■「気絶するほど魅力的な提案」と「圧倒的な差別化」
まず考えなければならないことは、現在、市場でお客にどんな不満があるかである。
不満がどこにあるか常に目を光らせ、市場ギャップを見いだし、独自性を打ち出せば、ライバルと同じ土俵で戦う必要がなくなる。指名買いは、この独自性の結果である。
第二に、他社との違いが明確になれば、営業トークのなかで積極的に生かすことができる。
簡単なメッセージであなたの会社の独自性を表現する。
なぜお客はあなたから買わないのか。その理由は3つある。
第一は「欲しくない」
第二は「お金がない」
第三は「あなたから買うのが心配」
第一と第二は難しいが、第三は努力次第でとうにでもなる。
あなたの商品を既に使っている人の感想をパンフレットの中や、その他の資料のなかで紹介する。
すると全く無名の会社であっても、あなたの会社には、既に多くのお客がいるという実績を示すことになり、新規顧客の不安感を軽減させるのだ。
ただし、気を付けなければならないのは、決して、お客の声をでっちあげないこと。お客には、第六感があって、ウソをつくと必ず伝わるのである。
見込客に対して、資料を通して120%の情報を提供した後は、継続的なフォローを行う。
この継続的なフォローが、見込客リストを現金化する最も重要なステップである。
しかしたいていの会社は、資料を送ってそれっきりとなる。これは、致命的な間違いである。
資料送付、電話によるフォロー、顧客の優先順位付け、ダイレクトメールによる再フォローもしくは訪問というステップを踏むことになる。
それぞれのお客をどのようなステップで、フォローをしていくのか決めてしまう。
例えば、資料を送った3日後に営業マンから電話する。1週間後に資料を再送する。3週間後に展示会への招待状を送る。
その後は3週間ごとにハガキのDMを送るなどステップを事前に組んでおくのだ。
【行動のための指針】
1、ケチに徹して、最小予算で広告テストを行う。
2、広告の目的は、売ることではない。見込客を集めること。
3、「24時間録音テープ案内」は、魔法の言葉。広告に対する反応をすぐにアップさせる。
4、ダイレクトメールは、次の要素を含むこと。「気絶するほど魅力的な提案」「圧倒的な差別化」「120%の情報」「お客様の声」
5、見込客のフォローを1回でやめてしまうことは、小切手を換金せずに捨てるようなもの。
6、「うちの業界では、役に立たない」は、売れない営業マンの言い訳と同じ。
7、後で失敗するぐらいなら、今する。先に延ばしたところで、どうせ失敗する。
8、考えるより、行動する。行動しながら、考える。
9、ビジネスは、仮説と検証。テスト、テスト、テストしかない。
■小予算顧客獲得法のデメリットは?
第一に、ナマケモノではできない。
第二に、一攫千金の話ではないということだ。むしろ、ゆっくりと確実に、リスクを避けながら、販売効率を上げていく方法である。
一気に数千人のお客が獲得できるということはありえない。ゆっくりとしかお客は増えない。
システムが安定してくるには、最短でも5〜6カ月の期間はかかる。
第三のデメリットは、失敗は、テスト結果の一つに過ぎない。そこから分析が始まる。分析によって、問題が解決可能か、解決不可能かがわかるのである。
■小予算顧客獲得法のメリットは?
1つ目は、売上を予測できる販売システムを、持つことが出来ることだ。見込客の獲得にはバラツキがあるが、見込客の成約率は安定してくる。
2つ目は、販売効率が年々向上するということである。データーベースに蓄積される顧客数が年々増えていく。
「継続は力なり」を実践しているに過ぎない。しかしこの当たり前のことが、今までは難しかった。
3つ目は、仕入れをする前のテストマーケティングとして利用できるという点が挙げられる。
4つ目は、このノウハウは、自分自身の能力となるということである。すなわち商品が替わっても、会社が替わっても、あなたの能力はつぶしが利くようになる。
■実行するにあたって注意することは?
第一に、お金を出来るだけ使わないでやること。
第二に、出来るだけ早いうちに失敗すること。どんなに成功する人でも10のうち、7つまでは失敗するのである。
失敗は無駄にならない。失敗がデータとなって、ノウハウになる。
はじめからうまくいかなくても、実践すれば向上していく仕組みになっている。
この顧客獲得法を実践するために、必要なことといえば、小さな広告を書くだけである。字数にして100文字も書けばいいのだ。それで初めの一歩を踏み出せる。
■最後に
魚のいる場所に行く⇒広告を出す。もちろん小予算で小さくてもOK。
餌を⇒見出し、コピー表現、特典等を合わせたお客にとっての具体的なメリット。
釣り糸⇒返答方法。電話、FAX、ハガキなどでの受付。
釣果⇒売上や利益。
【行動のための指針】
1、社長の信念がどんなに立派であっても、社員がどんなに遅くまで働いても、商品がどんなに素晴らしくても、お客が来なければ、会社はつぶれる。
2、「いい商品」と集客力との間には、明確な相関関係はない。しかし「いい商品」であることをお客に伝える能力と、集客力の間には、明確な相関関係がある。
3、ポジディブ思考よりも、ポジティブ行動を。
4、お客は、器に集まるのではない。お客の集まるところに、集まる。