返済猶予後倒産
全国で2016年1〜12月の返済猶予後倒産件数は413件。
2009年12月に施行された中小企業金融円滑化法は2013年3月末に終了した。しかし、終了後約4年が経過した現在でも、実質的には同法施行時と同様に「金融機関は引き続き円滑な資金供給や貸付条件の変更等に努めるべき」との金融庁による方針のもと、貸付条件変更等の実行が続いている。
金融庁が公表している資料によれば、2013年3月末〜2016年9月末時点までの累計で約367万件の申し込みがあり、約358万件が貸付条件変更等の実行対象となった。
一方で、こうした返済猶予を受けながらも経営改善が図れずに倒産に至るケースも散見されている。
2016年に判明した「返済猶予後倒産」の件数は413件となり、前年比5%の増加となった。中小企業金融円滑化法が終了した2013年をピークとして、「返済猶予後倒産」は減少傾向で推移していたが、3年ぶりに増加に転じた。
企業倒産全体は2010年以降7年連続で前年を下回っているが、返済猶予を受けることで倒産を回避している企業は相当数存在する。こうしたなか、暫定リスケジュールの猶予期限を迎えた企業が、再建を断念するケースが散見されるという。